泉飛鳥塾

「古(いにしえ)の都・飛鳥」の原風景と共に、小さな旅で出会った風景等を紹介したいと思います!

飛鳥の民話 「朝風(あさかじ)地蔵と耳なおし地蔵尊」

2017年02月17日 16時46分03秒 | 歴史

奈良県明日香村の奥飛鳥と呼ばれている稲渕集落から、案山子ロードを歩いていくと「朝風峠」に着きます。

昔「朝風峠」は、西側の集落の平田の人は「稲渕峠」と呼んでいましたが、稲渕の人は「平田峠」と呼んでいたようです。

峠道は、現在の道より3m程高い位置にあって、北側と南側の尾根とで交差していたようです。

尾根筋の道は、栗原集落につながっており、途中に「朝風(あさかじ)地蔵」さんがあります。

今回は、昔に「朝風地蔵」さんと平田にある「みみなし」さんが喧嘩した話を紹介したいと思います。

地元の人の話では、昔に稲渕にある「朝風地蔵」さんと平田にある「みみなし」さんが喧嘩したそうです。「朝風地蔵」さんの肩を割られ鼻も削られたらしいが、「耳なおし地蔵」さんも耳を取られているらしいので、喧嘩両成敗とも言われているとのことだそうです。

また、古老よりの言い伝えとして「耳なおし地蔵」さんは、昔は耳があったが「朝風地蔵」さんとある日喧嘩して、「朝風地蔵」さんに両耳を切られなされた。切られてみれば音や声が聞こえない。「耳なおし地蔵」は大変難儀されたが、私は「仏」であるから音や声が聞こえなくても、人間やその他万物の心の中までわかるが、もし人間や動物で耳がないのは辛くて困るだろう。人間や動物で耳の悪い者や耳の病気で困っている者を治してやらねばならないと、万物の難儀を救ってくださっているとのことです。

どのようにして「耳なおし地蔵」さんにお願いをするかというと、先にお参りされてお供えされた「錐(きり)」がお堂の端にありますので、その「錐(きり)」で自分の悪い耳にあてて、治して下さいとお願いします。お参りされて治していただいたら、新しい「錐(きり)」に奉納と書き、住所や名前・年齢を書いてお供えをするそうです。

ところで、「朝風地蔵」さんの場所を探すのに苦労しました。山の奥にあり、途中道なき道を歩いて、ようやく3回目に見つけることが出来、感激しました。

「耳なおし地蔵」さんは、近鉄飛鳥駅の近くにありますのすぐに見つけることが出来ました。

飛鳥には、他にも多くの民話が残っています。民話をもとに、飛鳥を散策するのも楽しいものですね!

                 

 

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