泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

奴国を歩く3「奴国内にある古墳(下白水大塚古墳・赤井手古墳・竹ノ本古墳)」

2019年08月17日 09時26分23秒 | 歴史
「奴国」の中心地である福岡県春日市では、4世紀ごろからは各地の豪族の支配が相次ぎました。
彼らの領地を見下ろす場所に墳丘が築かれ、春日市域には古墳や古墳群が数多く見られます。
なかでも、那珂川流域の段丘上には前方後円墳が集中していますが、春日市域には「日拝塚古墳」など
6基が確認されています。
前回の「奴国を歩く2」では、弥生時代後の古墳時代にきずかれた、春日市内にある代表的な古墳である国指定史跡
「日拝塚古墳」を紹介しました。
今回は、奴国を歩く3「奴国内にある古墳(下白水大塚古墳・赤井手古墳・竹ノ本古墳)」を紹介したいと思います。
〇福岡県春日市下白水北にある市指定史跡「下白水(しろうず)大塚古墳」は、近世以降に墳丘上や周辺が、
共同墓地として使用されたため、古墳の原形はかなり損なわれています。前方部は道路によって
一部壊されていますが、全長50メートル前後と推定される前方後円墳です。
周溝と横穴式石室の一部が発見されていますが、未調査のため詳細は不明です。
築造時期は6世紀後半から7世紀前半頃と推測されます。河岸段丘上につくられたこの地域では、
大型の前方後円墳です。
住宅街の中にあり、よくも宅地化されずに残ったものです。「奴国の丘歴史資料館」の学芸員さんの話によると、
この古墳は地元の方が昔から大切にされているとのことでした。

        

〇福岡県春日市弥生にある市指定史跡「赤井手古墳」は、6世紀初頭に築造されたと考えられる直径30メートルの円墳です。全長4メートルの横穴式石室は盗掘を受けていましたが、石室から鏡をはじめ各種装身具、武器、工具、須恵器など多数の副葬品が確認され、その内容から首長墓と考えられています。特に、須恵器器台と子持壺は見事でした。「奴国の丘歴史資料館」で見ることができます。丘陵地帯の最高部につくられており、とても見晴らしのよい所につくられた古墳です。現在、公園になっており自由に見学が可能です。道・家を挟んで南側に「竹ノ本古墳」を見ることができます。

           

〇福岡県春日市弥生にある市指定史跡「竹ノ本古墳」は、全長20~30メートルの規模と推定される前方後円墳です。石室構造や時期については未調査のため不明ですが、後円部に露出している石材や、近接する「赤井手古墳」の時期から判断すると6世紀代と推定されます。丘陵の上につくられた小型の前方後円墳です。残念ながら、古墳の入り口には柵がしており遠くからしか見ることができませんでした。高台につくられておりす古墳の傍には、弥生時代から古墳時代にかけての集落が発見されました。現在、古墳の周りは、住宅地となっています。

今回紹介した古墳は、全て近距離にあり丘陵地帯に築かれているので、古代は色々な方向から良く見えていたのでしょうね!

     

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