経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

脱「自我実現願望」

2010年08月04日 | Weblog
売り手が努力した結果、売れたということは、
お客の喜びや感激、感謝になっていない。

それではお客が不快感や圧迫感をもち、リピートしない。
それだけでなく不評のクチコミ媒体の役割を担う。
こうしたシクミ下では、企業はおそらく身に覚えのないまま、
業績不振に陥ってしまうことになる。

としたら経営側はどうすればいいか。
上のシクミをカセット、ポン、取り外し捨て、
その後に、売れる仕組みをカセット、ポン、入れてやる。

その新しいカセットには、
1に、お客の方が望んで買うシクミ。
2に、そのことを購買者本人の意思で方々にクチコミするシクミ。

この2つのシクミが内容として不可欠である。
これを理想。この理想を最終目標に掲げることだ。

その上で、経営者が日々の売上にとらわれず、
いかにしたらお客様に喜んでもらえるか、
ということを基本理念とし、その具現のため、
消費者に感謝される企業体質と構造を作り上げる戦略
を策定し、それをどう具現していくか年次計画化する。

これが本来の長期経営計画、中期経営計画、短期経営計画
であると、私は考えている。

そうしたことでこれまでの経営計画は、
「自己欲がむしゃら実現願望書」
と言い換えた方が良いのではないか。


もちろん理念や計画を立案することが経営計画の目的ではない。
実施することで、掲げた目標を具現することであるから、
まず経営者自らお客を喜ばせ、感謝されることを行動実践し、
その時の自分の気持ちを体感しておくことが重要だ。

相手を喜ばしたときに、感じる自分の気持ちをつかんでいることこそ
経営計画づくりの書かせない前提条件である。
それができていないから、のちのち、朝礼などで
「相手の立場に立って」と口先でのたまわく、
といったことになるのだ。


経営計画は言葉と文字で表現される。
体感のない言葉と文字では身内の従業員すら動かせない。
ましてや消費者を動かすことなどできはしないからだ。