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年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

冬の華

2013-02-06 | フォトエッセイ&短歌

 暖気が関東地方を被い前線が太平洋に移動するという気圧の配置によって春一番が吹いたとお天気おじさんが説明してくれた。4月中旬の気温になった様子をビジュアルに解説してくれるのでナルホドと納得させられる。
 が、それは一日限りで空っ風の吹く寒い日が続く。一年間のうちで最も彩りの少なくなる時期となる。カラカラの風に乾燥したドライフラワーのような「冬の華」がヒューヒューと揺れている。
 椿の花はポトリと音たてて散っていく。桜はハラハラと風に舞っていく。梅はウヤムヤに終わって実を残す。
 木槿(ムクゲ)は花が終わるとやがて実をつけて葉を落とし冬を越す。木槿(ムクゲ=もくきん)は早朝に開花し夕方にはしぼんでしまう一日花で「槿花一朝(きんかいっちょう)の夢」<人の世ははかない>のフレーズがある。韓国の国花で無窮花(ムグンファ)と呼ばれる事はよく知られた事である。ふと、松代地下壕の入口に植えわれていた無窮花を思い出した。

<ムクゲの実は弾け飛んで実を被っていた殻が花のように開いている>

 

  薄紅のムクゲの花は柔らかく深き緑の葉と戯れて

  涼しげに秋の装い終わる頃木槿一輪鮮やかに咲く

  華やかな花弁を閉じて凩に散ることもなし木槿の実となり

  花終えて秋ざれのなか実が揺れるムクゲは冬の華となり

  地下壕の坑道登れば松代の秋ざれのなか無窮花(ムグンファ)揺れる

  地下壕を身体丸めて出てくれば無窮花(ムグンファ)の梢に風花舞う

  枯れ果てた堅く閉ざした無窮花(ムグンファ)の実風花舞う地下壕の前で 


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