友人の素朴なギモン第2弾。
「外国の地名とか人名とかも、中国語では漢字で書くわけでしょ? どう書くか、誰がどうやって決めるんですか?」
それは、だいたい大手の(政府系の)新聞社などが最初に決めて記事を書く。初めのうちは、メディアによって多少の差があるが、だんだん一つの表記に落ち着いてくる。それでも、地域によって微妙に差があるものもある。
好莱塢(はおらいう)
荷里活(ほれいうっ)
聖林
この3つは同じものを表しているのだが、さて、何のことでしょう?
――答えは、ハリウッド(Hollywood)。一番上は北京語地域で、2番目は香港で使われる。3番目は実は日本語の当て字(というか、HollyをHolyと間違えて意訳^^;)。同じ場所とは思えないくらい違う・・・
中国返還後の香港では、表記その他を北京語式に合わせる傾向にあるが、その一例はオーストラリアのシドニー。今では悉尼(しっねい)だが、以前は雪寧(しゅっにん)だったそうだ(北京語ではそれぞれシーニー、シュエニン)。天気予報のとき、蘇黎世(そーらいさい)というのがどこのことかさっぱりわからなかったが、北京語の地名辞典でチューリヒと判明した(北京語読みでスーリーシー)。母の日にプレゼントする花の話をしていて、「それは“ほんないしん”」と言われ、カーネーションをどうすると“ほんないしん”になるのかと思ったら、北京語の康乃馨(カンナイシン)を広東語読みしているだけだった。
そういえば、最近、韓国の首都ソウルが漢城(ほんしん)から首璽(さうい)に変わった。ウィキペディアによると、今年の05年1月18日から、ソウル特別市庁は正式に中国語表記を首璽に定めた。ソウルは、韓国で唯一、対応する漢字が元々ない都市で、漢城・漢陽・京城などの伝統的な呼称は、李氏朝鮮時代や日本統治時代のもの。香港や台湾のメディアはこの決定に従って変えた。一方、維基百科によると、中国では「漢字の発音は地域によって変わってしまうので混乱する上に、韓国語の本来の発音とかえって離れてしまう」という理由で、「漢城(首璽)」のような併記をしているメディアが多いということだ。そのうち浸透すれば一つにまとまるだろう。
そういうわけで(?)中国語で外国の地名人名表記はなかなか大変。香港人でも、子どもの頃から移民や留学で海外で育った人は、広東語で言われてもわからないそうだ。ご苦労様です・・・って、日本語もそうかな? 先に英語で覚えた人は、Netherlandsがオランダとか、いちいち覚えないといけないのかな? すみません、変な名前にしちゃって・・・って、私が決めたんじゃないんですが^^;
<追記>
晏晏的自言自語で、ちょうど「好莱塢」「荷里活」の話題が出てました。そう、香港では道の名前やショッピングモールの名前にもなってるんです、「荷里(李)活」。何かと北京語式に合わせてる香港だけど、これはどうなることやら?