自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

奥武蔵駅伝に3チームが出場

2007年01月29日 | 自由の森のこんなこと
28日、第5回奥武蔵駅伝が行われました。


わが自由の森学園からは、生徒2チーム、教員1チームが参加しました。この間、朝、飯能から自由の森学園までの道をひた走る生徒たちを見てきました。今年はちょっと早いんじゃない?という印象を持っていました。


さて、タイム的には当初から予想されていたのかもしれませんが、結果は2チームが第3中継所で繰り上げスタート、残る1チームも第5中継所で繰り上げの白いタスキになってしまいました。


マネージャーの高1の松永さんにその感想を書いてもらいましたのでご紹介します。

駅伝はただ走れば良いという競技ではない。走るのは校庭やトラックとは違う、道路である。坂道もあれば、曲がった道もある。そんな道を、時間と自分のペースとを計算して走る団体競技なのだ。


マネージャーとして駅伝に参加し、タスキをつないでいくことの難しさや繰上げスタートの悔しさ、時間制限の厳しさを知った。そしてなにより、チームの団結力を感じた。
他のチームは陸上部だったり、駅伝や長距離の練習を日々している人たちだ。その中にまざって11月中旬から忙しい中、練習をしてきた人が走るということは凄いことだと思う。
これからも、駅伝に何らかの形でも良い、携わっていきたいと思った。


参加した自由の森学園の選手のみなさん、チームのみなさん、協力していただいた方、応援していただいた方、お疲れ様でした。

おにざわ

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白熱の高校集会で議論されたこと

2007年01月19日 | 自由の森のこんなこと
久しぶりに高校集会がありました。
議題は2月末に行われる学習発表会のつくり方です。

実行委員会では何を発表の対象とするかについて議論され、全体に向けて二つの意見が発表されました。

3年のNさんの意見は授業外の多様な学びの成果も発表対象としたいというものです。
授業のみが学習ではない、授業の周りある日常と授業の学びは「となり合わせ」だと語ります。
一方でS君は、一つ一つの教科をより明確に浮き立たせるために、従来行われてきた音楽、展示、クラブ発表などの授業外の発表をやめたいと主張しました。

対立点は明確なのですが、僕が大事だと感じたのは、双方とも授業での学びを重視する点では全く違いがないという点です。枠を広く取りたいとするNさんも、「好きなものだけをやる」という参加の仕方については否定的です。

S君は多様な発表を盛り込んだことによって「出し物会のような行事」になっていると言います。これに対して、Nさんは何でもありではなく、ある基準をもって対応することで、そのためだけに作られたものを回避できると話します。

冷気の中の体育館でしたが、質問の時間も含めて集中した時間が流れていました。

おにざわ


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遠山啓は超過激?

2007年01月19日 | 自由の森のこんなこと


「私が自由の森学園に入学する前の中3の時、父親が『自森に入る前に遠山啓という人物を知っておきなさい』と私に言ってボロボロの新聞の切抜きを読まされたのが、初めての出会いでした。」


社会科研究室の昼、レポートをもとにした発表の準備のため、高校3年生がひっきりなしにやってきます。後期の授業は全て生徒のレポート発表で、毎日その打ち合わせが行われています。


 見学者を連れて自由の森学園を案内する機会が多いので、何度か教室で発表を聞くこともありました。


 冒頭に引用したのは「遠山啓」をテーマにレポートを作成して昨年発表したS君のレポートの冒頭部分です。彼はこう続けます。

「みんなは遠山さんの存在すら知らないのが多いと思う。そう、この自由の森という環境の中にいても、影すら感じなくなっている。下手すりゃ一生出会えないかもだ。それはマズい!!
せっかく素晴らしい考えをもっているんだから、大学受験だの就職だの卒業できるかなぁ?とか、自森を変えたいとか頑張っているみんなの助けや力に役立てるんじゃないかと思ったからです。ということで、今回は遠山啓という一見静かそうだけど、言ってることは超過激な人物の紹介と、遠山さんの点数序列観と競争原理について調べました。」


 お父さんから手渡された資料は1979年1月17日から朝日新聞で連載された遠山啓と灘高の勝山校長との16回に渡る往復書簡でした。20数年経ったのに論点は今もって新鮮です。


 79年と言えば、共通一次試験が始まった年です。彼は書簡の中でこれに対して「一元的で縦隊的思考法をたたきこまれた子どもたちがやがて日本の担い手になる」と危惧しています。何を隠そう、僕はこの数日後に初めての共通一次を受験しています。競争の教育に漠然とした違和感を感じつつ、しかし、それに変わる教育の考え方が新聞紙上で語られていることなど知らずに。


 遠山さんはこの年、亡くなります。確か9月11日だったか。

おにざわ

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菜の花畑で公開講座

2007年01月13日 | 自由の森のこんなこと


 前回は小雨の中、間伐を行いましたが、今回は塩崎さんと生徒たちがすすめる「プロジェクト菜の花」の活動の報告でした。学校周辺の休耕地を借りて菜の花を栽培し、収穫した油を使って燃料を作ろうという活動です。


 まだ、始まったばかりで収穫は少ないし、搾油のための器具も作りましたが破損してしまうなど、壁は大きそうですが、石油に頼りきった社会を循環型に変えていくという壮大な目標に向かうホンモノの学びです。
 

 昨年の収穫から作った油がしょうゆびんに入っていました。約1リットル。今年はこの100倍を目指しているそうです。この油でエンジンが回るのもそう先ではなさそうです。

 後半は菜の花畑に行ってみました。菜の花に混じってカラシナが「栽培」?されています。おいしそうなところだけ摘み取ってきました。我が家の夕食の一品になりました。甘みがあってかなりイケます。


次回はまた山仕事を行います。間伐と枝打ちを予定しています。ぜひどうぞ。

おにざわ

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自然エネルギーのペレットストーブ

2007年01月12日 | 自由の森のこんなこと


 事務局前の玄関を入った所に展示室があります。カヌーや生徒の作品などが展示されているスペースです。

 昨日から工事を行って、ここにペレットストーブが設置されました。





燃料は、ペレットと呼ばれる杉、ヒノキの樹皮を砕いて固めたものです。自由の森学園のある地域は西川材として知られる材木の産地です。多くの製材所があり、そこで出される丸太の樹皮を燃料として利用していく飯能市の方針に賛同して導入することにしました。ストーブはリースで半額は行政が補助しています。聞くところによれば、飯能市内の学校としては初めての導入とか。

石油を燃やすのではなく、植林し森を育てていけば長く燃料を得られます。しかも、遠い国から運ぶのではなく、飯能市内で作られるペレットを使いますから、環境への負荷をあまりかけません。


石油やガスを燃やす火ではない「自然の」炎が見え、しかも木を燃やす微かな香りがして本当にいいですよ。

明日の公開講座や土曜開放に来校した方、ぜひ見て行って下さい。

おにざわ

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卒業生から驚きの年賀状

2007年01月04日 | 自由の森のこんなこと
 みなさん
 あけましておめでとうございます。
 自由の森学園は今日、仕事始めでした。


 新年のお楽しみはしばらく会っていない卒業生からの年賀状です。
初めて担任したクラスのT君(と言っても、もう30代後半の親父ですが)は、こんな驚くべき一言を書き込んでいました。


「PTA会長3年目です!」

 当時の彼はお調子者で、次々に起きるいろいろな事件に関わっていました。結局、自分の意志で4年かけて卒業したのですが、その彼がPTA会長とは驚きです。僕にとってはこんなにうれしいことはありません。


 自由の森学園の卒業生の中で教育関係に進む卒業生は多いのですが、彼は会社員。父親として子どもの学校に関わり、教育に参画しているのです。確かに世話好きな彼のことですから、頼りにされたのでしょう。

 僕の大学時代の恩師は、お子さんの小学校のPTA活動に長年関わり、その事を本にまとめました。『PTAで教育を考える』 彼は、子どもの教育について親と教師が対等に語りあうPTAづくりに取り組みます。実は僕も、子どもの保育園や学童のPTAには積極的に関わりました。残念ながら、小学校以降は会合が平日が多くてあまり参加できませんが、それでもなるべく機会があれば通うようにしています。


 親として市民が教育に関わること、今、大事だと思います。


 会長のT君の話を、今度、じっくり聞いて見たいと思います。


おにざわ

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