AKB48の旅

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「恋愛総選挙」 その後

2014年04月27日 | AKB
スタートこそ、AKBの表看板ともいえる高橋さん、小嶋さん、渡辺さん、柏木さんという主力メンバーをゲストに、がちがちに手堅く始めたなと思わされたけど、第3回からいよいよ本気出してきた感じになり、この第4回で、ついに「恋愛総選挙」という番組の本領が発揮された、狙いが明らかになったと見て良いんじゃないか。

第3回での小嶋真子さんの投入と、ラビットパーティへの土屋博嗣氏の登場が重なったのは、偶然なのかも知れないけど、ここは意図的と捉えた方がおもしろそうなんで、そういう見方を採用してみよう。第一印象で小嶋真子さんを除く3人が土屋氏を選んだのは、恐らくは女性の本能みたいなものなんだろう。少なくともこれはやらせとかじゃないと思う。そこに小嶋真子さんの「オジサン」発言と、本気で嫌そうな表情を被せることで、舞台装置は完了。

こっから土屋氏の大暴走が始まったかのような編集になってるけど、この土屋氏、語ってる内容だけを淡々と聞くなら、そんなに間違ったことは言ってない。強引でよくしゃべるというのも、メンバーは盛んに忌避的な姿勢を示してたけど、弱気で無口とどちらを選ぶかと聞かれたら、多くの女性は究極の選択とか言い訳しつつ、前者を選ぶはず。お金持ちと貧乏人はもちろん、金払いの良さとケチでも同様。少なくとも好意の反対は無関心、嫌い嫌いも好きのうち、そんな機微がしっかりと浮き彫りになって行く。気がつかれにくいけど、司会での土田氏の巧みなアシストも光る。

第3回のラストで、次回が今回カップル成立した土屋氏と三輪田さんのデート密着と知らされて、小嶋真子さんが拒否反応を示していたのは正に本能的な反応だろうし、一方で高橋さん、柏木さん、山本さん、そして指原さんの4人が、前のめりの興味津々なのも、これまた見事に本能的な反応に見える。こういう姿が真っ正直に現れる、現れてしまうというのが、恐らくはAKBの「恋愛禁止条例」の最大の問題点にして、秋元氏が何とかしたいと思ってる、正にこの「恋愛総選挙」という番組での狙いと言う風に見える。

というわけでいよいよ第4回。ゲストは横山さん、北原さん、島田さん、そしてなぜか(と言っとく)木崎さんになり、指原さんとの関係、土田さんとの関係からも、これまでと比べはるかに自由な空気、素の反応が出やすいメンバー構成になってると思われる。どう考えても狙ってやってるだろう。

そこに繰り広げられる土屋氏のベタなデート展開。リムジンでの出迎えに薔薇を敷き詰めるというのは、あれは何だったっけ、ハリウッド映画とかでも見られるとおり、一種王道なわけで、むしろこれだと薔薇の花がけち臭いぞとか突っ込めるレベル。ドンペリのロゼのウェルカムドリンクは、いかにもバブル的でイケてないようで、ちとやりすぎだったのか、土屋氏、今一手慣れない感じ。

プチエステから洋服、ヘリコプターをチャーターしての夜景と続くプレゼント攻勢も、映画的展開としてはありがちとも言えそう。あれ、そういえば以前、指原さんはLAかどこかで夜景ヘリに乗ってなかったっけ。女の子を褒めまくるのもお約束みたいなものだろう。リムジンでの移動シーンのBGMが常にサンダーバードなのが、スタッフの心意気。自宅レストランに生まれ年ワインのプレゼントは、もうチェックメイトでしょ。実際そんな編集になってるし。

この一連を見てたゲストメンバーはすっかりノリノリになってる。三輪田さんは恋愛に不慣れな設定になってるけど、指原さん以外のメンバーの反応も似たようなものということかと。指原さんと北原さんの目配せ(たぶん)がリアルだったし、島田さんの無防備ぶりも、役割を分かってやってるのか、それとも素なのか。横山さんの反応からすると素かな。

けれども、「恋愛禁止条例」下にあったとして、こういう無敵にすら見える土屋氏のようなタイプに口説かれたとしても、一度この番組を通して疑似体意しとけば、少なくとも一撃での完落ちは避けられるのではないか、踏みとどまれるのではないか。出演者はもちろんだけど、少なからぬメンバーも見てる可能性があるわけで、そんなこの番組は教育的指導のように見えてしまうし、それを番組として面白くできてしまってるという一石何鳥ぶりが、なんというか秋元氏界隈的な味わいのような。