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眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

海辺の捜査会議

2012-06-20 20:38:19 | 夢追い
 ラッキーボーイになりたかった。少し遅れて砂浜に行くと捜査員たちは、それぞれの岩場に腰掛けたり、潜んだりして、議長の方を向いていた。僕に気づいた先輩は、ガムを一枚差し出しながら、「最初が肝心だから」と言った。「夕焼け当時の資料を持っている人は?」鞄の中にあるはずの資料を探っていると、それはどこか別の岩陰から差し出されてしまった。

「目撃者によると、犯人が飛んでいたのは30分」
「それは秋が、時を長くみせかけたのだ!」
「海外では時の経過もまた異なります」
「女は席を立とうとした。しかしその時肩のフックが引っかかり、引き戻された。そのために生じた時差の中に落ちたのだ」
「その時、食事は完全に終わっていたとのことです」
「しかし、また水を注ぎ入れれば、全く新しい次の朝のディナーになるのでは?」
「朝のだと?」
「泳がしたのは釣り人でした。犯人は自分と色をすり替えたのです」
「その後、熱狂的なファンの一人が一年に渡って犬を温めていた」
「近所の人の話によると、確かにその時、フレアが見えたという話だ」
「裏は取れているのか?」
 その時、審判が旗を上げた。
「犯人がこの中に紛れているぞ!」

 直ちに先輩の手に手錠がかけられた。まさか、先輩が犯人だったとは。洞窟の取調室に連行された先輩を取り調べるのは、僕の役目となった。世話になった先輩に何から訊けばいいというのか……。心を落ち着けるため、僕はガムを噛むことにした。まずはどう切り出すかが重要だ。
「最初が肝心だから」


マジック

2012-06-20 02:01:18 | ショートピース
支持率が消費税率を下回ったため、とうとう総理大臣が打ち首になった。「応援している人もいるのに……」小さな声はかき消されて、後任に天才子役が持ち上げられると驚異的な数字をたたき出してみせた。「爆勝だ!」サポーターが旗を振る。ヴィッセル神戸の勢いはうなぎのぼりだった。#twnovel