経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

出せば入る

2010年05月20日 | Weblog
え間のない革新には、絶え間のない対応が不可欠である。
変化のたびに、対応をセットアップ。
しかし脳は一つ、手は2本しかない。
当然、キャパシティの問題もある。

だから今まで持っていたものを捨てるということが必要になる。

私の事務所は、畳にして18畳程度。
そこに机、本箱とがぎちぎちに並べられている。

その本箱がいっぱいだとしたら、
その中の本や資料を捨るか、部屋を拡げ本箱を買い足す以外にない。
部屋の場合なら、資金的余裕さえあれば書庫の増設、賃借。
または事務所の拡張・・・・、
方法(ツール)だからいくらでもあろう。

だが自分の脳ということになると、そうはいかない。
手足も然り。自分の脳や手足を増やす訳にはいかない。

だから猫の手も犬の足も借りようということで組織が生まれることになる


脳の場合。
新しい思考、新しい技術、新しいノウハウを入れるには、
今持っているものを脳の外に放り出さないと、
私の大きな頭の、小さな脳はすぐ満タンになり新しいことが入らない。
短い手足が、それぞれ2本ずつあるが、手から離さないと手に余るし、
お足も足りなくなる。

諸行無常、変化は常にある。
だから常に捨てる作業をし続けなければならない。
これが新陳代謝。身体の場合は生きていく限りこれが不可欠だ。


経営では、経営革新。経営が継続されるためには不可欠だ。

心の場合も生きている限り然り。

以前ここに師から聴いた話として、
中国に情報遮断し脳を腐らせる極刑がある、といったことを書いた。
呼吸は、吸うだけを続けていると死ぬ。はき続けていても死ぬ。

情報もおなじことではないか、と思う。
入れるだけでは死ぬ。

かどうかは、まだ試していないから確証はないが
やはり、出すことが鮮度の高い情報が入ってくるには不可欠と、私は思う。

だがなぜか、人は情報は入れたがり、出したがらない。

昔、異業種交流会というのが、当時の通産省の背押しで全国に組織された。
私もその指導講師(カタライザー)をさせていただいて、びっくりした。

皆挨拶で、自社のPRと自分への情報提供の要請、依頼ばかり。
入れる、下さい、欲しい、協力下さいを欲し、

出す、上げます、お役に立てるならといったこと無し。

それで会場は、たちまち酸欠状態になってしまった。
次の定例会も、次に定例会もその姿勢は変わらない。

それで息苦しくなり、3月ぐらいで私はカタライザーやめ自前の会を作った。

その会の名は「千脳会」。
12人のメンバーが、1人100ずつ、情報を出し合えば、
自分の出した100を引いても、各人概ね千の脳を得たと同じ。
これが千脳会のネーミングの由来だ。


要は出す、それ他者が喜ぶ情報をドンドン出す。これに撤する会だ。
これが今も一部で続いているタノウエ脳力経営塾の前身。
名前を変えたのは、オームが話題になり、「洗脳」する会ではないかと
会員が冷やかされたからだ。

横道から戻す。
閉じ込められた情報は腐る。独り占めの情報を外に出せば、
外には大勢の人がいるからそれぞれが活かす。
活かす人が10人いれば、その活かされた人10人が
活かしたを押し上げる、こういう図式。
こういうことだ。

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