経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

喜び組

2005年09月16日 | Weblog
 珍しいことに彼の会社の社員から、最近メールをいただくことが多くなった。「忙しい、忙しい」が口癖のめったにメールなどしない社風、連中なのに、どうしたんだろうと、思っていた。

 その彼に会う機会を得た。彼曰く。「メールで仕事などで会った人に礼状を書く効用を講演か何かで知り、自社でもやろうと言うことになったが、自分は多忙なので、それを代わって担当する係を決めてやらせている」。

 物事には、情と理がある。後者の理は代替えが効くが、前者は体験者の情のことであり、代わりはきかない。自分が五感で感じたことは、他人にはわかろうはずがない。他人が五感で感じた痛みや喜びなど、自分には実際のところわかるはずがない。
 ところが彼のやっていることは、たとえばうっかり熱湯に触れて、「熱い」というセリフを理から見たらムダ、効率を落とすとみて、そのセリフを熱湯に触れていない自分より給料の低い部下に代行させ、「熱湯は水が熱くなったものである」といった理の分には能力の高い自分が専念したい、という発想なのである。

 某国の喜び組が頭に浮かび、私は、なんだかんだ恐ろしくなってきた。事実、彼の会社の喜び組みからメールが来るたび、背筋が寒くなり始めた。
 そういえば、もう秋である。あの国も、そしてこの会社も。