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<シリーズ気になる日本語・その1>のが

2006年05月04日 14時21分51秒 | ××語
(設定:クラス対抗リレーの選手を決める話し合い中)
山田「Aくん、Bくん、Cくんは決まりだね。もう一人は? DくんとEくん、どっちが速い?」
鈴木「Dくんのが速いんじゃないかな? Dくんがいいよ」

 上の会話を読んで、違和感を感じる方はどのくらいいらっしゃるだろうか。
 実は私、違和感バリバリで気持ち悪い。「え? どこが?」と思った方、答えは―
鈴木「Dくんのほうが速いんじゃないかな?」
 “ほう”が入らないと、私はとても落ち着かない。文脈からいって意味が曖昧になることはないけど、、、
 この表現を初めて見たのは、昨年のこと。長男が買ってきた「アイシールド21」というコミックに、ちらちら出てくる。
例1:(タックル練習用マシンを壊した人を見て)「怪力、、、おそろしい」(「また校長騙して買わせるか」と言いながら壊れたマシンを蹴る人を見て)「この人のがもっとおそろしい、、、」
例2:「奴ならスタンドから写真撮ってるぞ。アメフトは高いとこのが見やすいからな」
例3:「日曜のこんな朝早くから学校?」「えっと、その、家より学校の自習室のが集中できるかなって・・・」
 「アイシールド21」アニメの放送が始まって、第1回か第2回あたりは、この用法の“のが”が使われたような気がする。が、そのうち出てこなくなり、“のほうが”になった。正確にどの回のどのシーンと覚えているわけではないか^^; どこかから指摘があったのかもしれない。
 私自身、自然な会話の中で聞いたことは一度もない。子供たちにきいてみると、「自分では使わないけど、友達が使っているのを聞いたことはある」そうだ。今の若い子が使うのかと思ったら、私と同年輩の友人も「昔から使っていた」という。「祖父母も使っている」という人もいて、年代の問題ではなさそう。じゃ方言なのか?と考えたが、使うという人の地域がばらばらで、全然しぼれない。ということは、今や正用法への道まっしぐらの「ら抜き」と同じ、大きな変化の一つなんだろうか?
 私が落ち着かないもう一つの理由は、外国人に日本語を教える時、“~のほうが~より~”という表現は初級の段階で教える基本表現だからだ。二つのものを比較して差があることを示すのに、“ほう”がないと二つのうちの一方を表す感じが薄れてしまい、あるものとその他一般になってしまう気がする。そして、音としては同じになる「このシャツは小さいから、もう少し大きいのがほしい」「カレーなら、昨日作ったのが残ってる」などの、「の=(直前に示した・共通認識の)もの」用法と混乱しそうだ。「加藤さんより、佐藤さんのが親切だ」と言われたら、私は「佐藤さんの何が親切?性格?ものの教え方?」と略されているものを探してしまう
 必要ないのにやたらと「ほう」を入れる言い方も最近よく指摘されている。ぼかして言いたい心理の表れかもしれないが、逆にこっちの「ほう抜き」は二つのうちの一方であることをぼかしたいんだろうか。。。使う人は言葉の変化だとも思わず、全く違和感なく使っているみたいだけど、今後広まっていくのかどうなのか、、、気になる~

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