AKB48の旅

AKB48の旅

NHK Eテレ日曜美術館「ポップアートの奇才 ウォーホルを”読む”」

2014年04月07日 | AKB
4月6日放送のNHK Eテレ日曜美術館「ポップアートの奇才 ウォーホルを”読む”」が、想定外の当たりだった。レコーダーがたまたま拾ってくれた番組だったんだけど、秋元氏が相当踏み込んだことを語ってた。と言うか、秋元氏って、ここまでアンディ・ウォーホルに影響受けてたんだという驚きの方が大きかったかな。

不勉強にて、ウォーホルについて何を知るわけでもないんで、見当違いの恥さらしなのかも知れないけど、少なくとも番組内で紹介されたウォーホルの作品を見る限り、そこには秋元氏の方法論との、強い関係性を感じざるを得ない。

まず容易に見て取れる、ウォーホル作品の特徴であるところの「反復」。私でも知ってる有名なマリリンモンローの「肖像」をはじめ、同一の絵柄の繰り返しや、色違いでの複製。付け焼き刃的な知識では版画だと思ってたんだけど、厳密にはシルクスクリーンの技法で製作されてるとのことで、つまりは印刷ということになる。

この「反復」ということについて、番組中で秋元氏は、聞きようによってはだけど、もの凄いことを語ってた。拳銃を構えたプレスリーの、ほぼ同一像を左右に配した作品を前にして、以下文字おこし。

クリエーターにとって、反復って実は、凄く勇気がいることなんですよ。だから、もしかしたらここのスペースに違うモノを持ってきたら、表現するものとして、情報量としては倍になるんですよ。我々凡人は、ここに何か置きたくなりますよ。例えばこっちが、プレスリーであれば、例えば、反アメリカ的なものであるのか、あの、あるいは奇を衒って、こう凄く、あの、ピストル構えてかっこいいプレスリーと、こちら側には、便器が置いてあって、で、便器、あっ、こんなかっこいい人も、便器に座ることもあるんだとかっていうメッセージを、二つの中で、ねえ、入れようとか。なんかそういうことは、もう、余計なギミックであって、もう反復、同じことを繰り返すことが、良いんだって、まあそんなね、凄い・・・くないですか。

なるべく正確に文字おこししたつもりだけど、多分ニュアンスまではうまく伝わってないと思う。これを語る秋元氏は、少年のように興奮してた。大きな身振り手振りとともに、いつにも増して語り口に抑揚があって、最後の「凄い・・くないですか」では、実に楽しそうな表情を浮かべてた。

秋元氏の過去の言動を追って行くと、細部までまったく同一のネタを、何度も繰り返すという行動を取り続けていることに、容易に気がつける。結果、常に情報管理をするかの如く、新情報を出してこない秋元氏という姿ができあがることになるんだけど、この「反復」ということが、正に秋元氏の一面の特徴であることは、これまで何度も繰り返し指摘してきたし、不思議にも思ってきた。

その一方で、秋元氏は予定調和を嫌うことを公言し、少なくともAKBG関連においては、間違いなくこちらも実行し続けてきた。つまり、自身の言動は一見、予定調和的に見えるのに対し、プロデューサーとしての采配は、これとは正反対であるかのように見えることになる。

これは秋元氏だけの話ではない。AKBメンバーにしても、秋元氏の強い影響下にあるだろう主要メンバーほど、同様の傾向が見られてた。一例、高橋さんが代表になると思うけど、その語る内容が、有名どころだと「嫌われる勇気を持ちなさい」はじめ、判を押したように同一のネタ群の繰り返しになってた。

メンバーについては、勝手に、繰り返しにならざるを得ない劇場公演と握手会の影響なんだろうと決めつけてたし、そうでなくても若い女の子であるが故、ファンといえども不特定の他者であるところの、その他者へ向けて発せられる言葉に、広い知見や多彩な話題を期待する方がおかしいと、当たり前のように考えてしまってた。実際には、代表として名前を挙げた高橋さんの高い見識と知性を、正に昨日の記事で実例として取り上げたばかりというていたらくだけど。

秋元氏が、そして主要メンバーが、なぜそのような言動を取り続けてるのか。もしかしたら、その一つの解答が、上記文字おこしした内容なのかも知れない。ウォーホル関連ではもう一つ気づいたことがあるけど、長くなったんで、そちらも併せて、この話題は、また気が向いたらということで。