文化財を学習したり保存運動したりするグループで大田区立郷土博物館に行った。そこで弥生式土器を実際に手に触れるという思わぬ体験をした。博物館の土器と言えばガラスのケースの中で柔らかなライトに照らされ恭しく収められいる。でなければ「サワルな、フレルな」の注意書ばかり、場所によれば「文化財保護法云々…」なんて如何にもお役所らしい警告書が掲示されている。
この郷土館は「触れて・持って」古代社会・弥生時代を感じて下さいがコンセプトである。久が原遺跡から出土する「久ヶ原式土器」は南関東地方の弥生式土器編年の後期に位置づけられる特段の土器である。質感がしっとりし見た目より重量感があり掌にスッポリと収まる。2000年の時空を越えた米作りムラ造りに励む弥生人の暮らしに想像力を巡らして思い描くのは楽しいものである。
<赤みがかった美しい久ヶ原式土器を抱く>
弥生土器2000年もの時空(とき)越えて確かな温もり息づいてある
掌の中の久ヶ原土器の持ち主は2000年前の如何なる人ぞ
土器に問う「何を入れたの」耳澄ます「サア忘れた」と静かに笑う
久ヶ原の住居跡掘れば赤土に弥生の足跡幻に見る
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