自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

飲み屋で自由の森につながった

2005年12月21日 | 自由の森のこんなこと
今年の音楽祭が終わりました。
 昨日とはうって変わって、しっとりと歌うクラス合唱が多かったのが今年の特徴でしょうか。高3の選曲にはこれまでに聞いたことがない掘り出しものがたくさんありました。
 いつもながら、フィナーレを飾るメドレーは盛り上がってました。疲れを知らないすごいエネルギー。その中で、誘導係だけは目立たないようにしっかりと役割を果たしていました。実行委員をはじめ、みんなお疲れさま。

 会場にはお客さんがいらっしていました。映画監督の神山征二郎さん。最近では「草の乱」とか「月光の夏」を作っています。ちょっと昔だけど「ハチ公物語」が大ヒットでした。卒業生の父親Tさんの紹介で、自由の森を見に来たのです。


その神山監督の話です。昨夜、吉祥寺の行きつけの飲み屋で、明日は自由の森という学校に行くんだと教えたら、そこの女将さんが、それはうちの甥っ子の卒業した学校だよと言うのだそうです。監督はその卒業生の名前をひかえてきてくれました。偶然にも6期生の僕のクラスのK君でした。世の中狭いもんだねと監督。K君は役者として活動中。もしかしたらば監督が今手がけている新しい作品に登場するかもしれません。

 監督と一緒に来た卒業生の親父さん。合唱を聞いているうちに帰りたくなくなったらしく、監督を見送った後、最後まで見ていました。ケサラを聞きながら10数年前を思い出しつつ彼もうなっています。仕事がしんどかった時、この歌に何度も励まされたとか。そういう力があるんでしょうね。

おにざわ

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音楽祭一日目

2005年12月20日 | 自由の森のこんなこと
 本当にごぶさたしていました。いろんな方からお叱りをいただきました。
 これまで自宅でしか接続できなかったのですが、学校ででもつなげるようになりましたので、もうちょっと頻繁に書けるようにいたします。

 今日は音楽祭一日目。
 昨年とはまた一味違った有志のパフォーマンスが並びました。男子寮のドキッとするような演奏、心にしみるような女子寮の合唱、ゴスペル、ダンス、リコーダーなどなど、バラエティー豊かな音楽の祭典です。「ヒロシマのある国で」も印象に残りました。
 実行委員長の大音くんはパンフレットのなかで「一人一人それぞれの音楽祭がある中で、皆が音を楽しみ、表現し、つながる音楽祭になれば」と書いています。
 明日はクラスの合唱です。あわただしい日程の中での練習の成果が楽しみです。
 会場の体育館は午前中は特に冷えますので、防寒の用意は万全にした方が良いと思います。

おにざわ

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筑紫哲也さんの講演

2005年12月16日 | 自由の森のこんなこと
筑紫哲也さんの講演会が終わって・・・
11月20日の公開研で筑紫さんが本校で講演していただきました。
テーマは「21世紀の社会とこれからの教育」についてでした。


最近の子供たちの様子からお話が始まりました。ある学校の高校で宿題をだしたら、現在の高校生が夢を持っていますかという問いをだしたら、約半数の人たちが「夢はない」と答えたそうです。一方で、看護士やボランティア活動をしたいという若者たちも増えてきているという実態がわかったそうです。世界の統一試験で世界最高レベルの教育成果をあげている事が証明されたフィンランドにいってきたときのお話もしていただきました。天然資源もなく、面積もほぼ、同じフィンランドでは子供たちは夏休みなどの間は徹底的に体を使った自然遊び、体験をさせていたそうです。塾もなく、詰め込み教育もしていません。

そのかわり、教師は補習や、もう1年学校に残って留年できる制度があり、一人の落ちこぼれを出しません。

 そこではゆっくりと楽しみながら学んでいる生徒たちの姿があります。情報や知識は本当に「知る」ということではなく、実際に自分で体験したり、追求したりすることが大切。自分の言葉をどれだけもっているか、どれだけ行動できるか、未知を知る事、感じる事、学ぶ事が楽しいと思える事が大切だと話されていました。  

 また筑紫さんは20世紀がこれだけ戦争と環境破壊をした時代だったので21世紀はそこから改善される時代になると考えていたそうです。それが 9.11に象徴されるテロという形で戦争がおこるとは思わなかったそうです。このままでは食料や資源をめぐっての戦争がおこる事が考えられるので平和や理想主義についてしっかり考えてみる事が若い人たちには大切だと言われました。

 多岐にわたる筑紫さんのお話は、自由の森の教育理念に繋がる事もたくさんあり、あっという間の二時間でした。国というものがこれからどういう役割を持つか、企業が有限な地球資源をどうとらえるか。消費者としての私たちが与えられた情報を鵜呑みにせず、まず疑う事、そしてこれからの未来に働きかけていくことはたくさんあり、それをみんなが学んでいく事が大切だというお話でした。それは学ぶ事で一人一人が考え、行動できる市民として成長し、自分の人生を選びながらしっかりと歩んでいく自由の森学園の教育の願いに重なる内容でした。

 生徒たちの質問も本質的で内容のある講演でした。この講演を充実させるために事前のアンケートを作成したり、司会、運営をすすめた公開研実行委員の皆さんの活躍がすばらしかったと思いました。

モルゲン

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