経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

これ、商い

2008年09月11日 | Weblog
売上げとは結果であり、
客に購買してもらわないと始まりません。

「単価×客数=売上」

という公式において単価を一定、
変わらないとして考える。これがコツです。

すると、売上の多寡は客数。
これは、お客が「ここで、これを選択し、購買する」
といった意志決定の数で決まる。

第三者が行うその意思決定数をいかに増やし続けるか
これが売れ続けるためにはどうすればいいか、
すなわち、経営の命題になるわけです。

命題、すなわち命にかかわる重要なことを、
ほとんどやられていない、というのが私の実感です。
たいていは、どうしたら売上が上がるか。
予算を達成できるか
そんなことに時間を費やしている。


さて、第三者が行うその意思決定数を
いかに増やし続けるか、ですが、

まず客との五感を共有する接点を増やすことです。
その接点は、お客様の個々の関心事に、
こちらが関心をもつことで、容易に確保できます。

例えば、顧客やその家族の悲喜交々、
たとえば誕生日や身近に起こった事件・出来事などを
しかと、捉えることです。

商品を売りたいという自分のニーズの充足のため
で、それを考えたら、利口なお客は背を向ける。
お客にアプローチではなく、お客の関心事に触れることで、
「あなたに、私は興味を持っていますよ」という
メッセージをだせば、お客があなたに気を向ける。
相手に、こちらにアプローチしてもらうのです。


お客は自分に得になる方を選びますが、
その周囲や背景に、危険、うさんくささがあると、
得なことでも尻込みします。

ですから、人間として、商人としての信用、信頼は、
選択の背景基準として、きわめて重要になります。

そうした良好な関係をつくり、お客を喜ばすことができれば、
購買決定数が増え、その結果として客数が上がり、
そして売上げが上がっていきます。

商売は、損得を瞬間的な計りで考えるのではなく、
長い目で見て、継続的に商品を買ってくれるお客を
増やし続けることができるかにかかっています。

お客との関係づくりを通じて、
お客個々からみての魅力づくりをやり続けていると、
それがクチコミで評判となり、広がっていきます。
多額の費用がかけての宣伝より、
お客がほめてくれる状態をつくることの方が、
安上がりですし、遙かに効果があるのです。
それに、やっている人は、皆こう言うのです。
 「経営がたのしくなった」

ですが、みなさん、なかなかおやりにならない。
たしかにお金をかけず、お客に喜んでもらえること、
この種まきから、発芽し、実り、収穫するまでには
時間がかかる。手間暇もかかる。

でも、毎日少しずつでもまき続ければ、
徐々に実り、それが続いていきます。
永続する商人であり続けるための哲理は、
こうしたシンプルなものです。

相手の得をすること、喜ぶことを、相手の五感に訴求し、
それをし続ける。実に単純な繰り返し、積み重ね。
これが、商いだ、経営だ、と思います。

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