経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

それって仕事

2007年02月21日 | Weblog
そのことが、消費者からみてほんとうにプラスになることかどうか、これが「仕事」であるか、そうでないかの分岐です。
ここで、その意味での仕事をしている人は、我が社にはいったいどれだけいるだろうか、考えてみてください。まずご自分自身はいかがでしょう。自問自答して欲しい。
 なぜこんなことを申し上げているかというと、そもそも買い手、消費者にとって得にならないもの、すなわち作り手、売り手だけがプラスするものをもって仕事としたのでは、経済行為そのものが成立しないからです。消費者は、作り手、買い手のために経済行為をなすことは、あり得ないから当然ですね。
 このことを前提、物差しとして、自分の企業が為していること。経営者として為していること。従業員にやってもらっていること。経営計画、組織、スローガン、チラシ、POP、電話・・・・など企業や企業人として行っていることの一切を点検してみる。私の仕事、経営革新のアプローチは、ここからスタートです。
 たとえば、
 電話するのに、相手先に訪問するのに、お客様にとっては1番忙しい時期、忙しい時間を抑えているだろうか。人はとかく、相手様の都合、忙しさなどを忘れるものです。
 ソーラー販売で著名なA社では、社長が営業にこういっていました。「朝駆け、夜がけ、お客の所へいってこんかい」、これでこの会社は、今どうなったか。ご承知のはずです。
理由も、皆さんのお宅へ、朝駆け夜がけでこられたらどうか。感激しますか。どうですか。
 自分たちの段取りで予定をたて、事を進めて、それが「効率的」とか「段取りがよいこと」と思っていませんか。こちらの計画に、他人をはめ込んで、計画を立てていませんか
対応という言葉を、日常当たり前のごとく、何気なく使っていますが、企業内を見回したら、この対応が全く出来ていない。対応というのは、相手に合わせて応じる、ということです。対のさきに相手、消費者、お客様がいるのです。
  自分たちの都合を不便してでも、お客さんの都合を優先する。もっといえば自分たちが手暇をかけてあげることで、お客様の手暇を解消してあげる、これが仕事が成り立つ本質なのです。
 きれいごとで申し上げているのではありません。企業が儲けるためには、このことが組織全員が理解し、組織の体質になっていることがきわめて重要だ、と申し上げているのです。(「福井中小企業大学校講演録」より)