自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

土曜授業がスタートしました。

2009年04月28日 | 自由の森のこんなこと
今年度から、土曜日に中学1年生と高校の自由選択授業が始まりました。
第1回目は、約100人の高校生が新しく開講した選択講座に参加しました。
どの講座もほとんど満席で一時は立ち見も出る状態です。

今週は、「森と木の家」という名の新しい講座に参加してみました。
講師は、飯能で設計事務所を開いている吉野勲さん。市民会館の駐車場の公衆トイレや大通り商店街の銀河堂や吉田呉服店を設計しています。

講座の前半は、吉野さんの家づくりの考え方を丁寧にお話します。2、30年で取り壊す家ではなく、100年間使える家を建てることが、地球環境や地域の産業と文化を支えるという主張です。
参加した生徒の自己紹介では、木の香りが好きだとか、中学校の校舎に地元の木が使われていたとか、それぞれの生徒と木の接点が語られました。

後半は、吉野さんの設計で建築中の住宅を見学しました。家中が木の香りに満ちており、温かい感じのする室内です。車座に座って、建築の具体的な工夫や工法について話してもらいました。その後はまちまちに建物の中を見てまわります。生徒のみんなが口ぐちにこんな家に住みたいと語っていました。確かに豊かさを感じられる家です。

次回からは、自分の家の設計から模型作り、製材と大工さんの作業見学、職人さんとの語り合ったり、かやぶきの民家で住んでいる方と話し合ったりする予定だそうです。

この講座、隔週土曜の午前中いっぱいを使って行われます。

鬼沢真之


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こんにちは。

2009年04月27日 | 自由の森のこんなこと
4月より中学校の校長になりました、中野といいます。
よろしくお願いします。

3月までは中3の担任をしていました。彼らと一緒につくってきた3年間という時間のなかで、中学校の姿をたくさん想像してきました。

4月には、中学1年生たちが、入学してきました。1月の中学校の入学試験で、「算数」の授業を担当しました。そのときに感じたことがあって、いつか彼らに伝えたいなぁと思っていました。彼らの感想文の中に、

  最初に間違ってもいいと言ってもらえて、気が楽になった

というものがありました。
それを読んで、授業の冒頭に、たくさんの意見や考えを出してほしくて

  間違ってもいいからね~

と言ったのを思い出しました。私は本当に軽い気持ちで言ったのですが、そういうふうに受け取る受験生たちが複数いて、そのことを感想文に記したことに、ちょっとおどろきました。

入学式のときの「ことば」では、そのことに触れました。

  間違えてもいい

ということに安心感を持てるということは、もしかするとその人自身に縛られている何かが、だんだんとほぐれていくことなのかもしれない。そして、そうやってほぐれていけば、ほかの人の失敗を、自分自身が許せるようになるのかもしれない。そんなふうに思います。
みんながこれから過ごしていく自由の森学園という場は、みんなが、ひとりひとりが、自分に絡みついた「ひも」を自分自身の手で ほどいていく場所です。
ひとりで ほどいていくというよりは、ここにあるいろんなものや人を通して ほどいていけるといいなぁと思います。何かの不安を取り除くには、

  ほかの人の失敗を、あなたが許せるかどうか

ということとも関係がありそうな気もします。

こんなことをしゃべりました。このほかにもいろいろと話しました。

担任をしているころは、生徒たちの姿を見て、感じたことや伝えたくなるようなことがたくさんありました。クラスの日常的な会話やHR、あるいは学年集会でも。
目の前にしている人たちに、自分自身の考えを映し出すこと。それを通して言葉ができていったのだと実感しています。

「目の前にすること」がなかなかむずかしくなってしまったのが、最近の悩みです。
校長室からちょっと離れて、あちこちに割り込ませてもらおうかなと思っています。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

なかの

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