経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

本来に欠ける

2010年08月15日 | Weblog
昔々。昭和30年代。米国のどこかで、
商人が言うことは信用できないという声あり。

それが広がり、店員はいない方がいい、というニーズが生まれ、
「セルフ」がサービスのひとつになると考えた、人がいた。
それが新業態セルフ店。

こうしてセルフサービスの店が増えたと私はまじめに考えている。

つまり店主や店員がいると、やたらと売り込まれ煩わしい。
自由に買い回りができないし、何も買わずに店を出るときの
気まずさがいや。店主の顔をみたくないし声も聞きたくない。

こうした多くの消費者のニーズがセルフサービスという
新しい業態を生んだのではないか。


もちろん通説は、販売員をなくすことで人件費を削減。
その分商品を低価格で提供すれば、もっと売れるぞ、
といった極めて売り手都合でできた業態には違いないが、
何事に付け売り手都合だけでうまくいくことない。

上に掲げた価格以外に、「店員などいない方が良い」といった
消費者のウエルカムがあったに違いないと私は確信している。


ともあれ事業をどうしたら軌道に載せ、存続し続けられるか。
ゴーイングコンサーンに持っていけるか。
そうした思いのプロセスの中で、
新業態が次々と生まれてきたに違いない。

ゴーイングコンサーンを具現するにはいろいろあろうが、
1つに絞れば、「売れ続けること」に尽きる。
売れ続けるということは、お客が繰り返しきてくれること。

しかし現状では今日のための売上努力が原因になり、
明日からのリピートが切れてしまう、といったことが多いのである。

つまり売上を上げたいという欲が、ギンギラギン、
光る釣り針になることで消費者を警戒させている。
買い物を疑心暗鬼にさせている、といったことを招いている。

これが現状である。


ならばどう考え、どう対処したらいいのか。
来店した本人がリピーターとなるだけでなく、
その良きクチコミで、さらに新規客が増え、
結果としてねずみ算的に客数が増え続ける善循環システムを
構築することである。

そのためには
来店した一握りのお客が、あることで喜び、感嘆し、
その思いを、友人なりにしゃべりまくりたくなる状態が
恒常的に発生する、そうした状態をつくることである。

新しいものの向かう先には、これが新業態づくり、経営革新、不振対策、

なんであろうと、そこに目指すところの本来のものがなければならない。

にもかかわらず実態は、という思いで、本稿を書いている。