自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

久しぶりに「市民講座」に行ってきました。

2009年10月31日 | 自由の森のこんなこと
市民講座」というのは、自由の森学園の授業を出前して、実際に自由の森という場でどんな授業がされているのか、学校の入り口としての「授業」を見ていただく場です。
昨年度はあちこちに出かけていって、数学の授業をいろいろな人たちに見てもらいました。「数学」というと敬遠されがちな教科なのですが、実際に来てもらった人たちの感想からは、「数学という世界の違う一面を見ることができて新鮮だった」というような話も聞こえてきたりします。とてもうれしいです。

「数学」は、言ってみれば「きまり」を導き出す分野。どこか遠い世界の話というのではなく、目の前にあるものの持っている法則性など、さまざまな現象を「数式」という ことば で表現していくものでもあります。
「できる」ようにするための方法は、別にあります。まず、「わかる」というその人自身の実感をつくることが、大切なのではないかなぁ。

「わからない」ものに出会ったときには「知りたくなる」ように思います。ところが、世の中の学校の世界では、「わからない」ことがあると あきらめて捨てたくなったりする。もう勉強なんていやだーって。何か強い力に支配されている。
「させられている」ところでは、そこからおもしろみを見出すことがなかなかむずかしい。そんなふうにさえ思ってしまいます。
なかの

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

学園祭「フィナーレ」

2009年10月28日 | 自由の森のこんなこと
25日に予定していた学園祭の「フィナーレ」は雨のために28日に延期。水曜日は時間割を入れ替えて片づけをしたり、フィナーレの準備をしたり、グランドで練り歩く「ねぶた」の最終仕上げをしたりと、みんなあわただしく動きました。

開始時刻の15時に、中学、高1、高2、高3の4基のねぶたやお囃子のための山車などが出て、雰囲気を盛り上げます。ステージではライブやパンフに書かれた番号のくじ、人気企画の紹介などがありました。すっかり季節は秋で、日が暮れるのもどんどん早くなってきます。暗くなって、電飾されたねぶたが生徒たちの「らっせーらー」のかけ声で練り歩きます。

最後はみんなで「青空」「フィエスタ」「ケサラ」の合唱。

2日間の学園祭のあと、すこし時間が空きましたが、そんなことはちっとも気にならないほどの、気持ちのいい後夜祭でした。
みんな、本当におつかれさま。とってもいい学園祭だったー。
なかの

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2009学園祭

2009年10月25日 | 自由の森のこんなこと
今年の学園祭は、およそ100ほどの企画がありました。食べものを扱うところも結構あって、食べ歩いているとすぐにお腹いっぱいに。食べものではない商品を売るお店や、飲みものを出しながら種々の接待(?)をしたり演劇などを見せたり。このほか、お化け屋敷、展示発表、ライブ、サッカーやバスケットボールやプロレスの試合(部活)など、ここには書ききれないほどの企画がありました。

在校生だけでなく、卒業生たちの姿もちらほら。また、自由の森を進学先として考えてくれている人たちも。

そういえば、私が中学の担任をしていたとき、学園祭の話し合いの最中、クラスの生徒が「小6のときに自森の学園祭にきて、メリーゴーランドに乗ったんだー」と話していました。「ちょっと待て、それはオレのクラスだ」と。その企画は私が彼らの代の前に担任していた高校のクラスの企画でした。
教室の中に単管(鉄パイプ)で組んだ「メリーゴーランド」をつくって人力で回転させるというもの。たくさんの子どもたちが来てくれました。大人たちも。メリーゴーランドを企画した人たちはもう卒業して20歳も超えました。メリーゴーランドの前の年は「まくら投げ」を企画。よくそういう企画を思いつくなぁと感心したり、一度決まってからそれを実現させるまでのたくさんの工夫や完成度を高めるための惜しみない努力などに楽しみを見つけてみたり。
学園祭などの行事では、普段の教室の授業とはまた違う表情や姿が見られるのが、実はちょっと楽しみだったり。
なかの

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ナメコ収穫体験ツアー参加者募集中!

2009年10月23日 | イベント紹介
学園祭がいよいよ明日となり、各教室は一気に学園祭モードに突入しています。
外では、ねぶたの紙張りが急ピッチで進んでいますが、これで本当に間に合うのか、気になるところです。これからの2日間が勝負です。

さて、林業講座が一昨年から栽培しているナメコが今週からすごい勢いで出ています。25周年行事の日には、5ミリ程度だったのですが、今日は採りきれないくらい一面に出ています。

ふつうはサクラの木を使うのですが、講座では学校周辺の間伐したヒノキを使って栽培しています。始末に困る間伐材をナメコ栽培に活用するというなかなかのアイデアです。

学校の食堂にも納めますが、毎日ナメコの味噌汁というわけにもいきません。そこで、学園祭にいらっしゃった保護者の方々に日ごろの感謝をこめて、ナメコを収穫して持ち帰っていただく企画をこっそり行いたいと思います。秋の自然の味を楽しんでください。(もちろん林業講座の汗の結晶でもありますが)

24日25日両日とも、ご希望の方はビニール袋ご持参のうえ、14時に南寮の前に集合してください。笹やぶがありますから、長ズボンと運動靴が必要です。
鬼沢真之

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「教育フォーラム@飯能」が行われました。

2009年10月18日 | 自由の森のこんなこと
教育フォーラム「学び力」を育てる!

今年初めての企画ですが、保護者のみなさんのご協力をえて、「教育フォーラム『学び力』を育てる!」を開催しました。

ちまたでは依然として学力問題が騒がれていますが、このフォーラムでは、中学校から大学までの10年間を見通して、どのような力を、どのように育てていくのかについて、考えてみることにしました。自由の森の中高の校長と、駿河台大学の副学長原聰先生との3人がパネラーです。原先生は、心理学が専門の研究者であると同時に、自由の森学園の卒業生保護者という顔もお持ちです。

原先生は、大学生の就活の実態とそこで問われる力について詳しく話してくださいました。そのなかでは、「社会人基礎力」というようなものも紹介され、企業がどういう人材を求めているかをグイグイ語ります。後半は、「大学人だけで学生を育てることは難しい。リアルな現場の体験と世代間のコミュニケーションを経験 させる事で、学生が変わっていく」と話され、今、進めている街づくりプロジェクトと森林文化の授業について報告して下さいました。

中野さんは、中学校教育において「学ぶことの根っこ」を育てることが重要だと語ります。
自由の森では、学ぶことを嫌いにさせないということを意識して、授業を行なう必要を訴えました。

私は、青年期とはどういう時代かということ、高校から社会への「渡り」のあり方についてお話ししました。とくに、「やりたいことが見つからない」という問題についてどう考えるべきかについてお話ししました。

飯能市民会館で行ったにもかかわらず、遠方からも参加してくださった方、関心を持った学生の方など、来場してくださった皆さま、ありがとうございました。
また、企画から当日の運営まで、何から何まで保護者のみなさんに担っていただきました。この場をお借りしてお礼いたします。
鬼沢真之

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

第1回目の学校説明会

2009年10月17日 | 自由の森のこんなこと
 来年度受験希望、または、転編入希望をしている受験生や保護者の方に向けて、自由の森学園という学校の姿をお伝えするための学校説明会が行われました。

 世の中の教育観や自由の森のありようを語った高校校長の鬼沢さん、「理科」は英語で「Science」、「Science」とはもともと「知ること」という話から始まった理科の伊藤 (通称イトノリ)さん、自分の過ごしてきた「学校」の経験を語ってくれた高3生、卒業後の時間を、自分自身と向きあいながらていねいに語ってくれた卒業生、、、。私は会場に埋もれるように身を隠しながら、語り手の話を聞いていました。

 理科の授業の紹介では、冒頭、「15分から20分ぐらいかかります」と言った瞬間、さくっと「長いヨッ」ていう鬼沢ツッコミ。それでも授業は始まります。
「どうして鳥は翼を持つようになったか?」という問いや、問いに考えたり答えを発する参加された方たちの言葉に「おー、すげぇ」「おもしろいー」と思ったりすることも。

 なんで人間には足があって 魚には ないのか。
 なんで鳥には翼があるのか。

なかなかむずかしい問いでした。
そこに集まる人たちが、ある対象や問いについて「考える」という姿を目の当たりにすること。その光景は、とても心地よいのです。学校だなぁって。

学校説明会は、このあとも続きます。学校説明会のページ
なかの

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

創立25周年を祝う日

2009年10月11日 | 自由の森のこんなこと
創立25周年の記念行事がありました。
在校生保護者の方たちが中心となって、自由の森学園の創立25周年を祝う行事が立ち上げられ、長い議論と準備の末に、今日の日を迎えました。
準備にあたっては、本当にたくさんの方々のお力をお借りしました。自由の森という場が、本当にたくさんの方によって支えられているのだなと実感しています。

当日は、なつかしい卒業生たちの姿やいつも通りの在校生の姿をあちこちで見かけました。会うたびに、「おー、久しぶり~」「何やってんの?」とか、お互いの近況を話したりしました。いやぁ、なつかしい。
私が高校生だったときのクラスの人たちや学年の同じだった人たちとも会えました。
本当に久しぶりでした。もしかすると20年ぶりぐらいかも知れない。

午前中でもかなりの数だったと思いますが、終盤の合唱の時間には、体育館はものすごい人混み。卒業生たちは合唱のためのひな壇に登り切れないほど。
1期生(1988年卒業)から22期生(この春卒業)、そしていまの在校生たちまで、それぞれの期の人たちが、自由の森で歌ってきた歌を合唱します。すごい。全然年が離れていても同じ歌が歌えるのだということに、同じ場を過ごしてきたのだなぁと。

参加者は、いったい何人だったのだろう? 軽く1000人は超えていたように思います。在校生・在校生の親御さん、卒業生もたくさんでしたが、卒業生の親御さん、すでに退職されて久しい人たち、学校のある小岩井の地域の人たちや学校のある飯能市の市長さんも来てくれました。

学校が魅力的な場であるためには、そこにいろいろな種類の、たくさんの人が集まることが絶対条件。そういう学校でありつづけたいと、気持ちを新たにする1日でした。
なかの

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

創立25周年を祝う行事(つづき)

2009年10月11日 | 自由の森のこんなこと
すみません。もう少し。
午前中は「武さん&大友さんと歌って語ろう」という企画に出ました。
武義和さんは以前自由の森学園の音楽科にいて、いまは山形県で小国フォルケホイスコーレというフリースクールをつくっている人。大友昭さんも音楽科にいて、いまは学園の理事長。

2人が出会うと、ずーっと掛け合い漫才のような感じ。時折ののしりあい(?)もあり、聞いている側はお腹が痛くなるほど。不思議な2人です。
武さんが自由の森にいたころの授業での苦労や、それを何とかしようと変装して盛り上げようとした(結局は失敗?)大友さんの話なども。「いまだから笑える」と言っていましたが、授業がうまくいかないときの苦労・苦心を想像しながら聞いていました。
また、高3の歌う「生きる」(作詞:谷川 俊太郎/作曲:武 義和)という曲がどのようにしてつくられたのか、初めて聞く話にびっくりすると同時に、曲を生み出した力の源を知って、遠い記憶に思いを巡らせてじわっとしたり。

歌は、「私と小鳥と鈴と」と「HAPPY BIRTHDAY」の2曲。それぞれの歌の意味や、それを挟んだ授業者の思いと、久しぶりの2人の授業を、とても楽しく、とてもなつかしく思いながら、受けていました。
なかの

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

みなさん、もうすぐ25周年イベントですね。

2009年10月07日 | 自由の森のこんなこと
「あの懐かしい授業をもう一度」のラインナップが決まりましたので、お知らせいたします。

 10:00~10:50
 伊藤賢典(理科) 「宇宙の対象法について」
 鬼沢真之(社会) 「かわいそうなぞう 2009」

 11:00~11:50
 増島高敬(数学) 「かけ算で数あてマジック」
 山口雄二(日本語) 「日本語が亡びるとき 木村美苗」

  10:00~11:50
 松井幹夫(数学) 「ニュートンもこのように考えたに違いない『瞬間速度の計算法』」


僕が、「かわいそうなぞう」の授業を初めてしたのが、87年の公開研究会でした。
その時の資料を掘り返していたらば、手書きの授業案や授業検討会のメモなどがゴソゴソと出てきたのです。それを使ってもう一度やってみようと思います。
社会科の目で読む「かわいそうなぞう」。当日お暇でしたらぜひ来てください。
鬼沢真之

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする