自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

夏休みの自由研究で学んだこと

2005年08月31日 | 自由の森のこんなこと
 8月31日は複雑な思いのする日ですね。
 全国には既に2学期が始まっている学校がたくさんありますが、自由の森は9月1日始業です。僕の娘も宿題のラストスパートでちょっと遅くまで机に向かっていました。そう言えば今、あまり自由研究ってやらないのでしょうか。
 小学校での授業なんてほとんど覚えていないのですが、なぜか夏休みの自由研究(当時はそういう言い方はしていなかったように思いますが)はくっきり覚えているものです。工作を作る過程があり、完成の達成感があり、また、始業式の日にそれを教室に運び込むドキドキと。



 確か小学2年生の夏休みだったか、僕は昆虫採集をしました。セミやトンボやカブトを菓子箱に並べてかなり満足感をもって登校しました。さて、教室ではクラスメイトも作品を持ち寄っています。そのなかに、僕と同じく昆虫採集をしたS君がいました。彼の箱は3つ。それも木製でガラスのふたがついていました。それだけではなく、並べられた昆虫たちもまるで博物館のように整然ととめられていました。なかにはとても捕まえることが難しいオニヤンマまで。並んで展示された僕の菓子箱は比べるまでも無く貧弱なものでした。S君は病院の御曹司。聞けば職員の手を借りての作品だったようです。日常の学校生活では見えない世の中というものをちょっと学んだ一日でした。

おにざわ

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この本は売れるかもしれない

2005年08月12日 | 自由の森のこんなこと
夏休み中の学校に卒業生の前野未悠(11期)が突然たずねてきました。本を作ったので僕に見せたいと思ってとのこと。お前さんが本を??
 僕は彼女は僕のクラスではありませんでしたが、当時、自由選択講座で「世界の学校研究所」という一風変わった講座に参加していた生徒でした。講座のメンバーとよくいろんな学校に見学に行ってました。
 さて、彼女の作ったという本のタイトルは『着物のいろは』。
 




小さいころから着物に興味を持ち、高校から着付けを習い、大学卒業は着物の買い付けや着付けをしていました。関西から彼女の選んだ着物を買いに来るお客もいるそうです。出版の企画はあるお客さんから突然持ち込まれたものだったといいます。かわいいイラストや彼女が選んだ着物の写真がたくさん載せてあって、ちょっと着付けの本という感じではありません。そういう入りやすさがいいのかもしれません。



 本人は、全く予期していない展開と言っていましたが、ずっと話を聞いていると、好きなことを大事に積み上げてきた結果なんじゃないかと思いました。写真を担当したカメラマンには次の仕事も確実と励まされているとか。ラッキーを自分でつかんだ感じでしょうか。聞いていてとてもすがすがしい時間でした。



 でも、自分で宣伝して歩かないといけないとのこと。発売は8月後半、当面大きな本屋でしか扱ってもらえないようです。僕も15冊預かりました。興味あったら読んでみてください。

 『着物のいろは』  わたしにもできる着かた・着まわし・揃えかた 技術評論社 1380円+税

おにざわ

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研究集会で卒業生とバッタリ

2005年08月10日 | 自由の森のこんなこと
昨日から教育科学研究会の研究集会に参加してきました。
 昨日のオープニングはご存知の「森の踊り衆」の太鼓と踊りでした。3期生からこないだ卒業したばかりの18期生までのメンバーで会場の注目を集めていました。

 この研究会は、教育に関するあらゆる問題をテーマに20もの分科会が行われて活発に議論されます。僕も大学の3年ぐらいから顔を出していました。今回は「青年期教育」の分科会に出ることにしました。テーマは「若者の自立のプロセスの変化と向き合う」。何のことかと思いますよね。話題のフリーターやニートと呼ばれる若者のありようや意識をテーマに教育現場がこれをどのようにとらえるべきかを議論しました。「やる気がない」「親が甘い」という批判ははたしてあたっているのか、「頑張らないとフリーターになってしまうぞ」と言ってしまっていいのか等々。
 議論のなかで、子どもがどうしても自由の森に行きたいと言って入学した父親(おそらく教員だと思います)が子どもの進路意識について語っていたり、大東文化大学の教員が和光や自由の森から指定校推薦を取っている理由を語ったりちょっとドキドキする時間でした。
 ひとつうれしかったことは、自由の森の卒業生が研究会に参加していたことです。朝、ばったり会ってどうして来てんの?と言い合ってしまいました。学校では教員と生徒という関係でしたが、学校を離れて研究集会で同じ参加者として卒業生に会えるというのは本当にうれしいものです。

おにざわ

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