自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

白菜からこんな世界が広がっていた

2004年12月13日 | 自由の森のこんなこと
午前中は理科の研究授業。中学3年生のクラスで後藤さんが生物の授業をしました。

 カブ、アブラナ、コマツナ、白菜、ナガカブ、大根、ニンジンの種の袋を黒板に貼って、自由に分類させます。次にシャーレに分けられた種を見させて、植物は種や花の形で分類することを説明します。「大根って花が咲くの?」というような声も出ます。普通、畑では見られないけれどもちゃんと写真で見せてくれました。


 そこで今回のメインのテーマ、白菜の栽培の話。白菜は明治に入ってから日本に渡ってきたということにまずびっくり。水戸黄門は白菜を食っていない!中国からもたらされた白菜の種を育てるのは容易だったのに、その種からは同じ白菜を栽培するのは困難だったそうです。葉が巻かずに広がってしまうらしい。なんで?しかもニンジンや大根と育てる場合はできるが、カブやコマツナと一緒には育てられない。
 生徒たちはそのなぞを考えます。しばらくして一人の生徒が言います。
「花が似てるから、虫が間違えて、タネがまじっちゃう」
いい線に近づいたようです。同じ「種」だと交配して白菜の特徴が消えてしまうのだそうです。そのことを聞いてまた別の生徒が聞きます。「カブは大丈夫だったの?」

 最後にキャベツとブロッコリーの例も紹介して「種」の説明と「品種」との違いをまとめました。

 犬なんかも同じように考えられますね。犬は雑種でもいいけれども野菜じゃ困るのです。社会科として考えると、タネをつくるビジネスが存在する生物学の事情がちょっと理解できました。野菜を作っているのだから、タネには困らないだろうというのは甘いってことですね

おにざわ
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