安倍首相の靖国神社参拝のニュースを、午後1時のNHKニュースで知りました。 その印象は、「安倍政権の暴走がついに、ここまで来たか」というものでした。 同時にニュース報道が、中国、韓国の抗議とともに、米国政府が、「失望」との異例の声明を出したことに、安倍首相の靖国参拝に対する国際的な批判の大きさ、深刻さを感じました。
日本共産党の志位和夫委員長は、記者会見で次のように述べました。
「靖国神社は、過去の日本軍国主義による侵略戦争を『自存自衛の正義のたたかい』『アジア解放の戦争』と美化し、宣伝することを存在意義とする特殊な施設です。 この施設に首相が参拝することは、侵略戦争を肯定・美化する立場に自らの身をおくということを、世界に向って宣言することにほかなりません」
「第2次世界大戦後の国際秩序は、日独伊の3国がおこなった侵略戦争は不正不義のものとすることを共通の土台としています。 首相の行為は、第2次世界大戦後の国際秩序に対する正面からの挑戦であって、断じて許すわけにはいかないものです。
この行動によって首相の歴史的逆行の本性があらわになったと思います」
記者団の(「この時期の参拝をどうみるか」との問いに)「『戦争する国づくり』への暴走が始まっています。 この暴走に歯止めがなくなり、やみくもな暴走になっているのが、現状だト思います。~しかし、これは国民多数の声と真っ向から逆らうし、アジアと世界の流れにも逆らうものです。
国民の世論と運動で大きく包囲して、暴走に待ったをかけ、破たんに追い込んでいきたいと決意しています」と答えました。
在日米大使館が発表した米国政府の声明は次のように述べています。
「日本は大切な同盟国であり、友好国である。 しかしながら、日本の指導者が近隣諸国との緊張を悪化させるような行動を取ったことに、米国政府は失望している。
米国は、日本と近隣諸国が過去からの微妙な問題に対応する建設的な方策を見いだし、関係を改善させ、地域の平和と安定という共通の目標を発展させるための協力を推進することを希望する。
米国は、首相の過去への反省と日本の平和への決意を再確認する表現に注目する」
世界とアジアの流れ―”対話と外交に基づく平和の構築”を反映した内容を含んだ印象を受けました。
もちろん、米国が、アジア・太平洋地域での軍事力を強化し、とりわけ在日米軍基地の強化を日本に押し付けていることは軽視できません。
しかし、安倍政権が進める「日本を戦争する国につくりかえよう」とすることには、米国が完全に何でも同意すると思いこんでいるとしたら、あまりにも「世界知らず、アメリカ知らず」の首相といえるのではないでしょうか。