経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

縛られ、カミソリで

2010年10月22日 | Weblog
業界、そして自分の仕事、やっていることの特性を
本質部分で捕まえ、その中の普遍性部分を、自分に置き換える。
これが進歩発展、学ぶということだと私は思っています。

そこで1つのケースとして、理髪業を採り上げたい。
理由に他意はない。


長崎の理髪組合傘下の理髪業皆さん達に、
毎月一回脳力開発ゼミを1年に渡って行ったこと。
その御縁で各地の理髪業皆様方との御縁を頂き、
理髪業の学会の全国大会で基調講演をさせていただいたこと。
そうしたことで、S62年に理髪学会の全国大会の基調でお話した
ことを思い出しながら、書き進めています。


利発な皆様方には、申し上げなくても良いことですが、
別に理髪業の話をしているのではなりません。
例に採っただけですから、養豚業の方も印刷屋の方も、
公務員さんも、運送業の方も、区々自分の仕事に置き換えて
考えていただければ、と考えます。


自分の店舗の中で、理髪を目的に来店したお客の、
体の一部分である頭だけに関わる仕事、これが理髪業です。

しかも使用する道具は、主に鋏とバリカン、それに櫛、この3つ。

休みの日を別にすれば一日中、この極く狭い世界で、
限られたお客さんの、身体のごく一部分を、
大抵は夫婦ふたりで、ちょきちょきやっている。

このことから、どうしても視野、思考が狭くなる。

このことに気が付いたのが、
長崎県の理容組合の佐藤理事長(当時)。
そこで、私に声をかけていただいた。

理髪には、1人に当たり1時間~2時間の時間がかかる。
一席当たり概ね5回転程度が限度ということになる。
これもお客が来れば、の話。


これを利用者から見るとどういうことになるか。
お客からみたらは、1時間~2時間の間、
拘束されていることになる。
しかも手錠をはめられて、剃刀などの刃物を持った人に。
上から見下され、唾を浴びながらる

理容師の多くは、こうした利用者の苦痛がイメージできない。
なぜか。

理髪店を利用していないNO1は理髪師。
床屋さんは、他の床屋を利用したことがない。


1-世界が狭い。
2-関心が一部分である。
3-客体験を持っていない。

だからです。

これが、佐藤さんに、提出した提言の結論です。


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