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張敬軒「am/pm」(出身:中国 活動:中国 発行:中国/香港)

2005年01月23日 03時08分26秒 | CD紹介
 このジャケット写真は香港版。曲順とジャケ写が少し違う中国大陸版もある。2種類あるのは、この人が広州の人で、大陸と香港と両方のレコード会社から発売しているから。広東省の省都・広州では、地元の人はだいたい広東語を話す。でも、学校や公共放送は北京語。字も大陸だから簡体字。(広東電視台には、広東語ニュースの時間もあるらしい。)本籍は北京だけど広州で生まれ育った張敬軒(ヒンズ・チョン)は、そういうわけで北京語と広東語の両方を話し、広州と香港の両方でCDを発売し、プロモーションもするのだ。
 1stアルバム「MY WAY」でほとんど自作のR&Bを展開したが、今回は自作曲は少なく、盟友の常石磊が関わる曲が多い。その分、ボーカルやコーラスに工夫して、曲風もバラエティ豊かになった。常石磊と李悦君のコーラスが抜群の「春天」は、耳元でささやかれるボーカルが気持ちいい。しみじみバラードの「無能為力」はロングヒットになっている。北京語、英語、広東語の3バージョンある「Blessing」(北京語版は「他們」)。オリジナルはおそらく北京語版で、英語版が次で(Rayvaughn Covingtonという名前がクレジットされている)、最後に広東語版を作ったんじゃないかと思う。その広東語詞は、2004年11月に亡くなった香港の作詞・作曲家、黄霑の最後の作詞となった。最初に聴いたせいか、私はこの広東語版が一番好きだ。歌詞の内容と発音が一番曲に合っていて、盛り上がる。優しい歌い方のHinsがドラマチックに歌い上げるところは、ゴスペルと言ってもいい。
 香港・大陸両版に共通の広東語曲は梁詠(ジジ・リョン)提供の「昨夜、早晨」と先行シングル「孤単公園」。これも大陸版は広州の地名を歌詞に織り込んだ「公園前」にするあたり、芸が細かい。曲順も大陸版は北京語曲を初めから並べ、広東語の2曲は最後だが、香港版は初めに「昨夜、早晨」を持ってきて、間に「孤単公園」や「Blessing(広東語)」を配置。香港人が飽きないようにしているわけだ。
 2004年度の香港の音楽賞にもノミネートされ、授賞式に来ていた。香港のミュージシャン達とも顔がつながったようだから、次は意外な組み合わせの合作があったら面白いな。でも、授賞式にはもう少し良い服を着ておいでよね。可愛い顔してるんだから。
am/pm @YesAsia.com
コメント (5)
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