自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

アラスカ先住民の家に居候するさくらさん

2006年08月24日 | 自由の森のこんなこと
 昨日(8月23日)の朝日新聞夕刊に17期生の是恒さくらさんの記事と写真が載っています。


卒業後、「先住民の芸術を深く知りたい」と一年勉強し、アラスカ大学芸術学部に進学しました。

 彼女、高校2年から林業講座に参加していました。キノコの面白さ、奥深さを僕に教えてくれたのはさくらさんでした。


修学旅行のコース提案も個性的でした。沖縄の新城島に伝わるパナリ焼きを復活させて体験したいという目的のコースです。今のさくらさんとつながっているのだと感じます。


 新聞に載った顔、どこかで見たことがないでしょうか。昨年の自由の森の学園案内に登場しているのがさくらさんです。アラスカ行きをひかえた時期に校内で撮影しました。



そう、校長室の入り口にある表示もさくらさんの手作りです。


おにざわ



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小学生の感性を引き出す授業

2006年08月22日 | 自由の森のこんなこと
      みみをすます  
  
    幸せなことに  みみをすます
    流れ星の流れる音に  みみをすます
    雨がふる音に
    虹の架かる瞬間に

   
    自然の音に   みみをすます
    ありの歩く音に
    ありの心臓のおとに
    小鳥が親鳥を呼んでいる鳴き声に  みみをすます

    
    クラスのざわめきに  みみをすます
    息の音に
    皆の鼓動に・・・
    みんな生きていることを完璧に理解したときに
    よろこびの声に  みみをすます

 
    地球の叫びに  みみをすます
    知らない平和を知ろうとするかすかな未来に
    みみをすます


  20日の学びの森2006の終わりの集いで発表された小学生クラスのみんなでつくった詩です。


 担当した斉藤理子さんによれば、この授業は谷川俊太郎の詩を読み、その後、みみをすましてみて、聞こえてきた音・聞こえないけれど想像した音をいくつか書きだして、それをみんなで話し合いながら並べたものだそうです。


 授業の最後にみんなで音読し終わった時、思わず「おおっ~」という声があがったとのこと。初めていっしょになったその日だけのクラスなのに、訴えるもののある詩になりました。



 きっと、とてもいい学びの空間だったのでしょうね。



おにざわ

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ソウルのオルタナティブスクール

2006年08月20日 | 自由の森のこんなこと



 夏休みのみやげ話しです。

 8月始めにソウルにあるオルタナティブスクール、ハジャセンターとソンミンサン学校を訪ねてきました。

 そのきっかけは、休み前に韓国の社会学者チョ・ハン・へジョンさんが自由の森を訪問したのがきっかけです。彼女は教育学者の佐藤学さんの紹介で、自由の森を見学したいと申し込んできたのです。彼女はソウルで、新しい学校づくりを開始していて、今回、そこの学生との交換留学も提案していました。

 上野千鶴子さんと共著の『ことばは届くか』(岩波書店)にその学校の記述があります。



 後日、つながったことなのですが、そのオルタナティブスクールの保護者で、学校づくりの中心の一人にチェ・ヒョンサムさんという方がいます。彼は、あの「冬のソナタ」の舞台となった高校の歴史の教師で、自由の森が行っている日韓学生交流で生徒を引率して来校したことがある人物です。博識で温和な方でした。自分の娘さんの入る学校を仲間と作ったということを聞いていました。

 ハジャ・センターのハジャとは「やろう」「やっちまおう」というような意味。主体性を重視した新しい学びの空間です。ソウル市が延世大学に委託して運営されているものです。建物は色とりどりの壁面でさながら芸術工房のような感じです。そこではデザインや建築廃材をパーカッションとして演奏するチームなど様々な活動が繰り広げられています。教室いっぱいに机が詰め込まれている韓国の教室とは全く違います。



 その、小中学生版がソンミンサン学校。静かな住宅街の中に木をふんだんに使ったとても素敵な校舎が建っています。裏山のソンミンサンの自然保護運動をきっかけにつながった市民を母体に学校づくりがはじまったと聞きました。中庭があり、植物の栽培も行われていました。ホールでは子どもたちが自作の太鼓の演奏を披露してくれました。



 夕食はソンミンサン学校の先生方とご一緒し、その後、夜中までチェ・ヒョンサム先生と語り合いました。韓国でもこんな学校がつくられていることは僕たちの元気にもなります。うまくいけば学生の相互交流が実現するかもしれません。

おにざわ

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やまけんが語る、語る

2006年08月19日 | 自由の森のこんなこと
 しばらくの夏休みをいただきました。
 今日は「学びの森2006」。げんなりするほどの暑さでしたが、たくさんの方々に参加いただきました。



 写真は、小学生対象の熱気球をつくる講座の完成飛行です。こんなに暑いのに飛ぶのかと心配していましたが、みんなが思い思いに書き込んだ気球は見事離陸に成功しました。やったね。



 夕方からは特別講座としてやまけんこと山本謙治氏の講演を行いました。本名ではやはりピンとこないのがやまけんです。自由の森学園の2期生、ここの空気とめしをたらふく食って卒業し、現在は農産物流通コンサルタントというにわかには理解しがたい仕事をしている彼、「出張食い倒れ日記」の方が知られているかもしれません。

 先日のテレビ番組の中で、自由の森の話をしたもののうまくカットされてしまい、今回は母校で話をしてくれることに。ギャラは食堂の食い放題。定食をどんぶり飯で平らげ、さらにミートソースを一皿かき込んでいました。久々に校内を歩いて体育館の太鼓を見つけるや、早速ばちを握っていました。

 講演の前半は自由の森から現在までの歩いてきた道を語ります。食や農に関わるきっかけは食堂のキャベツでした。そして、慶応藤沢キャンパス、野村総研と、ラッキーに恵まれたとは言え、進もうとするその突破力には関心します。講演が終わってから、その気力とパワーはどうして身につけたのかたずねてみました。彼はこういいます。「そんなに特別な子どもではなかった。おそらく自由の森での3年間の体験の蓄積がそれを支えているんだと思う」今のところの彼の分析です。

 後半は食料自給率、農業人口の急減など日本の農業と食に関してデータを示しつつ語ります。さすがに講演は慣れているようです。中1の在校生が参加していて、途中、いきなり質問をはさみますが、きちんと受け答えするあたりはここの授業をくぐってきたからできることでしょうか。日本の農と食を守るためにできることを3点紹介して30分延長した講演は終わりました。



おにざわ

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