ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2021.12.22 採血後、腫瘍内科診察、エンハーツ23クール目 さらに6割に減量19回目無事終了 冬至でドッキリ

2021-12-22 20:37:19 | 治療日記
 昨日はほぼ定時に退勤し、一度帰宅。諸々片付けてから夫と駅前のファミレスで合流し、夕食を摂ってから病院最寄り駅に向かった。
 日中は暖かかったのでショート丈のダウンで十分だったけれど、夜から今日にかけて冷え込むという予報を信じて、買ったばかりのロングのダウンコートで出かけた。正解だった。

 風が冷たい。コンビニで明日の朝食を調達してホテルにチェックイン。今月も岩盤浴温泉付きのホテル。最低限荷物を片付けて、母にDuo通話をかけるも全く出ないので、諦めて地下の女性専用岩盤浴へ向かう。私が入った時にはお一人だけ。その後お一人入ってきたくらい広々伸び伸び。仰向け、うつ伏せを2.5セット繰り返して温泉に降りた。ここでも2,3名がいらした。それでもサウナもジャグジーも大風呂も、ほぼ貸し切りで楽しむことが出来た。
 たっぷり汗をかいて部屋に戻り、水分補給を済ませ、早々にベッドに入った。
 
 そのまま、夜中に一度も目が覚めずにスマホのアラームが鳴るまで熟睡した。7時間半眠れたことになる。すっきり。やはり私は夫と違ってショートスリーパーではない。もう少しちゃんと普段の睡眠時間を確保すべきだな、と思う。
 浴槽足湯を済ませ、身支度を整えてニュースを視ながら部屋でサンドイッチとヨーグルト、ジュース、紅茶の朝食を摂る。
 母にDuo通話。昨日は早々と入浴していたらしく、出られなかったようだ。まあ無事なら良かった。その後、朝ドラを視てチェックアウト。手提げを預け、最低限の手提げだけまとめて身軽に出かけた。

 外は雲一つない青空だ。冷え込みはそれほどではないが、北風が強いので体感温度を奪われる。
 病院に到着すると、受付のIDカード機械が長い列だった。受付表には60歳6か月とプリントされている。つい先日、祝還暦!、としたのにもう折り返し。早いものである。60歳と言う呼び名に慣れた頃には61歳になるのだろう。
 採血受付へ移動して、ピンク色の受付番号表を取る。年末で混んでいるかと覚悟したが、椅子の埋まり具合はそれほどではない。電子掲示板を見ると、20人までは待っていないが、待ち時間は11分と出ている。
 エコバッグにコートを収納し、環境整備をしているとほぼ時間通りに番号を呼ばれた。
 今日は何度かお見かけした看護師さんだけれど名札をされていなかったのでお名前はわからなかった。
 今月も5本。とても丁寧な所作。刺す時はちょっぴりチクリとしたけれど、抜く時も大丈夫だった。お礼を言って席を立つ。

 止血をしながら向かいの腫瘍内科へ移動する。待合い椅子は空いている。ほぼ定位置を確保してから受付に並ぶ。先週もCT検査で保険証のチェックも終えている。いつものように問診票の追加を頂く。今回も息切れ以外全て「ない」に〇をして、息切れ「ある」の前に“たまに”を追加した。
  
 今日のお供は朝井リョウさんの「どうしても生きてる」(幻冬舎文庫)。
 帯には映画監督の是枝裕和さんが「確かにあの時私たちはこんな絶望と幸せの手前で生きていた。」とある。裏表紙には「鬱屈を抱え生き抜く人々の姿を活写した、心が疼く全6編」と。
 まあ、朝井さんだから面白くないわけがないと手に取ったが、冒頭「健やかな論理」から惹き込まれる。そういえば、私も日々事務引き継ぎ書を更新している。
 解説は万城目学さんが。最後の一文は「虚」の作家から「虚」を織り込みながら「実」を底へ、さらに底へと深く掘り続ける作家に対しての心からのエールだった。それにしても、朝井さんが僅か30歳そこそこで中年男性や女性のことまで、ここまでリアルに書き分けるのには唸るばかりである。もう自分の黒い部分がギリギリと突かれる感じ。なのに頁を繰る手が止められない。

 採血から1時間経ったところで、血圧測定。107-65、脈拍が92。5分ほどして ”中待合いへどうぞ”に番号が出た。そこから15分ほど待って、先生がドアを開けて「おはようございます」とお顔を出された。病院チェックインから先生にお目にかかるまで1時間半ちょっと。とても順調だ。

 「よろしくお願いいたします。」と挨拶して、荷物を籠に入れ、自分の体調管理ノートやエンハーツダイアリー等を出して席に着いた。
 「さて、まずは。」と体温計を渡され、脇に挟む。「また同じ感じでしたかね。」と訊かれ、「はい。今回は復調してきたかな、という木曜日の夜から夫の風邪をもらいました。咳と痰が酷く、熱は7度4分ほどでしたが、金曜日以降悪化し、月曜日に近隣のクリニックに行ったもののCTを撮らないと薬が処方出来ないという感じでした。良くならないので水曜日に夫と2人で別のクリニックに出向き、採血レントゲンPCR検査もしました。そこで炎症反応が高いと言われ、抗生剤や解熱剤等を頂き、1週間飲みました。久しぶりに咳で眠れない状態で、まいりました。」と状況報告。
 「ただ、咳は敢えて止めず、コデインも休むようにとのことだったのですが、怪我の功名でコデインは頓服で大丈夫かな、という感触を得ました。そして便秘なくお腹が快調です。」とお答えする。

 「採血の結果、マーカーはうーん、ちょっと上がりましたが、正常範囲内なので、何とも言えないですね。」とのこと。
 コレステロールはまたHがついているようだったので、ちょっとがっくり。
 白血球は4,700、好中球は2,000弱あった。診察室での検温は6度8分。
 そして先週撮影したCTの結果がPC画像に出ている。輪切りの状況を見せて頂くが、どうも少し斜めにずれて撮れているようだという。概ね状態は変わらず、大きな問題点はないという。

 大きなモノ3か所のうち右のポート周りは概ね変わらず、左も変わらぬように見えるし、右下のものもあまり変わらぬようだとのこと。「では、効いていると?」と問うと「いいですね~」とニヤリとされる。
 良かった。治療続行である。ひとまず4か月後まではよほど自覚症状なりなんなりの変化がない限りCT撮影はないから、年度内現役でいるうちには4週間毎のエンハーツが続けられるということだ。
 
 所見は「前回CT8月25日と比較。左乳房切除術後、局所再発は認めない。両肺散在する不整形結節、腫瘤は著変なし。左上葉の石灰化を伴う結節も変化なし。腋窩、縦郭、肺門リンパ節の有意な腫大は認めない。肝S7の小低吸収域は変化なし。腹部リンパ節の有意な腫大は認めない。腹水なし。右鎖骨、胸骨の硬化性変化は著変なし。」すなわち両肺の多発結節も骨転移も著変なし、という結果だった。
 よし、これで心配事はひとまず消えた。クリスマス、年末までは不調を我慢だけれど、年明けには復活出来る。

 4週間分の薬が処方される。コデインはこれまでの半分の処方に、マグネシウムは今回不要にして頂いた。
 次回は年明け4週間後。年度内はあと3回。3月までの化学療法室の予約を入れて頂いた。今年の通院は20回で済んだ。

 「今年も大変お世話になりました。良いお年を、来年もどうぞよろしくお願いいたします。」とお礼を言って、診察室を出、化学療法室へ移動する。お一人待っている。

 それほど混雑していない模様。受付番号を取り、待合い椅子に座って夫やお友達にライン連絡をしようと思ったら、座って5分でMさんがイメンドを持ってきてくださって、その場で飲む。ほどなくして看護助手さんから窓側の一番奥のお気に入りリクライニングシートに案内された。ついている。
 
 環境整備をしてお手洗いを済ませ読書を再開すると、先週と同じ薬剤師Sさんがフォローに見えた。コレステロール値はそれほど変わらなかったけれど、中性脂肪がうんと落ちていましたね、と言われる。なるほど、見ると3分の2以下に減っていた。赤いヨーグルトや青いヨーグルトを無脂肪、低脂肪に替えたことを報告すると、「それが良かったということですね!」と言われる。よし。
 門前薬局からのフォロー電話もあったとのこと。

 椅子に座ってから40分ほど待って針刺しはKrさん。とても久しぶりな感じ。さすがに上手。全く痛まない。今日はついている。
 針刺しの10分後に久しぶりにOkさんが薬を持っていらして点滴スタート。私が地毛だということを確認されて、驚かれる。「夏からかつら外していますよ~」と言うと、「同じ薬を使っているのに不思議ね~」とのこと。

 なるほど、そうだ。説明がつかないといえばつかない。私の毛根、4回の脱毛にもめげず頑張っている。「良いシャンプーを使っているし、頭皮マッサージもしていますけれどね」と言うと、「さすがに〇〇さんは、転んでもただでは起きないわね」と言われる。あら、そうかしら。
 いつものようにアロキシ・デキサートミックスからスタートし、ブドウ糖、エンハーツ、ブドウ糖、生食である。順調だ。

 いつもは吐き気止めイメンドが効いてくる頃には眠くてたまらなく、本を読みながら我慢出来ずに眠ってしまうのだけれど、今日は本が面白いのと睡眠が足りているので、眠くならない。
 OkさんがSpO2測定にみえた。95%までしか上がらなかったけれど、まあ問題なさそうだ。お手洗いを済ませ、「良いお年を」とお礼を言って化学療法室を出た。

 たまたま、ベッドで点滴中の患者さんに、認定看護師のKrさんが緩和ケア病棟の話をされていたのを耳に挟んだ。こういう説明の仕方をされるのだな、とちょっと聞き入ってしまった。
 「緩和ケア病棟といわれると(余命が)年単位は無理なのかと思う方もいるが、スタスタ元気に歩いている方に紹介することもある。年明け、体調の良い時に予約を入れて頂いて一度緩和ケアの先生と面通しをしておく方がよい。入院は順番待ちになるので、一度も診ていないと、急激に具合が悪くなった時に間に合わないこともあるので・・・」だそうだ。

 こうした厳しいことを言わなければならない化学療法室の認定看護師さんは大変なことだ。もちろんとても他人事ではないのだけれど。
 私も、こうしてスタスタ歩けているうちに先生か看護師さんに一度相談してみようかしら。病院が遠いので、いざ本当に具合が悪い時にはタクシーで移動するのすらとても厳しいのも経験済み。病院最寄り駅のホテルにずっと滞在するのも難しいから、部屋を借りようかしら、などと考えてみたりもしている。

 腫瘍内科で受付表を出し、処方箋のデータをFAXで薬局に送る。今日もラッキーなことに並んでいなかった。
 待合い椅子で暫し本を読みつつ10分ほど待ってから自動支払機でお支払い。カードで11万円強。

 外に出ると、陽射はあるが、北風が強い。薬局へ移動するとそこそこの混み具合。FAXは無事に届いていたけれど、やはり後の番号の方たちに抜かされて最後になった。
 30分ちょっとの待ち時間で済んで、初めましての若い男性薬剤師さんから薬を頂く。次回も電話でフォローをしてくれるとのこと。年明けになるので、大分元気になっているだろうけれど。
 
 今日の病院と薬局の滞在時間は合計で5時間半強。

 ホテルに戻り、荷物をピックアップしてから駅へ向かう。朝食をしっかり頂いたし、お腹が空いていないのでそのまま駅へ。快速電車で席を確保し、読書の続き。乗換駅まで戻って紅茶専門店へ。今日は待たずに広い4人掛けの奥のテーブル席に通してもらえた。クリスマスツリーやリースが白壁にとても映える。思わず写真を撮って夫に送る。ゆっくり食事を摂り、自宅最寄り駅まで。

 ここでびっくり。今月のギガ使用料をチェックしたらいきなり今朝までの倍になっている。一日で3週間分を使った計算になる。何かの間違いでは?と焦る。
 
 帰宅後は生協のお届け品を取り込み、収納する。
 そして携帯のインフォメーションセンターに電話。なかなか繋がらない。近隣のショップの直通を教えてもらってようやく電話が繋がった。実際には機器を見ても原因は特定できないかもしれないとのこと。自分でもそんな状況なら驚くと思うと言われたけれど、アプリの不具合なのか外でWi-Fiを繋いだ時に更新がかかってギガを沢山消費したか、わからないようだ。うーん、とりあえず様子見しかないか。とほほ。

 今日頂いた薬やら何やらの片付けをしているうちに、一昨日百貨店で支払いを済ませた靴の入荷連絡があり、ピックアップした後、無事ライナーに乗って定刻通りに夫が帰宅した。
 夫が生協で届いたお寿司やお蕎麦の夕食を摂っている間、私はナウゼリンを飲んでからスープだけでも飲むつもりだ。夫がお見舞いでシャインマスカットと立派なグレープフルーツを買ってきてくれた。
 お昼が遅かった(いつもどおりお夕)し、お腹は既にモタモタし始めて、顔が浮腫んでいる。とにかく記録だけは残しておかなくては、とこのブログを書いている。

 冬至。夫が柚子を頂いてきたので、ちょっと贅沢に入れて入浴でリラックスしよう。

 明日は通常出勤だ。年末年始恒例の学位論文提出の予約も入っている。これから第4四半期に向けて、色々なイベントが目白押しである。数えたら一体あと何日出勤になるのだろう。ちょっと怖くて・・・。
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