経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

宿替え、その理由

2009年07月12日 | Weblog
現実には、接した相手を感動させる。

ここに狙いがあるおもてなしで、
相手を不快にさせることは珍しくはない。


現場ではこの商品天下一品、
そのおもてなし最高と評価されても

トップの不祥事やちょっとした心ない言動で
台無し、といったことは少なくない。


戦略の誤りを戦術で取り戻すことは出来ない。
同様、トップの誤った言動を、現場で正すことは難しい。

消費者、利用者は、現場の戦術でもって、
経営者の理念と戦略を推し量る。
すなわち、個々自分が接した接点が、
消費者、利用者にとってのその企業のすべて。
だからそのままでは、大げさに言えば
一生の印象を決めてしまう。

無能無知な経営者は、自分の誤りを、
現場接点で糺すことを計る。
幼稚丸見え、丸出し。見苦しきことよ。


以下、私事での実例。

青森市で定宿(2年で50泊ですぞ)していた大手ホテルW。
私はフロント係がSさんと覚えて,名前でやりとりしているのに。

2年間、これほど頻繁に宿泊しているのに
お客様で通され、固有名詞で呼んでもらえなかったこと。

私が用件を伝えているのに、かかってきた電話を取り、
私めを無視、待たせたこと。


ああ、こうしたことを書くたびに
自分の器の小ささが気になる。

そのことを含めて、これまで全国各地どこでもここに決めていた
このホテルがいやでたまらなくなり、

新しくできたSチェーンに宿替えした。


ここでは1年ぶり訪れても、
メールでの予約のやりとりでも
固有名詞でしてくれる。
博多に泊まっても、

「田上様、先日の青森でのご利用有り難うございます」

と、鼻をくすぐって頂けるのだ。

田上です。禁煙室の陸奥湾が見えるいつもの部屋でとメール。

田上様、お久しぶりです。 フロントのYです。
いつもの903号室をご用意しました。
今年は雪が多く寒さもひとしお・・・

ああ、他の人のことは知らず、俺のことを
覚えていてくれている。そういえばYさん、美人だったな。

余計な話だが、Yさんのこの対応を、称え、支配人と本社にメール。
ここだけの話だが、
さらに今後の「私」への待遇を良くしてもらうために、だ。



このことは、以前このブログで実名で書いた。
念押し。Wが忙しく、Rが暇だからでないのだ。

多分に経営者、あるいは総支配人の「おもてなし」の考え方。

Rの場合、これによって競合と差別化するといった戦略によるもの。
そして「おもてなし」とは何かが、
現場に理解されていることによる。