経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

後の祭で得るもの

2010年08月28日 | Weblog
「この指に止まれ」は、専門性、特異性を極めるといった
沿い工面があり、特定業種を間口狭めて絞り込み、
かつ奥行きを拡げるありかたである。

小さいお店が限定商圏でやれる、
ということは全くの誤解である。

むろん、ここでこんなことをやりはじめますよ、
といったアピールには、効果があろうが、
鋭角化することで、理論的商圏を拡げることで、
遠いところからでも聞きつけて消費者を常連客化する、
というところに本来がある。

それに品揃えの底を深九する必要があるから、
一定以上の店舗スペースが必要だ。

専門性があれば小資本、小さなお店でも大丈夫、といった教えは、
まさにまやかしなのである。
もろにつまり規模、資本力の大小、強弱に左右されるのである。

さらに、こうした誤解、あるいは創業・起業を指導する人たちの、
認識、定義の曖昧さが、立派な起業プランはできたし、
講師から褒められた。銀行からも無事に資金も借りられた。
そしてどうどう新規オープン。

しかし待てど暮らせど来店者来ず、1年も経ず、閉店、
といったことは現実、珍しくはないのである。


この案件のその後で、少し具体的に例示しよう。
それは、既存同業者が、すでに「この指に止まれ」で、
そうしたお客をつかみ、時としてセメダインで
指と指を接着している事実を見逃してしまうことである。

あるニーズを持つ消費者が、一定以上いるところには、
そのニーズを狙xって充足している既存店が必ず存在しているだ。

近くに住んでいる消費者にしたら近くに店ができたこと自体は
[近くて便利]だろうが、遠くのお客にしたら、そのメリットはない。

近くだけのお客だけでは成り立たないので、
広域商圏を採用しているのだから、
これでは最初から目論見が建たないことになる。


「理論と現実は違うんだよ。だから現実をさきにみること」
「理論に現実を合わすことを対応、対策といった誤った考えを払拭」

といったことを後の祭りではなく、
先の祭りの場と機会でしっかり学んでおくべきなのだ。
 
学ぶことが理論に偏りすぎていると思う。

創業者に限らないが、先人に学ぶ。消費者に学ぶ。
地域から学ぶ、そして何より現実から学ぶ。
そういったこと、そうした姿勢が、
とりわけ新規創業者には不可欠な条件だと思うし、
自分の持っている強みを活か社長、うまくいくと考える。