経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

パラダイムの転換

2009年07月30日 | Weblog
時流に対応するには、大きく2つの方法があります。
漕ぎ方を変えるか、時流に合う舟を作るかです。

それは時流の変化が、一過性であるのか、
構造的であるのか、その見極めで決まります。

農薬を使うと一過性的生産性は高まります。
しかしそれを継続し続けると、土が構造的に変容してまう。

波は、待てばやがて収まりますが、
赤潮は放置したままで収まることはありません。

ここで取り上げている変化は、後者。
すなわち構造的。前者では対応できないとします。

ですから、人類は、課題として潮流の構造的改善にという
これまで経験したことのない難しい課題に対して、
世界的規模で取り組まざるを得なくなりました。
これが地球環境問題です。


本稿は、これはさておいて、ということで論を進めます。
すなわち新しい潮流に適応し、他者へもマイナスを与えないで、
生きていける船を造るといった考え、そうした観点で話を進めます。

私は経営の仕事を生業としています。
ですからその領域で十数年前から、
そのための材料を集め船づくりを始めました。

それは、これまでの自分の技を磨くことや
さらなる努力を続けることではありません。
むしろそうしたことが、潮流との乖離を拡大することになる。

「場(チャンネル)」そのものを取り替えることが、
この構造的転換後には不可欠と考えたからです。

明治維新直後、民を中心とした官軍に、武士の軍団は勝てなかった。
これが維新です。
なにが維新かというと、個々の力より集団の力を集結した、
という意味で、くくりつけ機能させる、
その「場」が変わった、ということが維新。
パラダイムを変えることが維新なのです。

それは対応として剣術の腕を磨くことではなく、
個人技である剣をすて、鉄砲、大砲、軍団、集団で、
という思想の維新をも内包します。
その方が合理性、効率性、成果が高いからです。

明治政府は、自らの威信にかけてそのことを
英国やドイツなどから学び、吸収しました。

今政治的にも経済的にも、そういった「維新」の時がきたのでは、
というのが、私の頭の中では仮説卒業の私の思いなのです。

上に挙げた徳川幕府から明治政府の転換を、経営に置き換えたら
何に当たるのか。置き換えられるのか。
まずそのことを考え続けました

成功の要因が次の失敗の要因になる、
といったセオリーが歴史にはあります。

歴史は繰り返される、というのもあります。
古今東西、歴史書を読むと、まさにこの繰り返しで、
今日まできている。そのことがよくわかります。
それはヘーゲルの弁証法も示しています。

いろいろ考える中から共通するキーワードに当たりました。
それは合理化、効率化、集約化です。

少なくとも、明治政府以降、とりわけ第二次対戦以降、
今日まで日本経済を大きく成長させた最大の功労者は、
生産性向上を目的とした合理化、効率化、集約化。

上に触れた歴史のセオリーを当てはめると、
この成功要因が今、そして今からの凋落の立役者、
キーワードになるのでは、ということで仮説設定。
それから10余年間、いろいろ検証を続け、
私の中では既に仮説を脱し確信になっています。

それで、パラダイムを変えなければならない、とする
確信犯としての立場を明確にした上で、
その対応の方へ論を進めて見たいと思います。