経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

もったいない話

2010年07月13日 | Weblog
一人で自分の戦略を果たすより、
違う世界をもつ人と戦略の共有を計ることでその力が増す、
というところに当然、組織の存在意義がある。

端的に言えば、俺は何でも知っている。
一人でなんでもできる、やれる、
といった人には組織は不要ということになる。

だが現実にそうした人は希有であろう。
そこで大方の人は、自分は足りないところが随分ある。
だから一人ではたいしたことはできない。
中には、自分でやるより、人にやって貰った方が楽ちん、
といった動機の人もいよう。

そこで人を集めムレて、行動することになる。
これが組織である、と考える。

これを人の側面からいえば、志を一つにする仲間の集まり、
「同志」という概念に近いものになる。


ところで組織を創る場合、大きく2つのタイプがある。
1つは自分時がある人を募る同好会タイプ。
いわば自分という人間をベースに考える人。

もう一つは、組織の目的を果たすことを主眼に人選するタイプ。
結果的に自分の違いのある人、様々な個性のある人を意識し、組織する人。


経営的に見なくても、誰しも後者を理想とするが、
建て前はともかく、現実はほとんど前者。
これが実態ではなかろうか。

中小企業に限らず大企業でも、
現実は戦略を現場の人たちには知らせない、
身内、取り巻きを中心に登用すしているのは、
何も政治の世界だけではないようである。

また経営者自身が、アレはダメ、これはダメ。
俺がいなけりゃだめじゃ、おれがやる、といったことで、
任せているはず、つもりでもほとんど部下に権限移譲していない、
こうしたことは、希有ではない。
否、そうしたことが当たり前、といった実態である。

そんなことはないといった企業を見てみると
徹底しているのは戦略ではなく、たいてい売上目標、
それもノルマである。

戦略は幹部だけ、あるいは正社員しか伝えないといった企業も多い。
その企業の パート比率は60%としよう。
この会社は100人で組織し、100人分の人件費を払いながら
40人に満たない人たちで仕事をしていることになる。

なんともったいない話ではないか。