経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

体感無しの共感なし

2010年07月25日 | Weblog
「おいしいですよ」、「健康にいいですよ」とか連呼する。
TVなどのCMもそう。

しかしこうしたことはお客の判断。
それを店員たちが勝手に決めつけている。
その判断すら店員自身の実感かどうか。
ほとんどは、そうではないだろう。

消費者には、そうした体感、実感のないセリフは、
売りたいがための絶叫にしか聞こえない。
へきへ期している。
それも皆判で押したように、どのお店でもそうした言い方をしている。

売り手から見たら、こうした無意味なことを給料を払って
店員に言わしめることが果たしてどれだけのメリット、効果があるのか
といった視点で見直して欲しい。

そのためには、自分でお客になり、
どこかの観光地のお土産品店街へ行ってみることをお勧めしたい。
昔も今も、おそらくこれからも見られる光景、
そこで貴重な体験、学びを得られることと思うから。

では、具体的にどう考え、どうしたらいいのだろうか。
考えてみたい。

1に、そうした言葉は、体感、実感があって発せられる言葉である。
前もって想定し、いわゆる聞いたようなセリフとは縁遠いものである、
という認識が必用である、ということだ。

2に、おいしいという実感を作り手、売り手と買い手が
共感、共有することが必定であるということである。

まだあるかも知れないが、上の2つ。
こうしたことを有史以来ほとんどの商人達が
なんら疑いも持たず、ごく当たり前の如く続けてきている。

それらが堆積し、徐々に消費者はお客店主や販売員が言うこと、
笑みもお愛想もお世辞もすばらしい接客もサービスも値引きすら
売りたいがためではないかと疑心暗鬼に陥り、
最近ではまず疑ってみるようになった。
売り手のすべての言動に不信感をもちだしているのである。

この不信感こそ、不振の元凶だと私は思っている。

ではどうしたらいいか。ことは簡単である。
1に、売り手側が、売るモノを消費者として体感、実感し、
その思いをそのまま消費者にお伝えする。これが1。
2に、食べ物であれば「どうぞ召し上がってみてください」と
実際にその場で食べてもらえばいいのである。