グランプリシリーズのロステレコム杯の週なのに、そっちのけ
フィギュアスケート・全日本ジュニア選手権2019、“うたしん”“あゆみつ”を会場に見に行くことはできなかったけど、西山真瑚くんは男子フリーのBSフジ放送で見られた。
動き始めた瞬間に表情は曲の世界に。体をいっぱいに使い、腕や上半身で表現、指先の動きにも意味がある。スピードに乗ってエッジが大きくグライドして、スケートが鮮やかに伸びていく。4回転も3アクセルもないが、作品としての豊かさは心躍るものだった。曲が「エデンの東」だけに、どこか町田樹の演技を思わせる。
フリー8位111.35、総合9位175.94。納得した顔だった。全日本推薦の目安となる6位までは7.63点、後半シングルになったアクセルがダブルで跳べたり、2回転になったトウループが3回転でコンビネーションにできていれば、あるいは届いたかもしれないが、、、さすがに厳しいか
技術点は下から数えたほうが早い41.55だけど、演技構成点は全体で2番目の69.80、これもフィギュアスケートの一つの形。
そして最終グループ、4番目に出てきた鍵山優真くんは、圧巻だった。登場するときは緊張した顔だったが、動き出せば一変する。スピードに乗って4トウ+2トウ、まったくブレがない。2本目の4トウは回りすぎそうになるのをうまく抑えた。3アクセル+オイラー+3サルコウも乱れなし。
ゆったりしたリズムのステップは、一歩をしっかり見せながら、振付でもアピール。レベルは2だったがGOEは取れた。そして3フリップ+3トウ、3ルッツ、最後は「根性で下りた」という3ループ。跳びまくっただけでなく、動き全体が曲と一体化して、最後まで疾走 あっという間だった。何より、表情が明るくて楽しげで、惹きつけられる。ジュニアグランプリシリーズからぐっとブラッシュアップされて、最高のパフォーマンス
終わってガッツポーズの本人と、涙をこらえる父(コーチ)。ニュース記事のコメントには、父・鍵山正和の選手時代を記憶している人の書き込みがいくつかあって、「父譲りの柔らかい膝」「よく似ている」など。アルベールビル、リレハンメル五輪代表で、1994年世界選手権6位を最後に引退したそうで、伊藤みどりや佐藤有香と同じ世代になるようだ。
全日本では、ショートプログラムにジュニアでは入れられない4回転を入れるという鍵山くん。フリーで羽生結弦や宇野昌磨と同じグループになるかも? もしかすると高橋大輔も?! 本気で表彰台を狙っている感じ。年齢とミニマムテクニカルスコアでシニア出場条件をクリアしているので、成績次第で四大陸選手権派遣もあるかもしれない。
まずはジュニアグランプリファイナルが待っている。今季ジュニア最高得点をマークしているダニール・サムソノフを今大会で上回ったが、国際大会ではないので とはいえ、ほとんど差がないところまで来ているから、勝負になる。楽しみ
そのファイナルに一緒に進出が決まっている佐藤駿のフリーは、4ルッツに挑んでダウングレード。6分間練習できれいに下りただけに、本人はキス&クライで悔し涙 しかし後半3アクセル+3トウを決めるなど、決して悪くはなかった。ファイナルで自信を取り戻しておくれ
ちなみに、現在高1の鍵山優真と佐藤駿は、羽生結弦と9学年違う。羽生が注目され始めたころ、高橋大輔と9学年違う~と思っていたから、、、時の流れを感じる
女子は見事3アクセルを成功させて優勝の河辺愛菜しか放送されなかったが、再放送ではどうかな? 11月24日深夜1:55から地上波フジテレビで放送予定(関東ローカル)。女子の上位陣、うたしん&あゆみつも放送されるといいな
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