経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

変える、変えない。

2010年05月18日 | Weblog
変える、変えないといったの背景には
信念がある。変えない信念、変えるという信念。

信念に基づき戦略がある。戦略は生きるか、死ぬか、
どちらを選ぶかといったように択一。
1に、両者共有は存在しない概念。2に、ころころ変えてはならない概念。

戦略に則して戦術がある。
タクシーという戦術は存在するが、行き先、目的無しに乗車した如し。
戦略がなくて戦術は存在したとしてもそれこそ無駄なこと。

戦略具現のためには、戦術はコロコロ変える。あれこれ組み合わせる。
当然、とっさの判断もある。
とっさにの判断で変えなければならないこともある。」

突然雨が降れば、中には風邪を引きたいとか、
ぬれたほうが都合が良いという戦略を持っている人もいるだろうが、
たいていの人は快適空間の保持を心している
(=生きるという戦略)からぬれないように様々な対応を講じる。


諸行無常、すべからく変化する。
変化するものに対し、人が合わしていくことが生きることの本質である。
このことはこれまでも、これからも変わらないが、
変化のめぐるましさという点が、大いに異なるのである。

後に触れるが、情報量の増加は、変化がめぐるましくなるということと
同義語であることを、多くの人は気づいていない。
 
絶え間のない革新には、絶え間のない対応が不可欠である。
しかし手は2本しかない。
だから今まで持っていたものを捨て、
新しい思考、新しい技術、新しいノウハウを身につけるには、
今持っているものを手から離さないと手に余ることになり、
新しいものは手にできない。

個々であえて念押ししておきたいが、一貫してそれは「戦略に基づいて」
のことである。


ところがコロコロ手に持つモノ、戦術を変えているうちに、戦術が目的化し
戦略がスコトーマ化してしまうことである。
これが実に多い。

新しい経営手法を次々取り入れて、それに熱心になりすぎ
肝腎な経営をおかしくした人はけして少なくない。
こうした人は、別の言い方をすれば
戦略具現のために、これまでを捨て、より最適な手法を得るということを
忘れ、捨てることに酔ったか、戦術あさりにおぼれて経営への関心を失ったか
現実からの心理的逃避か、といったことであろう。