経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

人間喪失

2012年06月10日 | Weblog
会社が悪いといういい方がある。
 組織が悪いともいう。
 上がわるい、と発言した人がいた。
 規則が厳しく、遅刻は許されない、という声もあった。
 社員教育の徹底を図りたい、と力をこめてTOPがいっていた。
 置き石の可能性あり、を早々と発表していた。
 社内連絡では、踏切事故、ということだった。
 「結果的に、そういうことです。」、といったいい方がやたらと使われた。

 まだまだ、あろうが上の例の共通点は

1に、問題は自分にはなく、他者あり、と責任を振っていること。
2に、主語がないこと。
3に、人間でないものを擬人化していること
4に、固有名詞が出てこないこと

 これまたまだまだあろうが、この4点を1つにまとめると、彼らには「人間性がない」ということだ。

 人間でないものが、人の命を預かる乗り物を動かしていることは、猿が運営するいりあぶない組織ということだ。人は人を生むが、人でないものは、人でない物を生む。恐ろしい、不気味なことだ。
 
 いかに大事故であろうと、社員がかってに持ち場を離れて、現場に集まったの
では別の問題が起こる。それぐらいは国民は理解できる。国民は、そうしたところまで感情的になるほど、バカじゃない。
 
 だが、ボーリングに飲食となれば、ことは別だ。彼らの中には、元総理が、ハワイ沖での宇和島水産高校の事故の折、ゴルフを続け非難されたとき、顔のしかめていた人もいるはずだ。
 
 さて、自分の家族が事故に遭っても、ボーリング、2次会の飲食やるのか。
 
 組織に転換、会社へ転換、教育問題へのすり替え、気持ちはわからぬことはないよね、といった助け船を待つような問題のすり替え、責任転換では、また同様のことを生む。人間が作ったもの。擬人化して他者への責任転換したら、本質的な対応は出来ないからである。
 
 会社や組織をここまで腐らせたのも、また人間そのものである事実。腐って人間性を喪失した人を生んだのも人間であるということから、目をそらせてはならないのである。