経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

ツケの論理

2010年05月06日 | Weblog
今の儲け、今の人気、次の参院選に過半数を、
といったことが目的化する。

長期目標より短期の方が意識的には強烈になるから、
将来(さき)のことそっちのけ、国民のことそっちのけ、
にして、その短期目標を目的にすり替えし、ひたすら邁進。
事業でも然りである。


こうしたことが今さえ良ければ良し、
自分たちさえよければ良しとして、
未来のための種まきどころか、未来の糧となる種まで先食いしまう。
こんなことでそのツケを次の世代につけまわしている典型的な例は、
地球環境問題や我が国の超借金問題や年金問題・・・。

典型的例が、国に関係すること政治家、政党、内閣。
皆、その時、その晩の受けを狙って、
短期的成果を目指すといったツケ回しをやっている。

日本という国の百年大計どころか、十年さきのことを考えて
活動している政治家がこの国にいるのかどうか。


経営者もまだしかり。
とりわけ大会社のサラリーマン経営者は、
自分の在任期間の成果を狙いことを考える傾向が強い。

その点、孫が社長になるときまでは考えて思考しなければならない
中小企業、同族会社は大きな強みを持っているといえる。

だがその子、孫は、はたしてどうなのか・・・・。
たとえば、経営者に限らないが2代目、3代目たち。
意地悪を言えば自分の蒔いた種でも育てた花でもない。
先祖様が蒔いた種が実を結び、花が咲く。それを継いで
刈り入れに始終している、といった現実があるのだ。

刈り入れに始終している彼らにモノ申したい。

将来の飯の種は誰が蒔くのか。
蒔かない種から収穫ができるであろうか。
将来の収穫ができず家族や従業員を食べさせていけるのか。

たしかに今日までの私たちは、
大なり小なりの成功の体験を積み重ねてきて発展してきた。

同時にプラスの財産だけではなく、
それと同数の失敗の経験も夥しく持っていて、
それもを、どん欲に活かしてきたからこそ
今日があることを忘れてはならないと考える。

わたしたちはとかく成功体験を記憶し引き継ぐ。
そしてその成功体験で挫折しているのである。

逆にこれまでの夥しい失敗から学んだマイナスの財産は
拒否し引継がず同じ過ちを繰り返してきているのである。
                       続く