自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

ひとりひとりの音をあつめて

2004年12月26日 | 自由の森のこんなこと
「ひとりひとりの音をあつめて」というテーマの音楽祭は泣いてしまったSさんだけでなく、「こんな若者達が中学生も高校生もいっしょになって歌っている姿を初めてみました」という驚きと感嘆の声がたくさんよせられました。

ひとりひとりの音を集めるだけでなく、お互いのハーモニーにして、そのハーモニーをお互いが微笑みあえるみんなの姿が、まぶしいくらい素敵でした。暗い戦争や事件が多かったこの1年に、お互いを認めあい、支えあえるみんなの自然さが、人間の本来の豊かさをみせてくれていたのではないでしょうか。


 中学生達がどのクラスも一生懸命に歌っていたのはジーンとしました。この1年で各学年が、確実に自分の表現と他の人との表現をつなげる事を楽しみ成長していましたね。

 ひとりひとりの音は、感性の違いや表現の違いによるもので、それが集まる事で、もっと多様で自分だけの音だけでは気づけない、豊かさや美しさ、楽しさを創っていきます。

 そのことをよく知っているみんなだからこそ、こういうテーマが選ばれたのでしょう。学校はそういう多様な意見・感性、表現がお互いを認めあう事によってより豊かな場になるということを、この音楽祭で確かめられました。とっても良かった音楽祭でした。Wunderber!!(すばらしい)

モルゲン

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合唱で泣いてしまったSさん

2004年12月24日 | 自由の森のこんなこと


音楽祭のこぼれ話です。
 今年度から事務局に勤務している若いSさん。巨体ですが物腰の柔らかい男性です。
 音楽祭は初めてということもあって、音楽祭の2日目の後半、学年合唱をのぞきに行きました。ところが、いつまでたっても事務局に戻りません。実は彼は生徒の合唱に感動して最後のメドレーまで会場から出られなかったのだそうです。

 今日、彼に音楽祭の感想を聞いてみました。
 「ほんとに感動しました。僕、泣いちゃいましたもん。」
 何に感動したの?
 「合唱がすごい迫力で。あんなにみんなが歌うのを見たことがなかったので。」
 「もし僕が親だったら立っていられなかったと思います。」


 彼から「立っていられない」ということばが出るのはちょっと不釣合いでおかしかったのですが、でも、そう言わしめるほどの感動があったことは確かなようです。
 僕にとってはこの話、一番の贈り物でした。

おにざわ

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とってもいい音楽祭でした

2004年12月21日 | 自由の森のこんなこと
音楽祭が終わりました。クラスの合唱を一緒に創っていく過程に参加できないことは寂しいかぎりなのですが、その分、落ち着いて全てのクラスのステージを見ることができました。


今年の音楽祭はどのクラスも合唱を追及する感じが伝わってきました。特に高校3年生の各クラスは歌で勝負するという姿勢がはっきり現れていたように思います。えてして受け狙いに走ってしまう場合があるものですが、今回は聞かせたいという思いが共通してあったのが印象に残りました。担任のSさんに聞いてみたのですが、決して打ち合わせたりしているわけではないそうです。これは学年のカラーなのかも知れません。
 また、中学1年生の元気さも印象に残りました。人数は少ないのですがその分元気いっぱい声を出していました。思わず会場から手拍子が起こっていました。

 全体を通してとてもあたたかい気持ちにつつまれた音楽祭でした。実行委員会のみなさん、合唱を創っていった生徒のみなさん、お疲れさまでした。ありがとう。

おにざわ

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修学旅行の5コースが決定

2004年12月18日 | 自由の森のこんなこと
高校2年生の来年度修学旅行のコースが決定しました。
 北海道(道東)、森と風の学校(岩手)、軍艦島、西表島、竹富島の5コースです。
 中でも「軍艦島」は自由の森の修学旅行のコース提案では初登場です。


今は廃墟で無人島です。今回の提案は提案者を伏せて投票していましたから、誰が提案したのか分かりませんでしたが、聞くところによると昨年度の「パナリ焼き」コースに刺激されて考えたとか。誰も考えつかなかった場所で、しかも行くことが可能かどうか全くわからないという点で共通しています。

 本当に行けるのでしょうか?行けたとして、いったい何をするのでしょう。これまでにない全く奇抜なコースが始動しました。これがどのように実現していくのか、はたまた実現しないのか、お楽しみに。

おにざわ

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全日本選手権大会の決勝!

2004年12月17日 | 自由の森のこんなこと
ラクロスって知っていますか?
 体育科の山中さんがクラブチーム・MISTRALの一員として19日の日曜日、全日本選手権の決勝に出場します。


勝てば日本一ってことですよね。野球やサッカーだったらすごいことです。オリンピック種目でもないのでまだ注目はいまひとつですが、でも全国大会の決勝ですよ。

 職員室での会話。「ラクロスって何人でやるんですか?」「その質問、体育科で100回以上聞かれました、12人です」「中途半端な数ですねえ」「??」

 応援に行かれる方は東京・江戸川区陸上競技場、開場10:00、11:00開始です。当日券1700です。

おにざわ

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ヒノキのクリスマスツリー

2004年12月16日 | 自由の森のこんなこと
今年最後の林業講座。実習林の片づけをしました。K君とA君はなぜか熱心に間伐しています。
どうやらクリスマスツリー用に一本切って運びたいようです。本来はモミですが、僕たちはヒノキ。切るのも大変でしたが、枝のついたまま運ぶのはもっと大変。トラックまで出動して中庭に面した職員室の外壁に立てました。
これ、どうやって飾り付ける気なの?

おにざわ

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教員合唱の練習始まりました

2004年12月15日 | 自由の森のこんなこと
モルゲンの投稿が始まりました。ちょっと肩の荷が軽くなったような気がしています。

 音楽祭直前の自由の森。昼休みは校舎内あちこちから歌声が響いています。教室はもちろん、廊下の踊り場も絶好の練習場で、ここはとっても声が響きます。なんと気持ちよさそうに歌っていること。
 今日は職員会議の日。教員も音楽祭に合唱で参加します。そこで、遅ればせながら会議の前に練習時間をとりました。名和田さんの伴奏で主旋律を覚え、パートの音をとりました。明日も朝から練習です。曲は秘密です。でも、朝、職員室前に来れば聞こえてしまうと思いますよ。   (おに)


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有畜複合農場に行って

2004年12月15日 | 自由の森のこんなこと
自由の森学園の選択講座「自然環境地球市民」、で学校から約1時間の小川町の有機農業と鶏や羊の家畜を飼育しながらの循環農業をやっているところに見学にいきました。


実はここの農作物が学校の食堂に配達されていることもあって、毎日、食堂で食事している寮生もここで働く人の話を聞きたいという要望もあった所です。

にんじん畑で葉っぱを生徒達がひっこぬくと見事なにんじんがとれるのにオーッという歓声。農地のオーナーがさっと土をはらい「食べてごらん」というのに一瞬、たじろぎ、かじってみると「おいしい!」「甘い!」の声。ここでは家畜のふん尿と生ゴミをメタンガス発酵機を自分達でつくり、一家が楽に暮らせるガスを使っていました。

「自前でできるものはできるだけとりくみ、お金を払う事で解決してしまうのではなく、別の意味での豊かさをめざしています。人とのつながりも権威や利害からではなく、何をわかちあえるか、何を共にできるかを大事にしていきたいと思っています」というこの農場をはじめた田下さんの言葉はひとりひとりの胸に残るものでした。

おみやげにもらったにんじん、ねぎなどの大切にかかえながらほっとさせられる思いで学校のバスで帰途につきました。

モルゲン

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白菜からこんな世界が広がっていた

2004年12月13日 | 自由の森のこんなこと
午前中は理科の研究授業。中学3年生のクラスで後藤さんが生物の授業をしました。

 カブ、アブラナ、コマツナ、白菜、ナガカブ、大根、ニンジンの種の袋を黒板に貼って、自由に分類させます。次にシャーレに分けられた種を見させて、植物は種や花の形で分類することを説明します。「大根って花が咲くの?」というような声も出ます。普通、畑では見られないけれどもちゃんと写真で見せてくれました。


 そこで今回のメインのテーマ、白菜の栽培の話。白菜は明治に入ってから日本に渡ってきたということにまずびっくり。水戸黄門は白菜を食っていない!中国からもたらされた白菜の種を育てるのは容易だったのに、その種からは同じ白菜を栽培するのは困難だったそうです。葉が巻かずに広がってしまうらしい。なんで?しかもニンジンや大根と育てる場合はできるが、カブやコマツナと一緒には育てられない。
 生徒たちはそのなぞを考えます。しばらくして一人の生徒が言います。
「花が似てるから、虫が間違えて、タネがまじっちゃう」
いい線に近づいたようです。同じ「種」だと交配して白菜の特徴が消えてしまうのだそうです。そのことを聞いてまた別の生徒が聞きます。「カブは大丈夫だったの?」

 最後にキャベツとブロッコリーの例も紹介して「種」の説明と「品種」との違いをまとめました。

 犬なんかも同じように考えられますね。犬は雑種でもいいけれども野菜じゃ困るのです。社会科として考えると、タネをつくるビジネスが存在する生物学の事情がちょっと理解できました。野菜を作っているのだから、タネには困らないだろうというのは甘いってことですね

おにざわ

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自由の森の『高校生は発言する』

2004年12月11日 | 自由の森のこんなこと
月刊誌『教育』の05年1月号に自由の森の生徒たちの座談会が掲載されました。
 「高校生は発言する」 ― 憲法「改正」の論理と状況をめぐって ― と題して高1から高3までの5人の生徒と社会科の菅間さんが議論しています。このメンバーは今年の5月3日憲法記念日にTBSのニュース23に出席して国会議員らと論戦してきた生徒たちです。大人もうならせるぐらい、なかなか語っていますよ。
 お読みになりたい方は国土社tel03-5348-3710fax03-5348-3765まで。

おにざわ

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