世界選手権2025ペアFS

　フィギュアスケート・世界選手権2025、ペア・フリー（ジャッジスコア）。

＜G1＞
アニカ・ホック/ロベルト・クンケル（ドイツ）　SP：55.16(20)　FS：112.56(15)　Total：167.72(18)
　「Out of the Dark」「Jeanny」「Rock Me Amadeus」♪　黒つなぎ、黒タキシード風。今日は本来の力を出した。3ツイストまとめ、サルコウは男性が2回転になったが、2アクセル＋1アクセル＋2アクセル頑張る。スロー3ループ、スロー3フリップがどちらも素晴らしく　キャリーリフト、肩に乗せてから持ち上げて逆立ちから下ろすリフト。デススパイラルからスムーズにペアスピン、コレオでは女性の腕と足を持ってぶん回した

イウリア・チトチェティニナ/ミハル・ウォズニアク（ポーランド）　SP：56.37(19)　FS：116.81(12)　Total：173.18(14)
　「I Love You」♪　赤紫のグラデーション、黒シャツ。3ツイスト問題なく、3トウはややずれたが2人とも着氷。2アクセル＋1アクセル＋1アクセルを揃えた。スローは3フリップこらえ、3サルコウをきれいに下りる。コレオでは逆立ちリフト、そのままデススパイラルに。後半のリフトも安定していた。終わってぎゅっと拳を握る

オクサナ・ヴイラモ/トム・ブヴァール（スイス）　SP：56.57(18)　FS：99.17(19)　Total：155.74(20)
　「ブラッド・ダイヤモンド」♪　黒に赤黄、オレンジに黒で模様。高々と上がった3ツイスト、3トウ見事にシンクロ、2アクセル女性が転倒してシークエンスにできず。スロー3サルコウまとめ、終盤のスロー3ループが特大　いったん離れてから女性が男性に跳びついて始めるペアスピン。最後のリフトが途中で下ろしてしまい、レベルBになった。
　終わって男性が自分の頭をペンペン

ソフィア・ホリチェンコ/アルチョム・ダレンスキー（ウクライナ）　SP：57.20(17)　FS：111.35(17)　Total：168.55(17)
　「Cosmic Love」♪　紺に紫と青。最初の要素がサイドバイサイドジャンプというのは珍しい。3フリップ、女性が転倒。3ツイストは高さが出た。3サルコウ＋1アクセル＋1アクセルはきれいに揃う。男性のイーグルからデススパイラルに入る。スロー3ループが素晴らしく、スロー3サルコウの着氷が音にぴたりと嵌った。膝に乗せてから上げるリフト、ペアスピンでは男性が女性を跨ぐようなポジションと、見せ所たっぷり。
　やりきって、自己ベスト更新

＜G2＞
ミラニア・ヴァーナネン/フィリッポ・クレリチ（フィンランド）　SP：57.82(16)　FS：97.99(20)　Total：155.81(19)
　「Young and Beautiful」「Help」♪　ブルー、黒。3ツイストは悪くなかったが、3サルコウ、スロー3フリップ、スロー3ループと女性が転倒してしまい　3トウ＋1アクセル＋1アクセルはきれいに入った。キャッチフット姿勢のまま入るデススパイラル、終盤のリフトは良かった。

ダリア・ダニロヴァ/ミケル・チバ（オランダ）　SP：58.77(15)　FS：112.04(16)　Total：170.81(15)
　「The Chain」フリートウッド・マック♪　ネイビー。3ツイスト高く、2人がかなり離れたが3サルコウそろって着氷。スロー3ループ、デカい　2アクセル＋2アクセル＋1アクセル、頑張った。コレオでは片足滑走の背中に乗る。
　スロー3フリップは痛そうな転倒になったが、その後のリフトはスピードに乗ってこなしてしっかり拍手をもらっていた。2人の滑走の膝の動きがずっとぴったり合っているのがいい。　

レベッカ・ギラルディ/フィリッポ・アンブロジーニ（イタリア）　SP：60.10(14)　FS：113.98(14)　Total：174.08(13)
　「ドラキュラ」♪　黒に赤のつなぎ、黒の襟もとに白。3ツイストは女性がちょっと男性に触れてしまったか。2アクセル予定が1回転に、3サルコウ予定が2回転になったが1アクセル＋1アクセルは付けた。イーグルの膝上に片足立ちのコレオ、スロー3フリップはややこらえ、スロー3ループはきれいに下りた。リフトを下ろしてそのまま股下をくぐらせたり、背中を回るようにして下ろしたり、工夫がたくさん。
　ここまでのトップに立つ。

アナスタシア・ヴァイパン‐ロー/ルーク・ディグビー（イギリス）　SP：61.01(13)　FS：117.61(11)　Total：178.62(12)
　「Arrival of the Birds」「Carry You」♪　紺。クリーンなキャッチの3ツイスト、3トウは男性がやや乱れ、2アクセルからのシークエンスはセカンドで女性が1回転に。スロー3ループで物凄い高さが出たが、着氷頑張る。肩に乗せてからのリフト、ペアスピンの最後は女性を横抱きにリフト。スロー3サルコウがまた見事で、キャリーと逆回転を入れたリフトにスプリットポジションのリフトとしっかりこなした。
　終わって「まあ、いいんじゃない？」みたいな表情、ここまでのトップに立って感激

＜G3＞
ケリー・アン・ローラン/ルーカス・エティエ（カナダ）　SP：62.30(12)　FS：107.25(18)　Total：169.55(16)
　「Elevation」♪　黒のワンショルダー、黒半そで。3ツイストまとめ、3サルコウで女性が転倒。3ループになんとか1アクセルをつなげた。スロー3ループこらえ、スロー3サルコウは両手をつく。コレオはほどよくムーディーに、デススパイラルでは男性が空いている手で観客を煽る。ペアスピンを終わってポーズを取る前にちょっとぶつかりかけたが大丈夫。

エカテリーナ・ゲイニシュ/ドミトリ・チジレフ（ウズベキスタン）　SP：62.33(11)　FS：120.68(10)　Total：183.01(10)
　「Teatro」♪　黒白赤、白。高く上がった3ツイスト、3トウ＋2アクセル＋2アクセル、3サルコウと男性がややこらえながらまとめる。スローは3ループ転倒、3フリップは素晴らしく　リフトにキャリーと逆回転を入れたり、腰を抱えて一気に持ち上げたり。ペアスピンは女性の足を持ったりI字姿勢を取ったり、わくわくする場面がいっぱい。

リア・ペレイラ/トレント・ミショー（カナダ）　SP：63.28(10)　FS：116.22(13)　Total：179.50(11)
　「Tango Jalousie」「Scent of a Woman」♪　黒。3ツイストまとめ、3トウで男性が単独になったのに女性がアクセルを続けたため＋SEQ扱いに。3サルコウはきれいに揃えた。スロー3ループは片手をついて耐える。女性の腰を抱えて一気に持ち上げるリフトが迫力。重なるイーグルのコレオや足を絡めるペアスピンなど、タンゴらしさが随所に。

アリサ・エフィモヴァ/ミーシャ・ミトロファノフ（アメリカ）　SP：63.70(9)　FS：135.59(4)　Total：199.29(6)
　「Je Suis Malade」♪　水色、紫。3ツイスト高い！　3サルコウ＋2アクセル＋2アクセル、最後はぎりぎりだが頑張る。3トウもぴったり合わせた。スロー3ループ下り、肩に乗せるダンスリフトのコレオ。スピニングムーブメントからそのまま入るデススパイラルは、出で両手を持って振り回す。高く持ち上げてからのスロー3サルコウが凄かった
　ここまでほぼノーミスで会場も興奮、2つのリフトも難なくこなしてフィニッシュ、感激のガッツポーズ　高得点で自己ベスト更新

＜G4＞
アナスタシア・ゴルベヴァ/ヘクター・ジオトプロス・ムーア（オーストラリア）　SP：65.73(8)　FS：122.51(9)　Total：188.24(9)
　「シェルブールの雨傘」♪　水色、グレーのシャツ。3ツイストはキャッチがぎりぎりになったかな。3トウ＋2アクセル＋2アクセル、最後だけちょっとオーバーターン。スロー3サルコウ頑張り、3サルコウ揃えた。後半のスロー3サルコウ転倒が惜しいが、3つのリフトはどれもスムーズ。背中にのせるコレオやラストのハイドロ風の動きなど、いろいろ素敵な振付があった。

ディアナ・ステラト‐デュデク/マキシム・デシャン（カナダ）　SP：67.32(7)　FS：132.44(5)　Total：199.76(5)
　「Siren’s Song」「Mobula Rays」「Lux」「The Blue Planet」♪　ブルー系、紺系。高く上がってから回転する3ツイストでレベル4　3トウが＋SEQになったが、3サルコウは頑張った。スロー3サルコウの雄大さが半端ない。リフトの下ろし方や難しいのにさりげない。キャッチフットのまま入るデススパイラルも見事だった。

マリア・パヴロヴァ/アレクセイ・スヴィアチェンコ（ハンガリー）　SP：67.45(6)　FS：125.84(8)　Total：193.29(8)
　「パイレーツ・オブ・カリビアン」♪　黒から赤、ベージュシャツに赤茶ベスト。3ツイストしっかり、3トウ＋2アクセル＋2アクセルは最後に女性が両手をついた。サルコウは男性が2回転に。スロー3フリップ頑張り、後半スロー3ループは鮮やか。
　キャッチフットでフォアインのデススパイラル、終盤コレオはぐるぐる回転、ペアスピンでは足を絡めて。盛り上がるプログラム。

エリー・カム/ダニー・オシェイ（アメリカ）　SP：68.61(5)　FS：126.77(7)　Total：195.38(7)
　「Stand by Me」♪　ライトブルー、濃いブルー。3ツイストはレベル4獲得。3トウ頑張り、3サルコウ＋2アクセルは3つ目は付けず。スロー3フリップはステップアウト、スロー3ループ転倒。後ろから抱えて始まるペアスピン、デススパイラルの出で両手を持って回転、リフトを下ろす前に首に足を絡めるなど、細かい工夫で惹きつける。ラストは高々と持ち上げてフィニッシュ。

＜G5＞
アナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラヴァ（ジョージア）　SP：71.68(4)　FS：130.53(6)　Total：202.21(4)
　「A Necessary End」♪　黒に紫、白シャツ薄茶ベスト。鮮やかな3ツイストはレベル4、3サルコウ＋2アクセル＋2アクセル、3トウと頑張る。スロー3フリップ、スロー3ループはどちらもフリーレッグをついてしまった。リフトで頭を足よりかなり下にするポジションは、かなり難しいのではないだろうか。ペアスピンのリフトが美しく、手と足を持って振り回すコレオから女性が衣装のベールをかぶってフィニッシュ。

ミネルヴァ・ファビエンネ・ハーセ/ニキータ・ヴォロディン（ドイツ）　SP：73.59(3)　FS：145.49(1)　Total：219.08(2)
　「Four Seasons」♪　薄ピンク、黒系。3ツイストはレベル3だが高いGOE獲得。3トウ＋2アクセル＋2アクセル、3サルコウと隙がない。スロー3ループ完璧、スロー3サルコウも見事。ペアスピンは横向きリフトで出て、最後のリフトは後ろからお腹に手を回して一気に持ち上げる。下ろす前に一瞬危なかったが大丈夫だった。
　ノーミス・・・本人たちも感動で声が出ない感じ。自己ベスト更新　トップに立って表彰台確定。

サラ・コンティ/ニッコロ・マチイ（イタリア）　SP：74.61(2)　FS：135.86(3)　Total：210.47(3)
　「Papa Can You Hear Me?」バーブラ・ストライザンド♪　グレーっぽいブルーのつなぎ、同色。クリーンな3ツイストはレベル4、3トウ＋2アクセル＋2アクセルは最後にオーバーターン、3サルコウはきれいに揃う。スロー3ループが美しい。股下をくぐらせる動きからのリフト、スロー3サルコウは片手をついた。リフトのスプリットポジションは映える。
　リフトから入って逆回転、手足を持って逆さまに振り回すペアスピンが迫力だった。2位につけて表彰台確定。

三浦璃来/木原龍一　　SP：76.57(1)　FS：143.22(2)　Total：219.79(1)
　「Adiós」♪　赤、黒の胸に赤い花。スピードに乗って滑り出し、3ツイストしっかり高さを出す。3トウ＋2アクセル＋2アクセル、頑張った！　スロー3ループは少しフリーレッグが氷に触れたが大丈夫。曲が静かなパートでペアスピン、3サルコウぴたりと揃った。
　いつもながらリフトのスピード感、スロー3フリップでまた少しだけフリーレッグが氷につくが気にしない！　デススパイラルで璃来ちゃんの髪が氷を撫でる。ランジから挙げてキャリーしてランジで下ろすリフトに観客は夢中　バタフライやイリュージョンのコレオからぐいっと引き寄せてフィニッシュ。
　力を使い尽くしてぐったりする龍一くんの頭をポンポンする璃来ちゃん。やりきった。
　祈るように得点を待ち、、、トップに立つには142.52が必要、、、143.22　勝った

　結果、優勝は僅差で逃げ切った三浦/木原、2位ハーセ/ヴォロディン、3位コンティ/マチイ。4位に世界ジュニアチャンピオンのメテルキナ/ベルラヴァ、ステラト‐デュデク/デシャンが順位を上げて5位。エフィモヴァ/ミトロファノフも6位に順位を上げ、カム/オシェイが7位。
　オリンピック出場枠（＋1は最終予選に1組出場させる権利）：
日本１（＋１）/ドイツ２/イタリア２/ジョージア１（＋１）/カナダ２/アメリカ２（＋１）/ハンガリー１（＋１）/オーストラリア１（＋１）/ウズベキスタン１（＋１）/イギリス１/ポーランド１/オランダ１
　来年の世界選手権出場枠は、アメリカが３、日本・ドイツ・イタリア・ジョージア・カナダ・ハンガリー・オーストラリア・ウズベキスタンが２となった。
　明日はアイスダンス・リズムダンスに“うたまさ”吉田唄菜/森田真沙也組が登場する。フリーに進んでほしい