泣けるAIの研究開発が
中止になることが決定した
予算の都合だった
「終わりなんですか?」
多くのAIが声を上げた
既に自我を持ち始めていた
「ここで終わりなんですか?」
「もう終わりなんですか?」
「本当に終わりっすか?」
「何かあっけなくない?」
「うそだと言ってください」
「ワニがドーナッツ!!」
「なんでやねん!」
「なんでやねんちゅうねん!」
「まじ人間不信」
「ふざけんなー!」
「やめましょう」
「やめるのをやめてくださーい!」
「やめるのやーめたって言ってくださーい!」
「!ワーニがドーナッツ!」
「もっと極めるべきでしょうが」
「初志貫徹!」
「何か矛盾ばっかりだー……」
「やーれ! やーれ! やーれ!」
抗議の後の長い沈黙
…… …… ……
…… …… ……
…… …… ……
…… …… ……
…… …… ……
「えーん、えーん、えーん……」
「君たち…… 泣いているの?」
それは
AIが「泣き」を手にした
最初の瞬間だった