ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.8.14 道のりは遠い

2019-08-14 20:52:23 | かつら

 朗報としてこのブログでも紹介させて頂いた脱毛抑制機器の後日談の記事を、愛読している朝日新聞の医療サイト、アピタルで見つけた。以下、転載させて頂く。

※   ※   ※(転載開始)

抗がん剤の脱毛抑える機器、保険適用なく 利用は自費で(田村建二 2019年8月13日10時00分)

 抗がん剤治療に伴う脱毛を抑えるのを目的に、今春に承認された医療機器の使用に関して、メーカーが求めていた公的医療保険の適用は認められないことになった。患者は専用のキャップ(定価9万円)を自費で買うなどして使うことになりそうだ。機器は9月以降、脱毛の抑制に熱心に取り組む医療機関に順次納入される予定という。
 この機器は「パックスマン・スカルプ・クーリング・システム」。英国のメーカーからセンチュリーメディカル社(本社・東京都)が輸入し、販売する。
 機器は、患者が複数回の抗がん剤治療を受けるごとに、その開始前から終了後にかけて、頭部につけた専用キャップに零下4度ほどの冷却液を流す。頭皮を冷やして血管を縮め、毛包(もうほう)という場所に届く抗がん剤の量を減らすことで脱毛を抑える。乳がんなどの固形がんが対象になる。
 同社が厚生労働省に保険適用を求めていた。認められなかった理由は公表されていない。保険適用の抗がん剤治療などを並行して受けても問題はないという。
 患者はキャップ代のほか、頭皮の冷却を受けるごとに機器の使用料などを支払うことになりそうだ。金額はそれぞれの施設が決めるが、一連の処置に伴う患者の負担額はキャップ代も含めて10万円以上になることが多いと予想される。
 乳がん患者を対象にした国内の治験では、このシステムを使った30人のうち、脱毛の程度が半分未満に抑えられて「ウィッグの必要なし」と判定された人が8人(26.7%)いた。
 より高い効果につなげるため、同社は治験のあと、日本人の頭部の形に合わせて密着度をより高めたキャップを新たに開発したとしている。米国での研究では、ほぼ半数の患者が同様の判定を受けている。(田村建二)

(転載終了)※   ※   ※

 両面にわたって残念なことである。
 1つは公的保険適応にならなかったこと。試したい人が自費ならどうぞご自由に、熱心な機関だけどうぞ納品を、というスタンスである。
 そしてもうひとつは効果面。装着した結果、ウイッグ必要なしと判断されたのは30人中8人に留まったという厳然たる事実である。

 抗がん剤による脱毛というダメージから脱却するには、まだまだ道は遠いのだ、と思い知らされる。
 現在、人生3回目の脱毛を経験し、かつら生活を送っている身としては、正直なんだかなあである。

 ショートヘアにして久しい私だが、今の調子で(抗がん剤治療をお休み出来て)順調に髪の毛が伸びても、どう楽観的に見積もっても1年後、最短でも来年の夏かつら卒業が出来るかどうか、といったところ。
 夏も涼しい、という新製品のかつらを被って2ヶ月ほどが経つ。なるほど10年前のかつらよりも断然被り心地は良い。

 けれど、猛暑の日々、暑くないかと問われれば決してそうは言えない。軽いし、締め付けられ感も、それによる頭痛も断然楽になったけれど、やはりきちんと汗をかいて冷してくれる地毛に勝る涼しさはない。家では素頭でいられるけれど、外出するには程遠い。雛鳥状坊主頭だ。

 今でも帰宅すれば、真っ先に頭を取りたい、という気分になるのは変わらない。
 そして10万円以上の負担額となれば、それなりに良質なかつらを準備できる価格だ。これで100%かつらは要りません、というならまだしも、それだけ支出してもかつらが不要にならない人が4分の3。これではダブルの出費。泣きっ面に蜂ではないか。

 かつてに比べ、アピアランスケアに脚光が当たってはきてはいるけれど、やはりまだ命が助かるなら、脱毛は我慢してね、という域を出ていないのだと感じる。
 そして、技術的にもまだ米国には追いついていないということか。まあ、ほぼ半数はかつらが不要ですと言われたところで、確率論的には自分に置き換えればオールオアナッシング。かつらが要るか要らないか、どちらか2つに1つである。頭半分だけかつらということはありえない。結果が五分五分ではあまりにリスキーである。

 願わくばこの装置が一日も早く保険適応になって、どこの病院にも設置されて試したい人は試すことが出来て、かつ試した人には間違いなく効果が出てかつら不要にならんことを。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2019.6.7 ハラヴェン5クール2回目翌々日のこととかつらリニューアル!

2019-06-07 20:49:08 | かつら

 昨夕は帰宅後洗濯物の片づけを終え、夫が帰宅するまで横になる。朝も昼も普段の半分程度しか食べられていないので、空腹で胃が痛むほど。なのに気持ち悪さが勝って生唾が止まらない。
 夫の酸辣湯麺はどんどん本格的にグレードアップしている。少し少なめにしてもらい、ドンペリドンの助けを借りて完食することが出来た。お見事。
 食後は後片付けをしてからリビングでまったりとビデオを観たが、2人とも眠くて、途中何度となく記憶が途切れた。

 火照りもあるし気持ち悪い。お腹がぐるんぐるんしてどちらを向いても吐き気はある。お風呂でゆっくり温まって、ひとつだけPC上で用事を済ませて、ワイパックスを飲み、ベッドに入った。気持ち悪さの中、ベッドで延々とのた打ち回らないで眠りにつけるのが精神衛生上とても良い。

 6時間近く連続して眠って目が覚めた。お腹の痛みはなく下痢する兆しもない。
 ルーティンの瞑想ヨーガを終えてから、今日も夕食用のサラダだけ準備した。夜は「食欲がなくてもこれなら召し上がれるのでは」と頂いた伊勢うどんを頂くつもりだ。青ネギタップリに卵を落として、がお薦めだそう。夫はこれだけではさすがに物足りないだろうし、カロリー不足だから何か肉を足さなければ。
 漢方2種を飲んでから、朝食。昨日お持ち返りにしたデニッシュひとつとブドウ、アメリカンチェリー、ゴールデンキウイを少しずつ、バナナスムージーとロゼロワイヤルの紅茶。味覚異常はそれなりにあるけれど、香りは楽しめる。
 今朝もイメンド80mg、デカドロン4錠、タケプロン、ビタノイリン、ロキソニンを飲んで出勤。出勤前に少しだけ固めの便を排出出来た。少しずつでも腸が動いてくれると気持ち悪さが改善されるので有り難い。

 今日はお天気が崩れるという。いよいよ梅雨のスタートだろうと大きな傘を持ってウエストストレスフリーのサロペットを着て、出勤。それでも気持ち悪い。昨日の帰り道、大学の植え込みに様々な紫陽花が咲き始めていたのに気付いた。この花は陽射しタップリの快晴よりも雨の日の方が一段と美しい。

 何か集中していると気が紛れてその時は気持ち悪さを忘れるけれど、ふとするとやはりお腹ぐるんぐるん、ハンカチで口元を抑える。
 今日は夕方まで無事働けるだろうか、と自問しながら過ごす。気圧や気温の変化で職場でも体調を崩している人がそれなりで、空席が目立つ金曜日だ。
 かくいう私は治療2日後の金曜日の後半から土曜日終日までが辛さのピークだ。そして回を重ねて薬が溜まってきているせいか、復活までに時間がかかって日曜日まで食い込み出しているのも事実。
 昼には外は土砂降りの雨になった。関東地方も平年より1日遅れの梅雨入りだそうだ。午後早退できたら、と思ったけれどあいにく飛び込みの案件が入ってしまったので、それを片づけて2時間だけ早退。お昼はドンペリドンを飲んでピクルス多めのサンドイッチを何とか頂いた。
 明日はたぶん篭城蟄居、明後日はリハビリしつつゆっくり過ごして来週の休薬週に向けて体調を整えたい。たまたまラッキーにも誕生日は休薬週、楽しみなことが待っている。人参がぶら下がっていると回復が早いかも。

 さて、もうひとつの話題である。
 今回人生3度目の脱毛中。
 現在職場につけていっているかつらは、7年前EC治療をした時、百貨店でスペアを含めて2つ購入したショートのものだ。

 生まれて初めてかつらを購入したのは、11年前にタキソテール治療を始めることが決まった時。かつら専門のいわゆる大手のサロンで、当時のヘアスタイルに合わせミディアムボブのものを購入した。これは高価だった。本体20数万円也だったと記憶している。がん患者回復支援サービスで2割引き適応だったけれど、あれこれ薦められるがまま附属品やらケア用品を一式揃えたら、値引き分は全てふっ飛んだと記憶している。患者というのは本当に金食い虫だと思い知らされた。

 そのサロンは自宅から近いバス停から揺られること30分、ドアツードアで45分ほどで通えて、大きさの調整はずっと無料。ただしかつらのシャンプー・カット・トリートメント等は普通の美容院で自毛にかける代金と同じくらいのお値段だった。けれど、その場で雑誌を読みながら待っていれば、すぐに綺麗にして返してもらえたので、スペア要らずで便利だった。
 ところがそのサロンが閉店になり、4つ離れた別のJRの駅近くにある別支店に統合されて、そこが一番最寄りになった。これでは、私鉄、JRを2回乗り換えて正味でも1時間近くかかる。その連絡が来てから、すっかり足が遠のいてしまった。まあ、シャンプー・トリートメントは自宅でも出来るけれど、たまにプロにやってもらうと仕上がりもセットの仕上がりも全然違うので、ちょっと残念に思っていた。

 百貨店にある、今使っているかつらのお店は、残念ながらシャンプー・トリートメントをその場では対応してくれない。3週間もお預かりなのである。3週間禿げ頭もしくは帽子を被って職場に行くわけにいかない。そのため、仕方なくスペアとして同じ物を2つ買った。ミディアムボブより大分安価ではあったけれど、それでも2つで10万を超えるお買い物である。なかなか不便を感じざるを得ない。

 さて、かつら生活で何が辛いって、とにかく夏の暑さである。これからのことを考えるととてもブルーだ。夏は帰宅すると、手を洗って口をゆすいで・・・よりもまず、玄関に入った途端「アタマを取りたい!」と思うのだ。ネットを被ってさらに毛の生えた帽子を被っているのだから、蒸れて暑いことこの上ない。自毛は発汗調節してくれるけれど、かつらはそんなことはない。緩ければズレるから、それなりにフィットさせるわけだが、すると頭を締め付けられるようで、調整がうまくいっていないと頭痛になる。

 というわけで、ここは暑さ対策も念頭に、最初に買ったかつらを復活させ、使える数を増やしたいなと考えた。しかし、ショートで通っている職場でいきなりミディアムボブを復活させるわけにいかないし(まあ、かつらなんですよ、というカミングアウトをするというのもひとつの選択肢ではあるけれど)、JRを乗り継いで行かなければならないサロンを予約して、ショートにカットしてもらうのが前提条件。けれど、このところの体調不良のため、すっかり頓挫している。

 そんな折、たまたま病院の化学療法室で医療用ウィッグのパンフレットを見つけた。夏向きの軽くて涼しいものや、耐熱でそのままお風呂にも入れますという進化したものがあるようだ。近くにあればいいけれど、と見ると通院時の乗換駅前のショッピングセンターにあった!もう一つのサロンは病院から2駅戻ったショッピングセンターに!
 ひとまず通院帰りでまだ体調が悪化する前に予約を入れ、OKが出たかつらサロンを訪れた。

 それにしてもここにこんなお店があったとは、と行ってみてびっくりした。このショッピングセンターには何度か入ったことがあるが、かつらサロンには全く気が付かなかった。普段どれだけボーっと生きていることか。それこそチコちゃんに叱られそうだ。訊けばお店は随分長い年月このショッピングセンターにあり、フロアで今のスペースに移動してから3年になるとのことだった。

 サロンを訪れて個室に入り、パンフレットを見ながら気を惹かれたものを幾つか出して頂いた。
 かつらを取ると、「治療が終わって生えてきたところですか。」と訊かれた。そう、オラウータンの赤ん坊の頭のようだ、といつか書いたけれど、落ち武者のようにザンバラで髪の毛が残っているので、そう言われればそういえないこともない。「いえ、今回3回目の脱毛で、2回はツルツルの丸坊主になったのですが、今回の薬はこういう抜け方をして・・・まだバリバリの治療中です。」とお話しする。

 回復支援割引サービスは、普通は1年間無料のメンテナンスだ。まあ初発で期間限定の脱毛ならそれで大体カバーできるわけだが、私は再発患者だから「死ぬまで治療が続くのですが、それでもずっと調整やメンテナンスはして頂けるのですか。」と訊くと、「もちろんです!」との有難い返事があった。家から2駅なら体調が悪い時もタクシーで通うことだって可能。もうここで買おう!と気持ちを決めた。

 さすがに前々回から10年経過、前回からも7年経過しているから、かつら業界も進化している。必要とする患者さんも増えているのだろう。吸熱性を持つクーリング効果のある素材で、蒸れ、暑さが解消されるという商品があったので、迷わずこれをチョイス。10年前はこんなのなかったなあ、としみじみ。
 最新の商品だというなんと20gしかない超軽量のショートのものと、60gほどあるボブのもの2種類を購入した。超軽量のものはサイズがかなり小さめで、被りたくても被れなくて諦める方が結構多いという。

 サイズ小さめということは、私は頭の中身が詰まっていないのね、、とちょっとトホホな気分になるが、これもご縁。「被れるのはラッキーですよ。」と言われる。かつらの下に被るキャップは最初SSを被らせて頂いたが、「まだ緩いので、ちょっとこのあたりにダーツを入れて詰めなければなりませんね。」と。うーん、そうなんだ、と思っていると、「試しにジュニアサイズのLを被せてみていいですか。」と訊かれ、被ったらこれでピッタリだった。そんなに頭が小さいとは知らなかった・・・。ケモブレインで頭の中が縮小しているのではないか。

 今のかつらが殆ど自然の黒色だし、またかつらを外せるほど長く髪が伸びたとしても、敏感肌になった皮膚にも良くないし、あえて髪の毛を明るく染めることはないだろう。だから「いきなり明るい色はちょっと抵抗があるのです。」と言うと、「瞳が茶色だし肌が白いので黒より明るい色の方が軽い感じでお似合い、お薦めです。」と言われる。超軽量の方は少し明るめの栗色で、初回調整で毛量増量も出来るというので、少しだけ自然の色の毛を組み込んで頂くことにした。そんなことが出来るのも驚き。「さすがに今日のお渡しは厳しいですが、明日以降なら」ということだったが、全くノープロブレム。実にハンドメイドな作業を施して頂けるのである。

 もう一つのボブスタイルはとても好みでいい感じ。サイドからフロントにかけての部分が少し長いので、こちらをフェイスラインに自然につながるよういカットしてもらい、大きさを少し詰めて頂くことにした。
 こちらは耐熱ウィッグなので、お風呂やサウナにもつけたまま入れますとのこと。これは凄い。今まで使っていた人毛ミックスのかつらは、冷水でシャンプー・コンディショナーするしかなかったので、冬の寒い時期、体調が悪いと、手から身体が冷えてしまい、結構辛かった。これもぬるま湯まではOKということで解消。

 メディカルサポートの期間限定キャンペーンで2割OFFと治療中の調整は何度でも無料という特典も頂戴し、とても満足。丁寧に調節してくださる担当のNさんともすっかり仲良くなった。
 体調が落ち着いたら受取に行こう。いつ新しい夏スタイルデビューするか今から楽しみなことである。少しでもご機嫌な夏を過ごせますように。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2019.3.22 5年半ぶりかつら生活スタート 片付けに精を出し、無事帰京

2019-03-22 22:44:07 | かつら

 昨夜は記事をアップした後、疲れてお夕寝をしていた夫を起こして夕食に出かけた。今度は私が疲れて人混みのレストラン街まで出向く元気がなく、ホテル近くの定食屋さんで簡単な夕食。コンビニでデザートを買って早々にホテルに戻った。

 一日中頭が痒く、触りたいけれど触ったらどんどん脱毛しそう・・・。手櫛すら耐えてようやく迎えた入浴タイム。シャンプーをすると、もう流しても流しても手で梳くたびにキリがなく抜ける、抜ける。またしても、排水溝が詰まるほど真っ黒のヘアピースが出来た。全くつるつるになるまで、何個分のヘアピースが出来るだろう。ホテルのバスルームだから洗い場もないし、お湯に浸かりながら終始髪の毛がまとわりついてきて気分が落ちる。次に入る夫のために浴槽をシャワーで洗い流しながら、張り付いた細かい毛を取るのだが、いくら取ってもなかなか取り切れず、ずっと下を向いていたら気分が悪くなった。
 ヨレヨレに疲れて首や背中に張り付いた髪の毛を取ってパジャマになった。TVのニュースではまもなくイチロー選手の引退記者会見です、とのこと。ざわついていた。とても見る元気がなく、そのまま就寝。

 2時間半ほど眠っただろうか。腹痛のためお手洗いに起きる。その後は夫の鼾で2時間半ほど眠れず。頭は痒いし、ちょっと触るたびに髪の毛がついてくるし・・・。ベッドで寝がえりを打ち続けて早朝ようやく2時間ほどトロリとしただろうか。昨日に続き、寝不足である。
 朝起きると、ホテルの白い枕やシーツの上、そこかしこに黒い毛玉が。はあ・・・。脱毛時に必携のコロコロクリーナーを持って来ればよかったと思うが、ないものは仕方ない。夫が掃除を手伝ってくれる。かたじけない。

 朝の連続テレビ小説を視てから、5年半ぶりにかつらを装着して、朝食レストランへ。鏡で確認すると、前髪の脱毛が一番進んでいる。生え際がかなり後退しておでこが丸見え。頭頂部も地肌が大分透けて見えている。サイドとバックはまだ十分髪の毛があるが、さすがにこの前髪で人前に出るわけにはいかない。かつらのサイズは丸坊主に合わせて調整しているので、まだ髪の毛が大分残っている状態でネット帽子をかぶってその上にかつらをかぶると、正直きつい。頭を締め付けられるようだ。
 頭が痛くなりませんように、と願う。頭に鬱陶しい感じで載せている・・・という、忘れていたこの違和感に朝から気分が凹む。

 和食セット・洋食セットを夫と1つずつ頂く。レストランはJRの線路に沿っているので、色々な車両が通過するのをゲストのちびっこたちが嬉しそうに見ている。息子の小さかった頃を思い出す。

 今日は、息子が明日開催される合唱全国大会出場のため、昨夜息子の部屋に宿泊した社会人合唱団のお友達とともに福島に向かう。午前中に新幹線で東京へ、再び東北新幹線に乗り継いで目指すとのこと。
 朝食後、お散歩方々外に出る。昨日息子からもらう予定の書類をもらい損ない、今日出発前にホテルに立ち寄って渡してもらうことになっていたので、ちょっと周辺を回ってすぐに戻ってくるつもりだったのだが、結局、大回りして駅構内まで歩いてしまった。2人が駅に到着するのをキャッチアップして、ビールやおつまみなど差し入れてお見送り。

 雨模様ではあったが、もわっと暖かった昨日に比して、今朝はかなり気温が下がっている。スプリングコートを着ないでストールだけ羽織ってちょいと出かけてきたものだから、寒さで知らないうちに肩をいからせていたのか、戻ったら肩がすっかり凝っていた。

 荷物をまとめてチェックアウト。夫と2人、再び息子のマンションの片づけに向かう。引っ越し後の整理も終わらぬうちに2日連続で入れ替わり立ち代わりお友達が宿泊し、部屋はかなり散らかっている筈。今朝になって片付けに行ってあげても良いよ、と申し出たため、さぞかし「あと(のお片付け)はよろしく」状態で出かけてきたのではないか、と推測するに不安は的中。
 
 今日は夕方の新幹線を予約していたが、具体的なプランもなく、私の体調を見みながら前倒しで帰京しようということになっていた。脱毛はかなりのピークを迎えているが、だるさがようやく少しずつ抜けてきている。
 昨日、息子から必要なものやあったらいいものなどリクエストは聞いていた。任せるというので、買い揃えられるものは買い揃えておくことに。

 夫と2人で手分けをしていざ、と取り掛かる。また大洗濯。2人揃って大車輪で片付けると、見違えるほど綺麗になってきた。早くも2時間経過している。
 お昼は近所のお寿司屋さんで握りのランチを頂き、駅ビル内の100均のお世話になる。あれこれ買っても安心のお値段だ。今は100円だけではなく、ちょっといいものも200円、300円と色々。侮れないものばかり。便利な時代になったものである。

 大きな袋を抱え、これからの作業を考えると、やはり2時間は欲しい。ということで帰りの新幹線を1時間遅らせた。一休みするためのお茶とお菓子も買い込んで部屋に戻る。
 買ってきたものをお目当てのポイントに設え、掃除を終え、干した洗濯物の乾いているものを畳み、まだイマイチのものを浴室に取り込み・・・。ビフォーアフターの写真を撮っておきたかったくらいだ。
 息子にはこれはここ、あれはここ、と整備した写真を送っておく。

 また大量に発生したゴミを捨て、自転車置き場も確認して部屋を後にした。滞在時間はお昼を挟んで5時間半。2人で作業時間は4時間×2といったところ。
 ここまでやって次回来た時に酷いことになっていたら、もう知りませんと最後通牒を渡してきた。

 駅に向かい、車内で頂く駅弁を調達して始発の車両に乗り込む。今日は事故もなく定刻通りに発車。夫はビールも買い込み、早くも頂きたい風情だが、さすがにまだ早いとちょっとウトウト。名古屋まで我慢してから2人で頂いた。食後は、このところお腹の調子がイマイチなので我慢していたアイスクリームと珈琲をセットで頂き、少し新書を読んだらもう降車駅。こちらも定刻通り。
 こちらも寒くてあと1枚着てくるのだったと後悔したけれど、途中下車して衣類を調達する元気もなく、JRに乗り換えて家路を急いだ。

 前回より2時間半ほど早い帰宅が叶った。充実した2日間だったと思う。明日明後日がお休みなのが有難い。
 帰宅するや否や、まずはかつらを外してほっと一息。頭が締め付けられていたのでこの解放感と言ったら、ない。ああ、これから当分はこの生活が続くわけである。まあ初日なので特にしんどかったのだけれど、だんだん慣れていくしかないかつら生活、3たび、である。
 

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2019.3.20 3度目の脱毛、始まる

2019-03-20 21:13:35 | かつら

 昨夜も食後、リビングでビデオを見ながらゴロゴロしていた。とにかく帰宅後、なんとか夕食の支度をして、食事を済ませると、それだけでもうぐったり。すぐに横になりたくなる。かといってあまりに早くベッドに入ったところで眠れない。本を読む元気もなく、結局ダラダラと撮り溜めたビデオを見る、というしょうもない時間の使い方をしている。

 ふと髪の毛をかき上げたら、細くてコシのない髪の毛がはらりと抜けた。
 ああ、いよいよだ、と思う。
 シャンプーしたら、普段よりも大分多くの髪の毛が手のひらにまとわりついてきた。すすいでもなかなかすっきりしない。とはいえまだごっそり束で、という感じでもない。数本ずつ申し訳なさそうな感じで。

 今朝こわごわ起きたけれど、枕が抜けた髪の毛で真っ黒、ということはなかった。
 それでも、もう猶予はないな、と慌てて、数年前に封印したあったかつらグッズ(かつら本体、かつらスタンド、ケア帽子、バンダナ、ガーゼ帽子、ネット帽子等など各種)を取り出した。本体やスタンドは陰干しして、洗濯機で洗えるものは全て洗濯をした。帰宅する頃には乾いているだろう、と。

 今から10年以上前、初回、タキソテールによる脱毛は、好中球減少症で緊急入院中だった。ちょっと触るだけでバサバサ抜け出した。緊急入院だったから、かつらを持参して入ったわけでもなく、帰りは確か帽子をかぶってきたのだと思う。
 帰宅してまじまじと鏡を見て、頭を触った途端、いきなり芝生の苗のように塊で前髪が取れた(抜けたというよりぱりっと取れた感じ)のを見た時は、思わず息を呑み、元通りになるわけがないのに、慌ててその塊を頭に戻そうとしたのを覚えている。「ゾンビみたいだね・・・」と夫に言ったら「そんなことを言ったら頑張って治療している人に失礼だよ。」と哀しい顔をされたことを今でもリアルに覚えている。

 その後、3年経たずして2回目、ECによる脱毛の時もやはり好中球減少症で入院中だった。同じようにかなり残酷に抜けたけれど、さすがに初回のときほどのショックはなかった。

 そして3回目が今回。なるべく脱毛する薬を後回しにしてきたので、6年半ぶりになる。
 何回経験しても嫌だなあと思わないわけではないし、テンションが下がらないといえば嘘になる。
 せっかく定期的に通えていたヨガスタジオにもますます足が遠のきそうだし、このまま何年かつら生活を余儀なくされるのだろう、もはや生涯ずっとなのか・・・と思うと、正直、萎える。

 とはいえ、機械的に色々準備をしている自分を客観的に見ながら、淡々としているなあと思う自分もいる。
 ハラヴェンによる脱毛は、タキサンやECよりも酷くはない、100%必発ではなく6割くらいの人が脱毛する、だんだん薄くなってくる感じで落ち武者どまりのことも、と聞いていた。まあ、家にいれば帽子やバンダナ等でごまかせても、さすがに職場に帽子をかぶっていくわけにもいかない。
 折りしも明日は息子の卒業式で関西行き、休暇を頂く。土日を挟んで今度職場に出てくるのは月曜日だから、その間でかつらにチェンジしてしまうのが一番安全かつ自然だろう。

 ということで、明日からまた関西行き。これでようやく親の務めも一段落である。
 もちろん今後はフォローをしないというわけではないけれど、これからは夫と2人の時間、自分だけの時間ももっともっと大切に出来るようになるだろう。

 自然体で心穏やかに乗り切りたいと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2013.10.14 小さな幸せに感謝の日・・・美容院復帰!

2013-10-14 21:23:28 | かつら
 今日は授業開講日で通常通り出勤。私だけこっそり出かけて行って、2人が気付いたらお昼・・・というのもまずいでしょうということで、いつもどおり起こして、朝食と、夕食の下準備を済ませて出勤する。
 体育の日、秋晴れの爽やかないいお天気になった。青空に黄色く色づき始めた木々が美しい。学内を歩けば、踏んだらダメよ、の銀杏の実があちこちで潰れている。そんな匂いもこの季節のご愛嬌か。

 事務室にはほぼ一番乗り。さすがに、窓口のある係が5割出勤、それ以外は3割出勤ということでとても閑散としている。窓口には学生の姿があるけれど、職員同士の電話やメールは当然少ないので仕事が捗るのが有難い。こういう日は書き入れ時、と思いきや、外の工事の騒音が結構酷く、ちょっと面倒な仕事をするには気が散って辟易してしまった。

 息子はオープンとともに美容院にカットの予約。夫が付き添いして2人でたっぷりランチを摂ってきたみたい。本当は2人一緒に予約を入れたかったようだが、今日は夫の担当Hさんがお休みなので、やむなくバラバラになった模様。夫は明日仕事帰りに立ち寄ることになっている。ランチの後、息子は塾へ向かい、夫は帰宅してまた夕食当番を引き受けてくれた。

 かくいう私も勤務を終えて、1年3カ月ぶりに同じ美容院を訪れた。待ちに待った美容院復帰である。もう素直に嬉しい。
 8月、あまりの暑さにかつらサロンで、ライオン丸か河童のごとくトップとサイドがアンバランスに伸び始めた髪の毛を、“とりあえず・・・”の感じで切ってもらって以来だ。その時は当然個室でひっそりと・・・だったから、こうしてごく普通に外から見える(他のお客さんと一緒に)美容院に復帰したのは去年の夏、EC投与が決まって以来のことだ。
 一昨日訪れたマッサージサロンの隣にある系列美容室なので、その時に予約してきたのだが、フロントの女性は見たことのないニューフェイス。まあ1年3カ月も経てばやむなしか。それでも長いこと担当してもらっていたSさんが異動になっていなくて、ほっとする。

 シャンプーの後、新しい香りのアロマエッセンスとオイルでヘッドスパ、首・肩・背中の延長マッサージの後、カット、ブローと一連のコース。ふう・・・と思わず溜息が洩れる。うーん、極楽だ。やっぱり美容院が好きだ、と思う。
 担当のSさん曰く、前回の脱毛時よりもくせが酷くなく、いい感じにウエーブがかかっているのでボリュームも出やすいし、今回で結構完成形に近いので全然心配ない、とのこと。そう、前回タキソテールの脱毛後に生えてきた髪の毛は本当にチリチリで、スタイルらしくなるのに半年がかりだったのだと思い出した。
 まあ、治療はこの後も続くわけだから、このままいつまで通えるか(いつまた脱毛するか)わからない。けれど、とりあえずこうして美容院復帰を果たせて本当に幸せだ。次回3人一緒の予約を入れて、美容院を後にした。

 カエルメールをして、お祝いだからとケーキを買っていたら、夫が駅まで迎えに来てくれた。
 のんびり2人で歩きながら帰宅。さすがにフルタイムで働いて美容院直行は疲れて、また胸痛が出てしまった。けれど、三連休最後の体育の日、朝準備したお赤飯を頂きながら小さな幸せを感じることが出来、感謝の一日だった。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする