経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

客体験こそ

2011年03月03日 | Weblog
利用者の選択、判断の問題を、
「利用者の身になって考える」

と、いくらと考えても言っても、なんの解決もしない。


そんなことは言っても言わなくてもいいから
自分が消費者、お客、利用者、クライアントになる。
その経験を踏まえ、それで体感したことを
自分の経営に置き換えて、活かす。

それ以外がない。

お客になってお客の気持ちを体感する。
実は、実際にやられた方ならわかるが、
これがきわめて難しいのである。


そうした話を聞いてその後、このことを実践された方は、
私が知る限り長崎のSさんのグループ、5-6人だけ。

なぜか。なぜ難しいのか。

それは作り手、売り手の経験、経営者、店主の経験、思考、
こうしたものが脳を占めていて、消費者体験や
消費者の思いなどの進入を邪魔するからである。
経営する側が、消費者になりきると言うことはきわめて難しいことである。



顔も頭も知られている県内の同業者ではなく、
知られていない土地の床屋さんで自分の頭を刈ってもらう。

長崎のSさんたちは、それを1年以上続けた。
客体験をご子息、お弟子さんと実践された。

その体験をお手紙でいただいたが、
曰く「床屋ばなれの理由。じっとしているのはしんどい」。


お客様の体感をいっぱい積むと、
自分の企業、お店の問題が見えてくる。

問題、課題と言うが、それらもまた
消費者、お客、利用者、クライアントからみた
それらでなければ、なんの対応、解決、革新にならないのである

消費者、お客、利用者、クライアントからみた問題、課題こそ
なさねばならない対応である。
消費者になりきれて、
真に経営革新を図らねばならないことが見えてくる。

今、経営者に乏しいのは日常生活での消費者感覚だ。

だから、
今、経営者がなさねばならないことは日常での生活だ。
今、経営者が取り戻さねばならないことは消費者感覚だ。