ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.6.1 圧力鍋デビュー

2010-06-01 19:59:20 | 日記
 病気休職中のこと。外には出られず、時間だけはたっぷりあったので、調子がいい時、本も読み飽きた後は、新聞なりチラシなりを熟読していた。

 勤めているとどうしても夕食の支度は早さが勝負!の料理ばかりで、当然のことながら情けないほどレパートリーが少なく、気がつくとワンパターンになってしまうので、現状打破するための新兵器はないかと、ずっと気になっていた。
 圧力鍋がとても進化しており、便利で時間がない共働きの強い味方になるという話は聞いていたけれど、圧力鍋というと、大昔に実家の母が購入した頃のイメージが強くて、随分使い勝手が悪そうで、重いし、怖そうだし、決して安くないし・・・ということでずっと手を出さずに来た。

 それでも休みの間にいろいろな調理器具を見比べつつ、休職が明ける間際に“圧力鍋を含むお勧め3点セット”を思い切って購入した。決して料理好きでもない私にとって安い買い物ではなかったので、夫や息子には「本当に大丈夫、ちゃんと使えるの?」と言われた。

 注文から1ヶ月近く経って配達(受注生産だったらしい)されてみると、思ったより大荷物でびっくり。キッチンにしまうスペースを確保するのにも大掃除が必要だったほど。
 しかし、実際持ってみるとやはりかなり重くて、ホルモン剤内服の副作用で関節がこわばり、ペットボトルのふたを開けるのにも一苦労するほど握力がかなり落ちており、加えて抗がん剤の副作用で痺れが残っていたので、熱い鍋を持って手が滑ってはそれこそ危ないから、すぐには使えない、と様子を見ていた。

 その後、復職してからは日々の生活に追われ、それに加えて休日は合唱に行ったり、患者会の集いなどに参加したり。購入時に圧力鍋を買った会社のメルマガ登録をしていたので、頻繁にレシピ集などが送られてきて、それなりのプレッシャーは感じながら、決して忘れていたわけではなかったけれど、(やっぱり土日ずっと家にいる時じゃないと・・・)と先延ばしし、恥ずかしながらはや1年近く。
 「案の定お蔵入りになったから、もう使わないのかと思った。」と揶揄されていたのだが、ようやく汚名返上。取扱説明書を読みつつ、遅ればせながら挑戦した。

 案ずるより生むが易し、のたとえどおり思ったよりずっと簡単で、レシピを参考にしつつありあわせで作ったものでも出来栄えはまずまず。これまで何時間も煮込んでいたのが嘘のように、あっという間にお肉も野菜も柔らかくなる。圧力がかかってから後は殆ど余熱調理だから、ガス代の節約にはなるだろうと思う。
 購入後、何人かの知人に「今度(圧力鍋を)買ったのだけれど・・・」とお話した記憶があるが、既に使っている方によれば、やはり同じ内容の回答が返ってきていた。
 野菜は本来の味がじんわりと染み渡る感じ。ほんのり甘さまで感じる。そして煮崩れないのに中までしっかり火が通っていて。
 去年の今頃は抗がん剤の副作用で依然として味覚異常もあり、こんな繊細な味はわからなかったなあ、と思うと、またひとつ小さな幸せが増えた。今後は夜毎に活躍しそうである。

 圧力鍋でハイテンションで料理をする私を横目に、夫(使用後の圧力鍋を洗うのは、新しく加わった彼の仕事である。)は「はまったんだ。」と言ったけれど、本音は・・・と言えば、重くていちいちレンジの下に入れたり出したりがしんどい。棚の奥深くにきちんとしまってしまったらまた出さなくなりそう、というただの怠け者なのだけれど。

コメント
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