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2008年08月30日 21時38分21秒 | アジア
 考えてみたら、中国って口パク禁止のはずだったんじゃ・・・?
 北京オリンピックが終わってふと思い出した開会式の演出についての議論。少女の歌声が口パクだったことについて、張芸謀(チャン・イーモウ)監督が語っている(8/18朝日新聞夕刊)。
 「あれは私が決めた。議論が出るとは思っていた」「開会式の完璧な美しさを追及し」「一種の創作だ」「演奏も多くは録音を使っている」
 録音を使って悪いということはないけれど、普通録音を使う場面に演奏者がその場に出てくることはない。演奏者がその場に登場して、ピンマイクをつけていたら、その場で歌うと期待されるだろう。
 大舞台で子供に歌わせたら、間違えたりずれたりするかもしれない。そんな事態になったら面目丸潰れ。危険は冒せない。そう考えるのは理解できる。
 しかし、たとえミスがあっても、それを含めて、その場で表現することのほうが尊く、その表現を共有したいと考える人々が、世界にはたくさんいるのだ。
 56民族代表の子供たちの多くが実は漢族だったということも、それがなぜ批判されるのか現地では理解しがたいようだ。演出として各民族の衣装を着て登場、それで融和を表現する意図だったらしい。(閉会式でも民族衣装の人々が登場したが、アナウンサーがはっきり「俳優」と言っていた。)
 実際に各民族から代表を選んで登場させるとなると、その準備は確かに大変だろう。北京在住の子役俳優などから選べば、練習も十分にさせられる。
 それでも、本当に中国という国を世界に知ってもらおうとするなら、そのリアルな姿の一部として、実際に生きている各民族から選ぶべきだと思う。口パクの件と同じで、リアルな姿をリアルに共有することを大切に思う価値観が、世界には存在する。
 演出上の考え方の違いといえばたしかにそう。大げさに考えることはないかもしれない。でも、世界には違う考え方、違う価値観があることに気づくことが重要だ。今回はそのきっかけになったかな
コメント
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