もう雨、やんでるよ
諸行無常、だから絶えず変化するものに
自ら対応することが哲理なのに、
ほとんどの人が考え込んでしまい、その対応に後手をとる。
あるいは口泡飛ばして議論に始終し、行動のタイミングを逸してしまう。
変化とは、今までのツールが
その努力に関係なく用を成さなくなることを意味する。
雨が止めば、たとえ1万円のブランド傘であろうと
398円のビニ傘であろうと無用の長物化する。
変化には、その都度の最適のツールが不可欠なのだ。
ツールを使う場やどう使うかを考えることは、主客転倒である。
人の成功ツールが自分に役立つかどうかなど考えるまでもない。
変化したこと。そしてどのように変化したのか知って、
初めてその解決のための最適ツールが決まるのであるから。
過去に対応するから対応が対応でなくなる。
頭で対応しても対応にならない。
過去は結果であり動かせない。
分析はできるがそれで今の対応や未来の予測には使えない。
傾向は掴めるが、過去の傾向に未来が忠実である
というのは人智の奢りにすぎない。
だから、過去に対応するのはよそうや。
もう道具(ツール)選びに人生を委ねる愚をおしまいにしょうよ。
肝要なのは、変わるものと変わらないものを区分すること。
それにはまず、不変のものをきちんと押さえること。
なにもかも変化していると思うから、
変化を見過ごし、見誤るのだ。
たとえば同じ方向、同じ100で
並行して走る2台の車に乗っている人は、
お互いの車を見ている限り動いていないように見える。
片方が停まり、片方が動いて、前者は他の一台が動いていることを認識できる。
片方が動き、片方が停まり、前者は他の一台が停まっていることを認識できる。
まずは変わらないものを押さえおくこと。
変わらないものを掴んでいる人だけが、新の変化を掴めるのだから。
「おじさん、雨、やんでるよ。もう傘、要らないよ」
通りかかりの子供に注意され、空を見れば、
いつのまにか雨はやみ、薄日さえさしている。
「坊や、ありがとう。おじさんは変化対応のこと考えていて、
天気が変わったことに気づかなかったんだ。
そうか、雨はもう上がっていたんだ」
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