自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

音楽祭2日目・クラス合唱の日

2009年12月23日 | 自由の森のこんなこと
言ってみれば「出たい人」「表現したい人」たちが集まってつくられる有志団体が発表する「有志の日」は、そういう意味では「やりたい」という気持ちに引っ張られることによって、自然と大きな盛り上がりになります。見ていて聴いていて、「やられた」とか「すごい」と思うことも多々ある。
今日のクラス合唱を中心とした1日は、有志の日とは別の雰囲気を持った日。たとえば中1や高1で、初めてクラスだけで舞台に上がる人もいるだろうし、緊張感がストレートに伝わってくる。出ること、立つことに慣れていない人たちも、みんな舞台に上がって歌をうたいます。1年目でない学年のクラス、特に高3はこの学校での最後のクラス合唱ですから、特別なものがあるように思います。ひとつひとつのクラスそれぞれが、ほんとうにそれぞれよかった。
学年合唱や全校合唱のあと、最後はメドレー。メドレーバンドの演奏で、ボーカルにリードされて、みんなで跳ねながら歌います。みんな汗だく。

教職員も合唱をしました。曲は「イマジン」。ジョンレノンの曲で、それ自体とても有名ですが、私たちが歌ったのは、忌野清志郎が彼の言葉に置き換えて訳し、曲もアレンジしたもの。毎年12月に、武道館で行われている「ジョンレノンスーパーライブ」に、2年ほど前から行くようになっています。そこでは、

  1人で見る夢はただの夢
  みんなで見る夢は現実になる

というメッセージに毎回出会います。社会の流れやものごとの決まり方、あるいは当たり前すぎる常識的なことにとらわれているだけでは行き着き得ないような世界を、ひとりひとりが「夢」を想像することによって世の中に実現させたい。強いメッセージだと、毎回思います。彼らの中にあるのは「戦争のない世界」を創出することだろうし、私にとってこの言葉は、学校という既存の概念を越えた学校像に置き換わったり。そういう想いを持ちつづけたいと思って、曲を提案しました。
2日間の音楽祭、「みんなで見る同じ夢」が、現実のものとして目の前に現れたように、勝手に思っているのです。
なかの

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音楽祭1日目・有志の日

2009年12月22日 | 自由の森のこんなこと
今日は有志の日。中1の「J1 Boys」から始まって、女の子だけの「女の子」、高麗川バスや西武新宿線を利用している人たちの有志、練習のときから日を追う毎に人数の増えていったダンス、指を鳴らす「Pachin」、幼なじみの有志「小さい頃から一緒だ」や学校に兄弟・姉妹・親子・夫婦・親戚などのいる「ファミリー」、金管とピアノの「ぽっちバンド」、ピアノ・バイオリン・フルートの「三重奏」、ディズニーキャラクターを意識した「カラオケBOX渚」(名称との関連は不詳)や、忍者戦隊カクレンジャーなどの出しもの、歌いたい曲に集うさまざまな有志、各寮や全寮、各学年の有志、中学生対象の中学有志、全校で歌う全校有志など、26団体の発表がありました。
夢のあるものを追求すること、全身でそれを表現すること、私などには到底想像のつかぬものを現実のものにしてしまう彼らの力を目の当たりにして、とにかく圧倒されまくってしまう1日でした。

よい時間を経験させてもらった一方で気になったのは、インフルエンザなどでの当日の欠席や欠場せざるを得なかった団体のこと。オーディションを通過し、本番に向けて気持ちを高めながら練習に力を入れていただろうに、とても残念です。

2日目はクラス合唱を中心に、各学年の合唱や全体合唱など、そしてメドレーで締めくくられます。

音楽祭実行委員会のプログ
音楽祭のページ
なかの

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4回目・5回目の学校説明会

2009年12月19日 | 自由の森のこんなこと
12月12日と19日、2週間連続で学校説明会を行いました。私は「点数による序列」をしない教育の場としての自由の森学園を紹介しました。テストをすると「いい点をとればうれしく、そうでないときは悲しい」という参加された方の言葉の通り、ともすればその感覚を利用されて「いい点をとる」ために勉強をさせられているのではないかと思うことが多いのです。
しかし、やっていることそのものを深く知ることで楽しくなったり、あるいはもっと知りたくなったり、そのような気持ちで授業がつくられていくと、もっと違う学習の動機のつくられ方や授業の空間が生まれるのだと考えています。学力とはいったい何なのか。「学ぼう」「知りたい」とする気持ちが強くなりさえすれば、知識は自然と身についていきます。
勉強をしていてわからないことが出てくれば、それを知りたくなるのが自然だと思います。ところが追い立てられるように勉強している場合、わからないことがあると逃げたくなる。それは、とてもとても不幸なことであると思います。

先週は日本語科の齋藤さんから教科の話、今週は体育の横手さんから授業の話がありました。
自由の森学園では、「国語」という教科のことを「日本語」と呼んでいます。どうしてそういうふうに呼ぶようになったのか、また、言葉で考えていくことで、深くものごとをとらえることができたり、自分の中に認識がつくられたり変容していくのだという話。
体育では、体の動きを「感覚する」ことで自分自身の内側にあるものを「観(み)」ていく話を、実際に参加された方たちと一緒に確かめあいました。

在校生、卒業生からは、自分にとってこの学校がいったいどんな場であるのか、いまの自分の姿を通して語ってくれました。

学校説明会は、このあとも続きます。>学校説明会のページ
次回は今年度最終回。年明けの1月9日(土)です。
なかの

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音楽祭・有志オーディション

2009年12月10日 | 自由の森のこんなこと
12月8・9日の2日間、音楽祭の1日目に舞台に立つ「有志」の団体を選ぶオーディションが行われました。
「中学有志」と「ファミリー有志」という2つの団体の伴奏をさせてもらうことになったので、私もオーディションを受けてきました。「中学有志」というのは、中学生で Quruli の「魂のゆくえ」という歌を歌いたい人たちの集まり。中1から中3までの生徒たちでつくる有志です。
「ファミリー有志」というのは、自由の森に兄弟姉妹がいたり、親子であったり夫婦であったりと、そういう人たちで集まる有志。「あの子は誰々の妹なんだー」とか、会場で見ている人たちは、本番で初めて兄弟姉妹の関係を知ったりすることも。
オーディションは体育館で。審査員がマットの上にどっさりいる感じ。緊張します。
歌い終わったあとは、審査員からの質問の時間。実行委員長の「がんばってください」という言葉に、ちょっと一安心しましたが、緊張感のある場でした。

10日の朝、昇降口にオーディション結果が発表されました。「有志」を企画したり一緒につくっていく人たちの本気さを感じます。本番が本当に楽しみです。
有志の練習、クラス合唱の練習もの光景も、学校のあちこちで見られるようになりました。歌や音楽が、ひびいています。

音楽祭は12月22・23日(火・水祝)に行われます。
音楽祭のページ

なかの

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矢野絢子 with 自由の森

2009年12月05日 | 自由の森のこんなこと
ミュージシャンの矢野絢子さんが、自由の森に。
卒業生の何人かが「自由の森でぜひ歌をうたってほしい」という想いを書いた手紙に、ご本人が応えてくれました。そうした出会い方に驚くとともに、初めは数人だった「スタッフ」も卒業生や在校生を巻き込む形でどんどん広がっていったこと、いろんな苦労や困難があったと思うけれど、今日の日が実現できたのは、そこに関わったたくさんの人たちの想いが重なったからなのだなぁと。とってもすてきな会でした。

何年か前から、音楽祭などで矢野さんの曲は必ずどこかのクラスや有志で歌われていたり、また、音楽科が毎年やっている「森の音楽会」でも、矢野さんの曲を選ぶ人も。
「私の曲をカバーしてくれることはなかなかない」とライブ中に語っていました。しかも「この曲を」という驚きもあったそうで、「その曲を選ぶなんて、なんてマニアックな」とのMCに、会場が受けたりする場面も。

矢野さんの歌とピアノは、自然に体に入ってきて、聴いていてとても心地よく、やわらかな中にいろいろなとんがったところもあるように感じました。みんなが矢野さんのことを好きになるのは、そういうものもあるのかなぁと思いながら矢野さんの曲をずっと聴いていました。矢野さんは自分のことを「私は挑戦的にライブに臨む」と言っていたけれど、そういう言葉にびりびり来たり。いやぁ、すごかった。
ライブ最後の曲は「明るい方へ」。一緒に歌おうという矢野さんの呼びかけに会場にいた生徒や卒業生たちがピアノのまわりに集まって、合唱。
12月に誕生日を迎える矢野さんに、パティシエを目指して勉強している卒業生の男の子がつくったケーキや、当日会場でお客さんがひと言ずつ書いた白布をプレゼント。

終了後、楽屋となっている和室に行ってお話を聞く機会が。
矢野さん自身も心地よく自由の森という場を感じていただいたとのこと。また、自由の森に集まってきている生徒たちや卒業生たちのやわらかさやあたたかさに、矢野さんが経験してきた「学校」とは違うものを感じ取ってくれたようです。

 「また来てください」「また来るね」

雨の中、卒業生や在校生たちのスタッフたちが見送って、お互いに手を振りながら別れました。また来てほしいなぁと思います。

矢野絢子オフィシャルブログ
なかの

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高校生環境小論文コンクール最優秀賞!

2009年12月05日 | 自由の森のこんなこと
高3の鈴木俊文君が、ベネッセの高校生環境小論文コンクール最優秀賞に選ばれました。
彼は「人間と環境」と「林業講座」を受講していて、その学びの中から、間伐材の有効利用と学校環境の改善を結び付ける企画を文章にまとめました。
本人も、びっくりとインタビューに答えていますが、軽い気持ちで紹介したのに、最優秀とは本当に驚きです。
机の上で考えたのではなく、講座の活動を土台にして、動く中で考えたことが説得力を与えたのではないかと思います。ぜひ読んでみてください。

http://manabi.benesse.ne.jp/kankyo2009/200901.html

鬼沢真之

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