自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

中学1年生の大冒険

2006年07月26日 | 自由の森のこんなこと


 夏休みの初日、中学1年生の八ヶ岳登山につきあって来ました。
 昨年までの日程を変更して梅雨の時季を避けたのですが、あいにくの雨。それも大雨注意報(警報?)です。

 一日目はウォーミングアップで白駒荘から高見石まで登りました。たいした距離ではありませんが、登山道は池のようで足場を選ぶのが大変です。やっとのことで高見石小屋に着き、岩山をよじ登ります。天気がよければ白駒池が真下に見えるのですが、残念ながらガスがかかっています。しかももの凄い風。下手に立ち上がろうものなら吹き飛ばされてしまいそうです。このスリル満点の岩山にみんな興奮していました。

 夜は小屋のご主人辰野さんのお話。
水を含んだ木が割れる「凍裂」、「倒木更新」、シカ害や酸性雨の話しなど、中学1年生にはちょっと難しかったかもしれないけれども、みんなしっかり聞いていました。教室の学びとはちょっと違うリアルさを感じていたのかもしれません。

 翌日はみんなの願いも空しく、朝からどしゃ降りでした。
 昨晩の聞いた話の植物や森をどうしても見たいという有志だけで、白駒池一周に出かけました。観光客が運んだオオバコを見たり、コメツガの葉がが変色した様子を見ました。こんな美しい森にも変化の波が押し寄せています。小屋に着くころ、突然雷鳴がとどろきました。そろそろ遅すぎる梅雨明けかな。

 最後はみんなそれぞれ感想文を書きました。
 ほんとに雨ばっかりだったけれども、彼らの目には何がうつったのでしょうか。


おにざわ

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「言葉」と「和風」をジャズで表現

2006年07月21日 | 自由の森のこんなこと
7月11日に音楽科の協力で自由の森学園にアメリカ、ウイラメット大学から四人の音楽の教授たちがフリージャズのコンサートをしてくれました。

ウィラメット大学は東京国際大学と姉妹校で、今年、自由の森学園は最初の教育提携大学を東京国際大学と結んだというつながりで、この四人の方達は来たわけです。

この大学は音楽、絵画、演劇と芸術教育に熱心な全米でも有名な大学です。  ピアノ、エレキギター、ドラム、バイオリンでその場の雰囲気、その場で思いつくテーマで自由な音楽をかなでる「即興のジャズ」を演奏してしまうのには驚きました。

今まで、聞いた事もない音楽で、楽器の演奏の仕方も、例えばピアノの鍵盤ではなく、中のピアノの弦を直接、つま弾いてハープのような音を出してしまったり、エレキギターはコンピュターにつなげて独特な音を出すのには、びっくりしました。

会場からの生徒のリクエストで、「言葉」と「和風」というテーマで、その場でアドリブ演奏してくれました。この四人は全米・ヨーロッパで活躍し、イギリスのBBC放送で7月7日にも紹
介されていますが、演奏後150人も集まった生徒達の純粋に自分たちの演奏を聞いてくれた事に、大変喜んでいました。

大学でコンサートをすると、あまりにも斬新な音楽なので、演奏の途中で、帰ってしまったり、斜にかまえてしまうこともあったりしている者がいるのに、自由の森の生徒達は最初から終わりまで、真剣に私たちの音楽に聴き入ってくれた事に感謝したいと言っていました。


しおちゃん

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中学二年生 八ヶ岳登山報告

2006年07月21日 | 自由の森のこんなこと


7月13日から15日まで中学年生の学年行事として八ヶ岳に行ってきました。

初日は雨が降ったり、止んだり、時に雲間から、太陽の光がさしてくるという、目まぐるしい天候の変化でした。美濃戸口から宿泊する赤岳鉱泉(2220m)まで、約3時間半を要し、雨がふったりして決して楽ではないという状態の中、各班では色々なドラマがありました。

同じ班内で、「遅いよ、俺のペースが崩れる、先に行くよ」というものに対して、同じ班で行こうってやってるんだから、みんなで行こうよ」という班、一番脚力があったものが、その班で一番、遅く、体力のないもののすぐ後ろに着き、荷物を持ち上げて後押ししてあげた班などがありました。



「もういやだ、なんでこんなことしてるの?」

という者や、時おり太陽が差し込み、汗びっしょりになった体にふきつける風に

「ああ、すごくさわやか。来てよかった!」

という者などがいました。何人かの体調不良で全員での赤岳登頂(2899m)は断念しましたが、見事に天候が2日目には回復しました。

最初に赤岳に到着した班からは、「予定より一時間早く、赤岳に着きました。すばらしい眺めで、最高です。」というトランシーバーからの声を聞いて、本当に良かったと思います。研究協力者で教育学者の太田 尭氏は「教育には生徒、それぞれの出番を与える事が大切です」と述べていました。教室内でなかなか発言できなかったり、文章を書くのが苦手な者が、この登山で、意外な優しさや頼もしさをみせる、という出番が特に、男の子に見られた事は大きな意義があったと思います。午後のミーティングで山小屋の方から、こんな話しがありました。

 「全体的に登山をする修学旅行が減ってきていて、赤岳登頂
をめざす学校もほんのわずかになっています。その中で比較す
るのも変ですが、自由の森の生徒さんはお互いを思いやれる、
班の中の体力差を助け合える生徒さん達でした」

この言葉は今回の中学二年生の登山体験を象徴していると思います。

しおちゃん

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野球部がラジオで取り上げられる

2006年07月18日 | 自由の森のこんなこと
連休に林業講座の合宿で足尾に行ってきました。

あいにくの雨で、草刈りは無理かと思いましたが、会場に行ってみると何と作業が始まっていました。

雨でもやるというSさんと一緒に鎌を手に人々にまじって作業をしました。

岩がむき出しの山肌からは幾筋も滝のような水が流れ、いつもは澄んでいる沢も茶色く濁っています。雨ですが、炎天下の草刈りよりは楽な感じでしたよ。

合宿の最中、野球部の試合結果が話題になっていました。宿の朝刊で見ると15-2。コールド負けではありますが、記録的大差がついた昨年に比べれば善戦と言えるでしょうか。選手のみなさん、応援に行ってくださったみなさん。お疲れ様でした。

昨年、その記録的大差の試合を好意的に取材して放送してくれた記者が、今回も試合を見に来て下さったとのこと。明日、短い時間ですが、ラジオで取り上げられるようです。よかったら聞いてみてください。

19日AM10:00~ ニッポン放送「チョッといい話」

おにざわ

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沖縄の美しさ、人の優しさが彩った紙テープ

2006年07月09日 | 自由の森のこんなこと
 中学三年生は毎年、沖縄へ自分たちが選んだコースと平和学習をかねて修学旅行へ行きます。そのうちの一つ、「伊是名島コース」の様子を紹介します。

生徒総勢21名が事前に、うちあわせした9家庭にホームスティをしました。港まで出迎えに来てくれたそれぞれの家族で、3日間だけの、しかし、はじめての事ばかりの体験をしました。

さっそくご飯づくりの手伝い、沖縄のドーナッツともいえるサータアンダギーづくり、沖縄舞踊を習うものもいたり、小さい子の相手、犬の世話、庭の草刈りなど各家庭での、新しい娘や息子としての生活がはじまりました。




この間に、地元伊是名中学の三年生たちといっしょにバーベキューをしたり、クイズやゲームを盛り込んだウォークラリーをいっしょにやりました。最初は照れて、なかなかうちとけられなかったのが、時間とともに、しだいにお互いの表情が柔らかくなっていくのが、見て取れました。


 自由の森の生徒達からは中学二年の体育の時間に習った御神楽を踊り、地元の人たちからは太鼓の披露がありました。




あっという間の3日間、港に、伊是名島の父、母、おじい、おばぁ、そして友達になった伊是名中学の三年生達が、別れの見送りに来てくれました。ある者はつかの間の家族だった人たちと涙を流し、ある者は再会を誓っていました。船が出港し、見送りの人たちに投げた色とりどりのテープが鮮やかに、風に舞いました。それは沖縄の自然の美しさと伊是名島の人たちの優しさそのものでした。


モルゲン

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卒業生の活躍、沖縄離島で発見!

2006年07月09日 | 自由の森のこんなこと
中学三年生は7月3日から7月7日まで、沖縄への修学旅行があり、前半は自分たちで決めた、「懐かしき伊是名コース」、「久米島を探そうコース」、「島めぐり隊コース」の3コースで3日間過ごした後、後半は那覇で合流し、平和学習という内容でした。


「久米島を探そうコース」はとにかく久米島内を探索し、きれいな海を満喫しようというコースです。


「島めぐり隊コース」は沖縄の座間味島などのいくつもの島をカヌーでこいで移動したり、とにかく島々の生の姿を体験しようというコースでした。


「伊是名コース」に私はついていきましたが、交流した伊是名中学の生徒達と交流したり、伊是名の方達の家族の一員になるホームスティも体験しました。その伊是名中学を訪問して、驚いたのは、伊是名中学図書館に、本校卒業生の柳田 亜樹さんがこの伊是名中学を訪問し、自然環境について講演し、生徒達にぜひ読んで欲しい図書リストを紹介したコーナーがあったということです。




柳田さんは卒業後、ニュージーランド、コスタリカ、ガラパゴス諸島のエコツーリズムについて研究し、現在は沖縄に在住し、環境コンサルタントをしています。今年の3月に伊是名島で体験学習や交流のための様々な仕事を頼まれて伊是名島中学と関係ができたそうです。その際に自分の持っている本を寄贈したそうです。卒業生がここでも活躍し、在校生の企画とつながった事に自由の森学園の卒業生と在校生との確かな絆を感じました。


モルゲン


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