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恋の紫煙(志明與春嬌/Love in a Puff)

2010年10月27日 16時19分27秒 | 映画
 友人から「チケットがあるけどどうですか?」とお誘いをいただき、東京国際映画祭アジアの風・中東パノラマ部門に出品の「恋の紫煙」を見てきた。
 「志明與春嬌Love in a Puff」というタイトルは、主演の楊千嬅(ミリアム・ヨン)が歌った主題歌がヒットしたので記憶していた。なんだか煙草スパスパということだけ覚えてたが^^;
 2007年の禁煙法によって、室内での喫煙が禁止された香港。街角の喫煙所に集まる人たちの中で交流が生まれ、恋も生まれ、、、という話。気になる男にはメールアドレスを教え、友達のパーティーに参加してても退屈するとメールし、、、女子のそんな行動が今風。呼び出されて気楽に出かけていくところが、どこからどこへ行くにも近い香港らしい。煙草ポイ捨てを取り締まる警官に、日本人や韓国人のふりをして誤魔化そうとするあたり、実際ありそう(笑)。暗号のような告白メール「n 55! w !」の解読法は映画を見てのお楽しみ
 楊千[女華]と余文樂のバランスはなんかよかった。二人ともあんまり派手さはないんだけど。
 ところどころに、登場人物に対するインタビューシーンが挿入される。煙草を吸う理由、禁煙法についてどう思うか、恋愛観などの質問に登場人物が答える。この方式は1994年の映画「晩9朝5/Twenty something」でも使われてたのを思い出したが、香港映画ではよく使われるんだろうか
 上映後は監督がゲストで登場。彭浩翔(パン・ホーチョン)監督はすごく面白い人で、監督のファンが大勢いるのだそうだ。しゃべると放送禁止用語を連発(?!)だというので、どんな話になるかと期待
 ストーリーのヒントは、友人が同じ会社でも同じフロアでもないらしい、多くの女性たちと挨拶しているのを見て、どうしてそんなに多くの女性と知り合いなのかと思ったら、「屋外の喫煙所で知り合った。違う会社やビルの人と知り合える」という答え。それで「いいなぁ~~~」と羨ましく思ったのがきっかけだという。始まりはもてたい!なわけね
 この映画が、あまりにも粗口(スラング、汚い言葉)が多かったために、Ⅲ級(成人指定)とされてしまった。その理由について委員会に質問したら、「登場人物がかっとなっているときのスラングならまだしも、楽しい会話の中で使いすぎる」と返答があったとか。「もっと健康的な映画撮りなさいよ」と奥さんには言われてしまうそうな。
 煙草がモチーフになってるので質問もその関係が多くなったが、どうも監督は単なる設定の一つとして考えただけのようだ。ただ、中国大陸での上映ではある程度カットもされたし、喫煙に対して厳しい世の中で大歓迎というわけにはいかないらしい^^;
 ちなみに、楊千[女華]は煙草を吸わないので、この役のために練習したとか。また、女性が年上の“姉弟戀”は実は香港で案外多く、楊千[女華]の夫も年下で、余文樂がつきあう彼女もみんな年上なんだそうで…「役作りは問題なかったと思う」なるほど

 香港らしい、今らしさ、軽やかさ、暖かさがある映画。日本で公開、、、しないかなぁ、、、DVDはあるけど。
 質疑応答で、「晩9朝5」との関連について訊いてみればよかった・・・
 もうひとつ、タイトルの「志明與春嬌」。五月天(メイデイ)に同じタイトルの曲がある。何か古典文学に元ネタがあるのか? と思って調べてみると、特にこれといってあるわけではないが、台湾で俗に恋愛中の男女を指すらしい。男女ともよくある名前だとか。「梁祝」の梁山泊と祝英台とか、ロミオとジュリエットとかと同じような感覚だそうだ。へぇ~。

 予告編を貼っておきます。

 

 ついでに「晩9朝5」の予告編も。

 
 (陳小春(ジョーダン・チャン)はこの映画で香港電影金像奬の最佳新人奬を獲得)

<追記>
 書くのを忘れてたけど、喫煙所で春嬌に声をかけてくる警官役で、王宗堯(グレゴリー・ウォン)が出演している。NHKドラマ「遥かなる絆」を見てた人には、広東語を話すグレゴリーは新鮮かな?

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (はじめまして)
2010-10-28 13:14:02
私も映画みました~
広東語がわかればもっともっと楽しめそうな
映画でした。

五月天の同名曲の件、触れられてますが
監督がこの曲を好きだったそうで、
映画でも使用したかったようです。
でもなんだか、版権?の問題だかで使用できなかった、とどこかで読みました。

またお邪魔します。
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なるほど~ (HO太)
2010-10-28 15:01:53
いらっしゃいませ~
私も、広東語のスラングがよくわからなくて^^;
字幕の訳には限界がありますよね。
広東語って、元々ポンポン投げつけるような言葉だから、どの辺がきれいでどの辺が汚いのか、知らないとわからないですね。
でも、わからなくても十分面白かったです。

監督が五月天の同名曲気に入ってたんですか~。
歌詞が台湾語なんですよね。
版権の問題だとすると、使用料が高かったか^^;
あと、歌手である楊千[女華]が主演なので、主題歌を歌わせないといけなかったかも?!

またぜひ来てくださいませ。
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