経営コンサルタント田上康朗の雑感帳

経営コンサルタント田上康朗が、気ままに本音で記す雑感帳です。書く日もあれば書かないときもあります。

自慢と他満

2004年11月29日 | Weblog

 自分を自慢したり、讃えるのは自分へであって、けして他者へではありません。
なぜなら、本来それらは他者からのも与えられるものだからです。つまり人によって賞賛されてこそ価値あるそれを、自分で自慢した分、価値が減じられるどころか、逆の効果、つまり非難に変わってしまうのです。
 徳行、それが善意であれば、だまっていれば夥しい人々が、間違いなく気づき賞賛してくれる。ですが、それを本人が少しでも誇ると、彼らは逆に非難に回り、引きずる下ろしに転じます。
 昔の人は、これを「陰徳」といいました。
 この原理を、特に経営者は常に頭に入れておくことです。経営は、経営で動くものでなく、「人によって動かされているもの」、というのが私の考えです。
 卑近ないい方をすれば、このコツを掴んだら、楽をして人々から讃えてもらえるのです。でも「俺が、俺が」をだすと、彼らだけでなく歴史が、引きずり下ろすのです。
 
 偉大な人物とは、周囲の人から押し支えられる人だと思う。功を譲り、人を立讃え立てて、人の欲求を満足させるなら、人がその人を支え押し上げる。その人がいなくなったら困る、と人々が思ったら、彼らはそうするに違いないからです。

 その結果として労少なくして、大きなものが得られる。これはお説教や道徳ではありません。歴史における真の成功者のなしてきた原理です。