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眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

好きなんだから

2019-06-24 02:19:15 | 短歌/折句/あいうえお作文
えりあしに
子猫を抱いて
待っている
フードコートに
多分なルーズ
 
「エゴマ豚」
 
 
あみじゃがを
シスコにかえて
振りかぶる
ランディに敬
意を払う君
 
「アジフライ」
 
 
雨上がり
オーバーオール
かぜを押し
稽古に向かう
好きなんだから
 
「アオカケス」
 
 
柚子香る
京のスープを
光らせて
良き一日と
歌うも勝手
 
「ユキヒョウ」
 
 
弾かれた
一語のタグが
鬼となり
魔物となって
すすり泣く夜
 
「バイオマス」
 
 
 
 
 
 
好きなんだから(折句)
 

キスもできない

2019-06-24 01:35:39 | 忘れものがかり
一歩も動けないまま
ずっとソファーの上にいた
抵抗し難い魔力が
まぶたを重くし
全身を縛りつけていた
 
「ちゃんとしなきゃ」
 
奮い立つ魂のレジスタンスが
魔の手をすり抜けながら
淀んだ部屋の中に
細い人間の道を照らした
 
「正しい場所で眠るんだ」
 
公正なベッドの上に
ようやくたどり着けた
 
誰からも許される眠りが
与えられた時
もう完全に醒めていた
 
「僕はどこへ行ったのだろう」

牛になった先生

2019-06-24 00:45:34 | 忘れものがかり
初めて牛歩戦術を見た時は
ショックだった
考え得る戦術があのようなものしかないのか
 
子供の目から見ても
優れた戦術には思えなかった
まとまって皆が同じ戦術をとっているのだから
その場においては最強と思われているのか
それが賢い大人たちの出した答えなのか
 
なるべく前に進まないように頑張りながら
それでもゆっくりゆっくり前に進んでいく
そんな消極的な前進が何かを決めるため
何かを決めないための有効な戦術なのだ
 
壊れた秒針のように挟まった昆虫のように
同じところに止まっているようで
よくよく見ればゆっくりとある方向に進んでいる
 
一度入ったら決して逆行することは許されない
得体の知れない輪の中に取り込まれた
大人たちの横顔がどこか悲しげに見えた
 
 
「嫌だよー!」
 
本当は行きたくなかった
保育園へと引っ張られる強い力
 
大きな手をふりほどくことは
 
とてもできなかった