フィギュアスケート・世界選手権2016、アイスダンス・フリーダンス(ジャッジスコア)。
<G1>
1 アレクサンドラ・ナザロワ/マクシム・ニキティン(ウクライナ) SD:53.64(20) FD:77.75(18) 合計:131.39(19)
「Fantasia No. 3 in re- minor」モーツァルト♪ グレー系。クラシックのピアノの音にのって、端正なスケート。男性が深く膝を折った上に乗せるリフトは、男性も大きく後ろに反る難しい姿勢。ツイズルはおおむね合わせた。ペアスピンでフリーになっている手と手をつないで輪にするなど、ちょっとした工夫が素敵。
2 セシリア・トルン/ユシヴィル・パルタネン(フィンランド) SD:56.51(17) FD:76.34(19) 合計:132.85(18)
「Gravity」「Life」♪ グリーン系。じっくり語りかけるようなボーカル曲。膝上で逆立ちのような姿勢から肩に乗って前から降ろすリフト、ツイズルはぴったり。全体に流れがよくて引き込まれたが、終盤のステップ途中で男性が転倒、もったいなかった。
3 村元哉中/クリス・リード SD:59.00(16) FD:88.90(14) 合計:147.90(15)
「Pennies from Heaven」「Jubilee Stomp」「The Reel Chaplin: A Symphonic Adventure」「Limelight」♪ ピンクのドレスにピンクのタイ。位置につくまでのコミカルな動きでもう客席を惹きこむ。ロマンチックな前半はゆったりと大きなステップで、テンポが変わってからは勢いよく。クリスは前よりツイズル上手くなった
リフトもスムーズで、全体にスピードがずっと落ちずにノーミス。終わった瞬間、クリスが大きくガッツポーズ また自己ベスト更新
(ショートダンス映像はこちらで)
4 カヴィタ・ロレンツ/パナギオティス・ポリゾアキス(ドイツ) SD:54.80(18) FD:83.86(17) 合計:138.66(17)
「アメリ」♪ 赤いドレス、白いカットソー。パワーがあるスケーティング。頭の後ろからイーグルの膝に立ち、そのままカーブするリフト、右肩の上に女性がお腹で乗るリフトに見ごたえ。
5 バルボラ・シルナ/ユーリ・クラキン(オーストリア) SD:54.63(19) FD:76.25(20) 合計:130.88(20)
「アラビアのロレンス」♪ 映画でロレンスが着ていたような軍服風。肩に乗せるローテーショナルリフトから。男性片足立ちでフリーレッグを前に出すリフトは難しいと聞いた。ツイズルは若干のずれ。
何度も曲調が変わるプログラムで、ちょっと落ち着かない印象^^;
<G2>
6 ナタリア・カリゼク/マクシム・スポディレフ(ポーランド) SD:59.88(14) FD:86.54(16) 合計:146.42(16)
「Crystallize」♪ グレー、黒。グループが一つ上になっただけで、スケーティングが一段上手いような気がする。頭をまたいでから首に足を巻きつけるリフト、男性が低い姿勢で女性を横向きにホールドするリフト。ツイズルで女性がバランスを崩してしまった。
7 アレクサンドラ・ステパノワ/イワン・ブキン(ロシア) SD:63.84(11) FD:99.46(11) 合計:163.30(11)
「Rachmaninov's Revenge」♪ パールピンクのドレス、男性は透ける黒。トレードマークのシット姿勢ツイズル、今日もばっちり。肩のリフトからは側転のように体を回して下ろす。スピードがあってパワフル。
8 ローレンス・フォルニエ=ボードリー/ニコライ・ソレンセン(デンマーク) SD:59.75(15)
FD:91.92(13) 合計:151.67(13)
「Woman」「Take My Hand and Follow Me」♪ 赤のドレス、クリーム色のシャツ。その場で肩にのせて回転するリフトから。ツイズルは2人の距離が近い。リフトの上げ下ろしがステップの一部のよう。
9 フェデリカ・テスタ/ルーカス・チョリー(スロバキア) SD:61.75(12) FD:87.08(15) 合計:148.83(14)
「Passeggiata In Paese」「Kutlama」「Ma l'amore no」「Orgia」♪ 黒のドレス、スカーフにベスト。大きく展開するツイズル、首の後ろを回って片足立ちの膝に立ち、そのままローテーショナルリフトへ。男性の低い姿勢で脛のあたりに女性が乗るリフトも独特。
10 イサベラ・トビアス/イリア・トカチェンコ(イスラエル) SD:60.97(13) FD:93.44(12) 合計:154.41(12)
「イーゴリ公」より「韃靼人の踊り」ボロディン♪ 黒系で金やストーンの飾りがきれい。最初はきれいなペアスピンから。逆立ち姿勢の女性のウェストあたりを片腕でホールドするリフト。合唱のパートの柔らかなステップが素敵。
<G3>
11 シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア) SD:65.96(10) FD:101.95(9) 合計:167.91(10)
「シンドラーのリスト」「(「ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋」より)Abdication」♪ グレーのコート、白シャツにサスペンダー。ここまでのどのカップルよりもシンクロしてるツイずるに拍手が起こる。背中にしがみついて逆立ちリフト、太腿あたりをホールドしてのリフト。
やりきった演技で高得点に大喜び。
12 アンナ・カッペリーニ/ルカ・ラノッテ(イタリア) SD:70.65(6) FD:112.07(4) 合計:182.72(4)
「甘い生活」「フェリーニのアマルコルド」「カビリアの夜」「8 1/2」♪ この組がここでフリーとは…。グレーのドレス、白シャツ。ツイズルは易々と、靴をホールドするリフトは、女性の位置がうんと高くなって、限りなくペアに近い
後半、曲のテンポが速くなるところで、ぐいぐいとスピードに乗り、完璧なコンビネーションを見せた。自己ベスト更新
13 ペニー・クームス/ニコラス・バックランド(イギリス) SD:68.23(8) FD:104.94(7) 合計:173.17(7)
「Exogenesis Part 1」「Hurricanes and Butterflies」♪ 蝶の模様のドレス、男性は黒系。体を回して持ち上げ、靴をホールドするリフト。女性が小柄なので、わりと振り回す系が多いかも^^; ペアスピンでレイバック姿勢の女性の上に男性が覆い被さるような姿勢も。
最後まで迫力があった。ここも自己ベスト更新
14 ヴィクトリア・シニツィナ/ニキータ・カツァラポフ(ロシア) SD:67.68(9) FD:101.29(10) 合計:168.97(9)
「イオ・チ・サロ」♪ ブルーのドレス、男性は黒。非常に一歩が大きくスピードがある。男性がガンガン行くツイズルに女性が必死でついていってる 空中で1回転させてから受け止めるリフト、ペアのツイストを一瞬やったみたいな 男性のラウンジポジションの膝上に立つリフト。
この曲だと、小塚崇彦のプログラムやペア・龐清(Qing PANG)/佟健(Jian TONG)のプログラムを思い出す・・・
15 マディソン・ハベル/ザカリー・ドナヒュー(アメリカ) SD:68.44(7) FD:108.37(6) 合計:176.81(6)
「Adagio for Strings」♪ 割れんばかりの拍手と声援の中に登場する地元アメリカ勢最初の組。黒のチューブトップ、黒のVネック。回転のシャープなツイズル。イーグルの靴上にのるリフト、腕を持って背中にのせるリフト。マーチのパートでは手拍子に後押しされて力強くステップ。
終わって虚脱状態の顔、自国開催ということで相当緊張してたのかな。自己ベスト大幅更新に、コーチともども大喜び
<G4>
16 パイパー・ギルス/ポール・ポワリエ(カナダ) SD:70.70(5) FD:102.37(8) 合計:173.07(8)
「She Said」「Neverland」♪ 黒と赤、赤と黒。女性の右足にも何か模様が。今にも触れそうなほど近いツイズル、男性がシット姿勢でその場で回るリフト。男性の片腕に女性がぶら下がるリフト、どきどきする
オルタナ系の不思議なムードの曲で、独特の世界を演出した。自己ベストに深く頷く。
17 ケイトリン・ウィーヴァー/アンドルー・ポジェ(カナダ) SD:71.83(4) FD:110.18(5) 合計:182.01(5)
「On the Nature of Daylight」「This Bitter Earth」「Run」♪ グレー系。二人で跪いた姿勢からスタート。ツイズルで男性が1回転だけ多く回ったが、回転自体はよく合っていた。片足で前に出したフリーレッグに沿わせるスプリットポジションのリフト。
ここが凄い、というより、全体で次々繰り出してくる構成力と、エッジの深さが優れていると思う。
18 マディソン・チョック/エヴァン・ベイツ(アメリカ) SD:72.46(3) FD:113.31(3) 合計:185.77(3)
「協奏曲第2番」ラフマニノフ♪ ワインカラーのワンショルダー、男性は黒系。地元期待のアメリカ勢2番手が登場。ツイズルは最後をうまく合わせた。ダンスリフトのような形から入るペアスピン、リフトはなんか難しくてうまく書き表せない^^;
自己ベスト更新でトップに立ち、メダル確定
19 ガブリエラ・パパダキス/ギョーム・シゼロン(フランス) SD:76.29(1) FD:118.17(1) 合計:194.46(1)
「Rain In Your Black Eyes」「Build a Home」♪ ブルーグレーからワインカラー。ディフェンディングチャンピオンの登場。男性がシット姿勢のステーショナリーリフトから。芸術的といいたいツイズル。ペアスピンの回転が速い。動きに無駄がなく、削ぎ落とされたシンプルな表現が、いっそう技術の高さを引き立てている。
シーズン前半、試合に出られなくてつらかったカップル、よくここまで来た 自己ベスト大幅更新。
20 マイア・シブタニ/アレックス・シブタニ(アメリカ) SD:74.70(2) FD:113.73(2) 合計:188.43(2)
「Fix You」♪ 黒っぽい臙脂系。全米チャンピオンの誇りをかけて登場。片足立ちのカーブリフト、ジャンプして乗って激しくポジションを変えていくリフト。テンポアップするギターにシンクロしてツイズルも加速する。
このカップルも、余分なことはしない。ひたすら足元の鍛え抜かれた技術の美しさを見せていく。やりきったプログラム。
得点を見て、納得の顔。自己ベスト更新で、初出場以来のメダル獲得
結果、優勝はパパダキス/シゼロン2連覇 2位マイア&アレックス・シブタニ、3位チョック/ベイツとアメリカ勢が強さを見せた。カッペリーニ/ラノッテが4位に順位を上げ、5位ウィーヴァー/ポジェ。6位ハベル/ドナヒュー、7位クームス/バックランド、8位ギルス/ポワリエ。
ロシア勢は9位シニツィナ/カツァラポフ、11位ステパノワ/ブキン。やはり、ボブロワ/ソロヴィヨフが出場できなかったのは痛かったか。
来年度の出場枠は、フランス、アメリカ、カナダが3枠、イタリア、イギリス、ロシアが2枠。イタリアは4位と10位だったので惜しい^^; 3枠取れれば、小松原美里/アンドレア・ファブリにチャンスがありそうなんだけど。
村元/リードは、このカップルとしては初出場で15位、大健闘 ヨーロッパ北米以外でフリーに進んだのは1組だけ、村元哉中はアイスダンスに転向してわずか2年。本当に将来が楽しみなカップル
今夜、深夜1:10~2:10(1日25:10~26:10)フジテレビでアイスダンス・フリーダンスを放送。かな&クリスを大きい画面でチェックしなきゃ