年月に関守なし…… 

古稀を過ぎると年月の流れが速まり、人生の終焉にむかう。

多摩:広福寺

2009-07-06 | フォトエッセイ&短歌
 川崎市多摩区の生田緑地(いくたりょくち)は、多摩丘陵の一角に位置する市内最大の緑と史跡の宝庫である。周辺の宅地開発が進む中で都市計画に基づいて、都市公園としての整備も進みに岡本太郎美術館、日本民家園、伝統工芸館、公営ゴルフ場など市民の憩いの場と学習の場を提供している。
 その拠点が枡形城(ますがたじょう)址で北側のふもとに広福寺がる。門には「稲毛領主菩提寺 稲毛館跡」と書かれた扁額が懸けられている。
広福寺は枡形城主:稲毛三郎重成(いなげさぶろうしげなり)の館だったと伝えられている。

<稲毛領主菩提寺、松本山広福寺の脇門。泰山木や山桜の巨木が生い茂る>

 広福寺は平安時代に建てられた荒れ寺を稲毛三郎重成が長弁阿闍梨(ちょうべんあじゃり)を招いて中興した真言宗の寺で稲毛三十三所観音札所第1番となっている。稲毛領観音巡礼は民衆信仰の中でも御利益抜群で今でも人気のイベントである。
 本堂には本尊の木造五智如来坐像(桃山時代作)と共に稲毛重成坐像(木造:桃山時代作)が安置されている。

<梅雨晴れのひととき。激しく流れる雲の一団が観音堂の甍に影を落とす>

 境内の観音堂の裏には稲毛三郎重成の墓といわれている五輪塔が伝えられている。五輪塔を守護するようにボダイジュの大木がある。ちなみにスーパーマーケットのイナゲヤは稲毛三郎重成の後裔が創業時に命名したと言われている。

<中央の五輪塔が重成の墓と伝えられている。砂岩で摩滅が酷く確証はない>


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